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2.計画実行と兄妹登場
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しおりを挟むそうこうしているうちに、僕の部屋へ救世主、ナギがやってきた。
時間的には、・・・・・・・・・おそらく、サーシャさんの朝の稽古への招待、だと思う。
「賑やか?なところ、大変申し訳ないのですが、師匠にフィル殿下を連れてきて欲しい、と頼まれましたので・・・」
「ん?ああ、貴様は・・・・・・・・・リーナのところのナギではないか。貴様の師匠・・・・・・・・・は、確か、サーシャ義姉上だったな。ふむ、であれば、行先は中庭か?ならば、あたしがフィルを連れて行こうではないか。サーシャ義姉上とも久々に話がしたいからな。」
ラスタリアさんが、ナギの言葉を途中で遮ると、妙案だと言わんばかりの勢いで提案しながら、僕が寝転がされているベビーベットの縁まで来る。
すると、セルシェーダさんが焦ったような顔をして、勢いよくラスタリアさんの背中に蹴りを入れ、魔力で威圧をしながら
「ラティ!貴女は昔、まだ生後二月程度のニアを肩に担いで、死なせかけたことがあるでしょう!?今でもニアはトラウマを抱えて生きているのですよ!?ですから、貴女がフィルを運ぶなんて、ぜ・っ・た・い・に、許しません!ルイ!いますよね?!フィルを中庭まで連れて行って。」
と言った。
あまりにも強すぎる威圧による恐怖で、さすがの僕も全身が震え、鳥肌が立った。そして、ナギの顔は真っ青になり、ほんの少しだけ涙目になっていた。
ちなみに、ラスタリアさんが転倒した時に、僕のベビーベッドの脚の部分にぶつかったため、ベッドがかなり揺れて少しだけ気分が悪くなった。そして、ラスタリアさんの方は打ち所が悪かったのか、はたまた、セルシェーダさんの威圧に気圧されたのかは分からないけど、気絶していました。
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ルイに抱えられて、中庭へと移動している間、セルシェーダさんが言った、ラスタリアさんの前科について考えていた。
さっきのセルシェーダさんが言っていたことが理由の一つかもしれないんだけど、昨日、僕の部屋へ来た後辺りの時間帯頃から、ティファニアさんの気配は、城内から消えていた。
ティファニアさんも忙しい歳頃だろうから、あまり不思議には思っていなかったけれど、さっきの話を聞くと、もしかしたら、ラスタリアさんを避けているのでは?という見方もできる。
そう考えると、昨日のティファニアさんは、ラスタリアさんから逃げている途中で、騒動を知って僕に伝えに来たのかなぁ?だから、リーナさんもティファニアさんを見逃したのかもしれない。
そんな考えを続けていると、いつの間にか、サーシャさんが待っている中庭に着いていたみたい。
既に、準備運動を始めているサーシャさんの様子をそっと確認すると、明らかに不調であるように感じる。
ちょっとだけ、不安だなぁ。
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