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2.計画実行と兄妹登場

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  サーシャさんの状態のことは、今は、周りの人たちに言うことが出来ない。
  なぜなら、どうやって知ったのかとか、絶対に聞かれると思うから。


  それに、サーシャさんの状態を伝えるために、このスキルのことだけでも言ってしまったら、なし崩し的に他のスキルとかも全部バレちゃう気がする。

  お父さんならともかく、お母さんやリーナさん相手だと隠し切れる自信が無い。



「バレてしまったら、どうなるんだろう?」そう考えた時に、真っ先に思い浮かんだのが、前世で読んだラノベの主人公の姿。
  その主人公は、努力してチートスキルを強化して、圧倒的な力で無双していた。
  そして、その主人公の力に恐怖した人たちが腫れ物扱いをするせいで、孤立していた姿に何度も涙した。
  その物語が頭の中で再生された。



  みんなが僕のスキルを、ステータスを知ったら、どうなるんだろう。

  怖がられるかもしれない。
  恐れられるかもしれない。

  僕自身、みんなが怖がって、離れていった後、あの主人公のように孤立することが、何よりも怖い。

  ただでさえ、僕は王族で、前世以上に孤立しやすいかもしれない立場なのに、孤立する理由を増やしたくない。

  あの主人公は、辛かったんだと僕は思っている。

  僕は、好き好んで孤立できるほど強くない上に、ひとりで生きていけるほど心が強くない。


  物語の一場面と、想像してしまった未来が交差する。
  お母さんや優しくしてくれるみんな、可愛がってくれる人たち、お父さんやサーシャさん、リーナさんにジークさん、それから、・・・・・・・・・それから・・・・・・・・・。
  親しいみんなにすら畏怖される姿が脳裏をよぎる。



  それは、僕にとって、あまりにも怖すぎる光景だった。



  だから、サーシャさんには申し訳ないけど、サーシャさんに自覚症状がでたり、何かの拍子で発覚したりするまでは、僕とウィーシュの中で隠しておかなきゃいけない秘密にしておく。



  今は、どうしようもないくらい、怖い。



  ちょっとした僕の反応から、秘密の全てが、みんなにバレてしまわないかなって、ずっと、ヒヤヒヤしてさっきまでとは違う緊張感がある。


  自意識過剰かもしれないけど、一昨日のこととか、早すぎる魔法の習得具合とかから、既に怪しまれているんじゃないかと思ってしまう。


  この秘密を隠し通すためにも、相手の秘密を知る方法と自分の秘密を隠す方法をしっかりと学んで、身につけておこう。

  この秘密は、このステータス、このスキルたちは、せめて3歳の『洗礼の儀』までは、絶対に隠し切るんだ。



【(・・・・・・・・・生後一週間程度で、意思疎通が可能になった時点で、既に、手遅れだと推測されます。)】
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