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2.計画実行と兄妹登場
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しおりを挟むティファニアさんが言っていた、「産み直し」。
これは、間違いなくこの異世界特有のものだと思うんだけど、一体なんだろう?
【産み直しという行為は、文字通り、病気や欠損などを抱えた状態で産まれた自身の子を一度体内に取込んで育て、病気や欠損を無くすために行われています。実行可能な種族は一部の魔族と精霊族そしてフェアリー族ですね。そして、当のユグラシア公爵は、精霊族に分類されている世界樹族のようですね。】
へぇー、すごいなぁ。
産まれた子どもが、必ずしも健康とは限らない。それは、前世の僕が病弱だったから、よく知っている。
そんな、本来ならどうにもならないことをどうにか出来る技が存在するなんて・・・・・・・・・流石、異世界って感じがする。
【神々との関係が、現在進行形で深い世界、ならではの特異な能力ではありますね。本来であれば、産み直しなど、神の力なしに成立するような事象ではありませんので。ですから、神々の血を色濃く引いている一部の種族にしか行えない行為なのでしょうが。】
そうなんだね。
まあ、それは一旦置いといて、僕とユグラシア公爵のお腹にいる子どもとの婚約の話は、どこから来たんだろう?
僕はそんな話を聞いたことがないんだけど。
まさか、タイミングが良かった、ってだけの理由で早とちりした、とかじゃない、よね?
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「フィル、ラティ姉様の言動については、本当に申し訳ないですわ。おそらく、今頃はリーナやルー姉様あたりに説教されている頃でしょう。そのため、ラティ姉様が謝罪のために訪ねて来るとしても、明日以降になると思いますわ。」
そう言ったティファニアさんの顔には、「ラティ姉様が居ると、本当に疲れますわね。ですが、まぁ、この程度のことであれば、慣れてはいますけどね。」と書かれている。
まだ、15歳にすら届いていないような年齢の子どもの身でありながら、個性の強い兄姉に振り回されて、不要な苦労をし続けていたのであろうと思うと、ティファニアさんが、あまりにも可哀想過ぎて、つい同情してしまう。
王族という身分だけでも、負担というか、責任というもので押し潰されそうなくらいのプレッシャーがあるのに、曲者兄妹まで揃ったら、ストレスでおかしくなってしまう可能性だって、十分にある。
その点では、王族という身分に対しても、大きすぎる期待という名のプレッシャーを掛けようとしないリーナさんの言動には、感謝の気持ちが溢れて来る。
それでも、怖いなと感じている部分があることには、変わりないんだけどね。
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