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3.祝日のお祭り

3-010

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  そんな感じで、サーシャさんと喋っていると、ものすごく不機嫌そうな顔をしたナギが帰ってきた。


「フィルシールド殿下。運び込まれていたのは、先王妹であるフィツェア様で、間違いありませんでした。はっきりとした意識はあるようですが、姉様に殴り飛ばされたこともあり、非常に大人しくしております。」


  あぁ、そういえば。
  リーナさんに対しては、面会の拒否ができないんだっけ。
  だからこそ、問題を起こしていたら、リーナさんと二人っきりでお説教タイムに直行するわけで・・・・・・・・・そりゃあ、大人しくするよね。


「まあ、部屋で大人しくしているのであれば、大丈夫だろう。フィル君、フィツェアと出会してしまう前に、帰るといい。」


  サーシャさんが、帰った方がいいと思うなら、直ぐに帰ってしまおう。

  帰りがけに、次回の面会予約を入れると、スタッフさんが微笑ましそうに頭を撫でてくれる。
  どうやら、過去にもリズベルトさんやエルネインさんなどの、幼く(?)して、産まれたての弟妹の様子を見るために、高頻度で医療センターを訪れていた人たちがいて、その当時の姿と今の僕の様子が重なって見えたそうだ。
  あのエルネインさんにも、そんな穏やかな時代もあったんだなぁ、って思っていたけど、スタッフさん曰く、当時からエルネインさんは、やや狂信者的な言動が多々見られたのだとか。

  あれっ?おかしいなぁ。

  僕の予想と全然違ったんだけど。

  確か、エルネインさんとコーナウドさんって、そんなに年齢差はなかったよね?
  なんでその当時、既に狂信者になっていたんだ、エルネインさんは、・・・・・・・・・分からない。


  新たな疑問が生まれたけど、取り敢えず、フィツェアさんと遭遇してしまう前に、急いで帰らないとね。

_____________________


  馬車の中で、一つ、疑問に思っていたことをナギに聞いてみる。
  それは、フィツェアさんについて。
  ナギに運び込まれた人の様子を見てきてほしい、と頼んだ時、ナギは心底嫌そうな顔をしていた。
  それが、少し気になっていた。
  単純に仲が悪い、というような雰囲気でもなかったので、何か理由がありそうだなって思ったんだ。


「あぁ、フィツェア様とのことについてですか。そうですね、・・・・・・・・・これは、単純な嫉妬です。僕がしているのではなくて、向こう側が僕に対して、ですよ。僕は、幼年部から学園に通っているのですが、フィツェア様は、どうやら、幼年部の入試に落ちられたそうで、自身より身分が低くて幼年部に通っていた人物に八つ当たりしていらっしゃるのです。」


  うぇー、ものすごく面倒くさそうなんだけど。
  しかも、自分より身分が下の人に当たり散らかしているっていう行動から、小物感が溢れ出してる。

  僕はそうならないように、気をつけないと。
  なるほど。
  だから、サーシャさんはお父さんと似ている、って言ってたんだね。


「あまり申し訳ない、とも思っていませんが、陛下が殿下から、小物感あふれる人物であると認識されていることに関して、否定のしようもなければ、庇うこともできません。」


  あはは、それはそう、かもしれない。
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