133 / 196
2.計画実行と兄妹登場
2-072
しおりを挟む「マリューズ殿、一つよろしいでしょうか。」
不意に、ナギがジークさんに話し掛ける。
今まで、ナギがジークさんに話し掛けるところを一度も見たり、聞いたりしたことがないから、ナギがジークさんのことを「マリューズ殿」って呼んだことに、かなり驚いている。
「どうされましたか?ジョニアス卿。」
きょう?
きょうって、あの卿?
卿って、確か官職に就いている人に対する敬称じゃなかったけ?
【マスターの前世の世界に記憶されているものとしては、その認識で合っています。ですがおそらく、ベイルマートでは、長い年月の中で正しい意味を継承し続けることが出来ず、中途半端な知識を代々継承し続けたことにより、大元の意味合いが変異した、と推測されます。ベイルマートでは、貴族家の当主が、他の貴族家の当主、特に自身より高位の爵位を持つ者や高位の役職に就いている者を呼ぶときの敬称として使われているようです。】
なるほどぉ。
まぁ、そういうこともあるよね。
でも、あれっ?
ナギたちよりは、ジークさんの役職の方が高いんじゃないのかな?
“王家の家宰” っていう役職の立ち位置って、どの辺りになるんだろう?
下の方ではないよね?
たぶん高い方のはず。
「マリューズ殿、自分はまだ、爵位を継承していない身ですので、『卿』と称す必要性はないかと。そして、自分の方がマリューズ殿よりも階級が低いので、ナギ、とお呼びください。」
あっ、そうか。
ナギは、次期男爵でジークさんは准男爵。
将来的には、ナギの方が爵位が高くなるのか。
でも、ナギはまだ、爵位を継承していないんだから、ジークさんの方が今は高いはずだよね?
それとも、エルフにとっては、数年の差なんて関係ない、みたいな感じなのかな?
「承知しました。ですが、ナギ様はハイ・エルフで、私は、エルフ。どうか、この違いだけは、覚えておいてください。」
「え、あ、あぁ。分かりました。」
あぁ、そっかぁ。
リーナさんがハイ・エルフなら、その姪にあたるナギもハイ・エルフになるのかぁ。
それで、エルフにとってのハイ・エルフは・・・・・・・・・
【種族全体の王族的な立ち位置になります。】
だよねぇ。
そういうことかぁ。
「それで、マリューズ殿に」
「ジークとお呼びください。」
「・・・・・・・・・分かりました。自分とウルクで話し合いましたことで、一つジーク殿に提案があるのですが、聞いていただいてもよろしいでしょうか?」
えっ、待って。
僕、そんなの聞いてないけど。
なになに?なんのこと?
「えぇ、構いません。」
「ありがとうございます。自分たちの提案は、フィルシールド殿下に対し、正式に魔法師の家庭教師を付ける、といったものです。」
えっ!?
「成程。確かについ先日、アンリエッタ様が、フィルシールド殿下が魔法を発動されたという話をしていらっしゃいましたが・・・・・・・・・。分かりました。一度持ち帰り、話をしておきましょう。殿下が意図せず魔法を行使され、怪我をされては困りますから。」
【そんなことは、起こしません!】
ウィーシュ、落ち着いて。
ジークさんやナギたちは、ウィーシュのことを知らないんだから、仕方がないでしょ。
それよりも、いろんな魔法を早く知る機会ができそうなんだから、ねっ。
【納得はできかねますが、仕方がありません。いい人材が来ることを期待しましょう。】
そうだねぇ。
0
あなたにおすすめの小説
異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい
ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。
強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。
ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。
【完結】憧れのスローライフを異世界で?
さくらもち
ファンタジー
アラフォー独身女子 雪菜は最近ではネット小説しか楽しみが無い寂しく会社と自宅を往復するだけの生活をしていたが、仕事中に突然目眩がして気がつくと転生したようで幼女だった。
日々成長しつつネット小説テンプレキターと転生先でのんびりスローライフをするための地盤堅めに邁進する。
転生能無し少女のゆるっとチートな異世界交流
犬社護
ファンタジー
10歳の祝福の儀で、イリア・ランスロット伯爵令嬢は、神様からギフトを貰えなかった。その日以降、家族から【能無し・役立たず】と罵られる日々が続くも、彼女はめげることなく、3年間懸命に努力し続ける。
しかし、13歳の誕生日を迎えても、取得魔法は1個、スキルに至ってはゼロという始末。
遂に我慢の限界を超えた家族から、王都追放処分を受けてしまう。
彼女は悲しみに暮れるも一念発起し、家族から最後の餞別として貰ったお金を使い、隣国行きの列車に乗るも、今度は山間部での落雷による脱線事故が起きてしまい、その衝撃で車外へ放り出され、列車もろとも崖下へと転落していく。
転落中、彼女は前世日本人-七瀬彩奈で、12歳で水難事故に巻き込まれ死んでしまったことを思い出し、現世13歳までの記憶が走馬灯として駆け巡りながら、絶望の淵に達したところで気絶してしまう。
そんな窮地のところをランクS冒険者ベイツに助けられると、神様からギフト《異世界交流》とスキル《アニマルセラピー》を貰っていることに気づかされ、そこから神鳥ルウリと知り合い、日本の家族とも交流できたことで、人生の転機を迎えることとなる。
人は、娯楽で癒されます。
動物や従魔たちには、何もありません。
私が異世界にいる家族と交流して、動物や従魔たちに癒しを与えましょう!
【完結】前世の不幸は神様のミスでした?異世界転生、条件通りなうえチート能力で幸せです
yun.
ファンタジー
~タイトル変更しました~
旧タイトルに、もどしました。
日本に生まれ、直後に捨てられた。養護施設に暮らし、中学卒業後働く。
まともな職もなく、日雇いでしのぐ毎日。
劣悪な環境。上司にののしられ、仲のいい友人はいない。
日々の衣食住にも困る。
幸せ?生まれてこのかた一度もない。
ついに、死んだ。現場で鉄パイプの下敷きに・・・
目覚めると、真っ白な世界。
目の前には神々しい人。
地球の神がサボった?だから幸せが1度もなかったと・・・
短編→長編に変更しました。
R4.6.20 完結しました。
長らくお読みいただき、ありがとうございました。
不倫されて離婚した社畜OLが幼女転生して聖女になりましたが、王国が揉めてて大事にしてもらえないので好きに生きます
天田れおぽん
ファンタジー
ブラック企業に勤める社畜OL沙羅(サラ)は、結婚したものの不倫されて離婚した。スッキリした気分で明るい未来に期待を馳せるも、公園から飛び出てきた子どもを助けたことで、弱っていた心臓が止まってしまい死亡。同情した女神が、黒髪黒目中肉中背バツイチの沙羅を、銀髪碧眼3歳児の聖女として異世界へと転生させてくれた。
ところが王国内で聖女の処遇で揉めていて、転生先は草原だった。
サラは女神がくれた山盛りてんこ盛りのスキルを使い、異世界で知り合ったモフモフたちと暮らし始める――――
※第16話 あつまれ聖獣の森 6 が抜けていましたので2025/07/30に追加しました。
積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!
ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。
悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。
神様の忘れ物
mizuno sei
ファンタジー
仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。
わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。
最底辺の転生者──2匹の捨て子を育む赤ん坊!?の異世界修行の旅
散歩道 猫ノ子
ファンタジー
捨てられてしまった2匹の神獣と育む異世界育成ファンタジー
2匹のねこのこを育む、ほのぼの育成異世界生活です。
人間の汚さを知る主人公が、動物のように純粋で無垢な女の子2人に振り回されつつ、振り回すそんな物語です。
主人公は最強ですが、基本的に最強しませんのでご了承くださいm(*_ _)m
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる