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1 ある幼猫
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店の裏から事務所に入り、タイムカードを押したところで店長が申し訳なさそうな顔で近づいてくるのを見て、美子は嫌な予感がした。
「ああ、呉谷さん。その、ちょっと……」
「はい?」
「その……申し訳ないことなんだけれども……ねえ」
権堂巌という、いかつい名前とは対照的にこの店長は滑稽なほど腰が低い。
特にあちこちの部署にヘルプで入ってくれる美子には頭が上がらないのか、まるで弱みを握られているかのように卑屈だった。
「押部さんが急病で……もしよければ惣菜コーナーのお手伝いをしてもらえると助かるんだけど」
もっとハキハキ喋ればいいのに、と思いながら、
「分かりました。終日そちらでいいんですか?」
美子は別段嫌がる様子もなく答えた。
「そうしてほしいんだ。その、今日は火曜日だから……」
「そうでしたね。分かりました」
このスーパーは曜日ごとに特売品を決めている。
火曜日はコロッケやカツなどの揚げ物が2割引きのため、昼から夕方にかけての惣菜コーナーにはいつも行列ができるのだ。
「助かるよ」
「いいえ、こちらこそ」
忙しくはあるが、惣菜コーナーの手伝いをした日はいつも、店長のはからいで揚げ物を一品だけ持ち帰ることができる。
他のバイトやパートタイマーには内緒で、応援に入る美子の特権のようなものだった。
頭の中で浮いた食費を瞬時に計算した美子は、更衣室で制服に着替え、現場に入った。
惣菜部門の作業場は狭い。
面積の半分を材料の入った箱が占めているため、実際に人間が動ける範囲は数畳あるかないかだ。
「今日はこっち?」
陳列棚の商品の減り具合を見ていた美子に、佐伯という女が声をかけた。
「そうなの。誰か休んでる?」
「飯島さんが早退しちゃってね。病院に連れて行かなくちゃいけないらしくて」
「飯島さん、お子さんいたかしら?」
二人は喋りながらも、具材を切り分ける、容器に均等に盛り付ける、といった作業を淡々とこなしていく。
「ワンちゃんよ。ミニチュアダックスの」
「へえ……」
一昔前なら犬猫ごときに、という風潮があって、通院のために仕事を休むなんてけしからん、と言われていただろう。
今では動物に対する接し方や考え方も柔軟になっており、美子も飯島が早退した理由には共感できないまでも理解はできた。
目の前を通り過ぎる何人かが、コロッケをかごに入れていく。
揚げ物だけが割引なので、その横のサラダや煮物はなかなか減らない。
「夏だけでいいから火曜日がなくならないかしらね」
天ぷらを揚げながら佐伯が愚痴る。
狭いところで常に火を使っているから室温はかなり高い。
今はまだ5月で涼しい日もあるが、夏になれば惣菜部門は灼熱地獄になる。
特にすぐ後ろにあるフライヤーから放出される熱気が、1時間と経たないうちに容赦なく体力を奪ってくる。
午後5時になり、美子は佐伯に別れを告げて更衣室に向かう。
手には店長から融通してもらったミンチカツが3個。
野菜を添えれば立派なおかずになる。
すれちがうスタッフに挨拶をしながら事務所を出た美子は、いつものようにまっすぐ帰宅しようとした。
たんなる気の迷いだったかもしれない。
あるいは今日は洗濯物が多くて脱水を2回に分けた、制服に着替える際にいつもと順序が違った、事務所を出るのが数分だけ遅かった……そうしたわずかな違いがそうさせたのかもしれない。
彼女はふと、別の道を通ってみたくなった。
直帰すれば徒歩にして20分もかからないところを、敢えて大回りしてみたくなったのだ。
何か目的があったワケではない。
体に良いからという理由で歩くなら普段からやっているし、美子の場合は運動よりも食物で健康増進を図ろうとする。
だからこれはほんの気まぐれである。
通ったことのない道、見たことのない風景はそれだけで刺激になる。
目を瞑っても家に辿り着けるルートと異なって、これは新鮮だった。
「こんなふうになってたのね」
いつの間にかアーケードが半壊している商店街に来ていた。
昔ながらの八百屋やパン屋、花屋がある程度の間隔で開いていたが、人がまばらなこともあって活気がない。
左手にはおもちゃ屋があるが、いつの物かも分からない人形がほこりを被っていて、心寂しさを誘う。
通りながらいくつかの店を見かけるが、全体の雰囲気のせいか立ち寄ろうという気にはならなかった。
地元の、ごく一部の常連だけが愛している古びた商店街――美子にはそんなふうに思えた。
迷子になってしまわないよう、頭の中で自分を俯瞰しながら歩く。
だがそうする必要はなかった。
商店街は一本道で、距離にしても400メールもない。
彼女が気付いた時には、錆びたアーチは背後にあった。
視界にあるのは市営住宅と、それを囲むように乱立する戸建てばかりだ。
それを見た美子はいつものルートから道を二本はずれたことに気付く。
陽光を遮らないように建っている住宅は、帰り道にいつも見ていたものだ。
それを今日は少しだけ違う角度から眺めているので、記憶の中の輪郭と一致させるのに手間をとってしまった。
「ここに出てくるワケね」
だいたいの地図を描けた美子は、気まぐれを起こした理由を考えながら、ぼんやりと歩いた。
本来の帰路に合流するには団地の外壁に沿うように大回りするしかなかったので、彼女は鉄柵をなぞるようにゆるやかな坂を下った。
その途中、どこかから声がした。
とてもか細い、囁くような。
そばを車が走っていたら聞こえなかっただろう。
美子は導かれるように声のした方に向かった。
耳を欹てると、断続的に、不規則に聞こえてくる。
住宅の裏側に公園があった。
すべり台、ブランコ、シーソー等の定番の遊具が備えられている。
それだけでなく健康遊具として、半分に割った丸太に湾曲した鉄の棒を這わせたものや、手すりの下に回転する台座が埋め込まれているものもある。
(こっちかしら?)
美子が公園に入るのを躊躇わなかったのは、これが住宅の敷地外にあったからだ。
おそらくそちらにも似たような空間はあるだろうが、おまけ程度の遊具があるだけの、小さな広場に過ぎないだろう。
実際、彼女がいる公園はそこそこの面積がある。
しかし夕暮れのここには、利用者の姿は見当たらない。
最近の子どもたちはスマホや携帯ゲームに夢中だから、外で遊んだりしないのだろうか、と美子は大人なら陥りがちな思考をした。
「キュゥ、キュ……」
再び、声。
美子はすぐにはその正体に気付けなかった。
公園に入ってすぐの、一段高くなっている植え込みに、白い小さなかたまりがもぞもぞと動いている。
視野に見ていたそれが不気味に思えたので美子は思わず身を引いたが、間もなく目や鼻を認識できると、恐怖心はすっかりなくなった。
仔猫だった。
白猫であることに間違いはないが、土やほこりをかぶったせいで、灰色や茶色の混ざった手鞠のように見えた。
「お母さんはどうしたの?」
美子が言うと、仔猫はそれに答えるように小さく、ミゥ、と鳴いた。
細く、庇護心をくすぐる声だ。
何を求めてか、まだはっきりとは見えないであろう小さな目で、美子がいると思しき方向を見つめていた。
「かわいそうに、はぐれちゃったの……?」
周囲には親猫の姿はない。いたらいたで我が子を守ろうと威嚇してくるにちがいないから、美子は不安と安心を交互に感じていた。
お腹が空いているのだろうか、それとも親猫を探しているのだろうか。
こんな植え込みではなく、もう少し公園の奥の、安全な場所に移してやったほうがいいのではないだろうか。
短い時間に美子はあれこれと考えた。
そのとき、彼女は野生動物に関するおぼろげな知識を引っ張り出した。
生まれた子を触って人間のにおいをつけてしまうと、親はその子を育てなくなる。
いつか観た動物番組で得た知識だった。
となると、一時の親切心を働かせても益にならない。
「困ったわねえ……」
連れて帰りたいと思わないでもなかった。
実際、動物好きだったし、子どもの頃は文鳥やら大型犬と暮らしていた。
その経験もあって、猫についてほとんど何も知らない美子だったが、馴れさせる自信はあった。
しかしそれはできない。
夫の幸治は大の動物嫌いなのだ。
犬に噛まれたワケでも、猫に引っ掻かれたワケでもない。
直接何かされたではないが彼は動物が嫌いだった。
猫など連れて帰ろうものなら、それと入れ替わりに家を出ていっても不思議ではない。
仔猫は半開きの目で美子を見上げている。
その儚さ、愛おしさに彼女は手を伸ばしかけたが、何とか思いとどまる。
「ごめんね、猫ちゃん。かまってあげたいけど、ダメなの。お母さんが来るまで待っていましょうね」
名残惜しそうに見つめた後、美子は無理やりに背を向けた。
そこから立ち去ろうとすると、見えない力で裾を引っ張られるような感じがしたが、猫のためだと愛着を振り切って公園を出た。
仔猫はいつまでも鳴いていた。
「ああ、呉谷さん。その、ちょっと……」
「はい?」
「その……申し訳ないことなんだけれども……ねえ」
権堂巌という、いかつい名前とは対照的にこの店長は滑稽なほど腰が低い。
特にあちこちの部署にヘルプで入ってくれる美子には頭が上がらないのか、まるで弱みを握られているかのように卑屈だった。
「押部さんが急病で……もしよければ惣菜コーナーのお手伝いをしてもらえると助かるんだけど」
もっとハキハキ喋ればいいのに、と思いながら、
「分かりました。終日そちらでいいんですか?」
美子は別段嫌がる様子もなく答えた。
「そうしてほしいんだ。その、今日は火曜日だから……」
「そうでしたね。分かりました」
このスーパーは曜日ごとに特売品を決めている。
火曜日はコロッケやカツなどの揚げ物が2割引きのため、昼から夕方にかけての惣菜コーナーにはいつも行列ができるのだ。
「助かるよ」
「いいえ、こちらこそ」
忙しくはあるが、惣菜コーナーの手伝いをした日はいつも、店長のはからいで揚げ物を一品だけ持ち帰ることができる。
他のバイトやパートタイマーには内緒で、応援に入る美子の特権のようなものだった。
頭の中で浮いた食費を瞬時に計算した美子は、更衣室で制服に着替え、現場に入った。
惣菜部門の作業場は狭い。
面積の半分を材料の入った箱が占めているため、実際に人間が動ける範囲は数畳あるかないかだ。
「今日はこっち?」
陳列棚の商品の減り具合を見ていた美子に、佐伯という女が声をかけた。
「そうなの。誰か休んでる?」
「飯島さんが早退しちゃってね。病院に連れて行かなくちゃいけないらしくて」
「飯島さん、お子さんいたかしら?」
二人は喋りながらも、具材を切り分ける、容器に均等に盛り付ける、といった作業を淡々とこなしていく。
「ワンちゃんよ。ミニチュアダックスの」
「へえ……」
一昔前なら犬猫ごときに、という風潮があって、通院のために仕事を休むなんてけしからん、と言われていただろう。
今では動物に対する接し方や考え方も柔軟になっており、美子も飯島が早退した理由には共感できないまでも理解はできた。
目の前を通り過ぎる何人かが、コロッケをかごに入れていく。
揚げ物だけが割引なので、その横のサラダや煮物はなかなか減らない。
「夏だけでいいから火曜日がなくならないかしらね」
天ぷらを揚げながら佐伯が愚痴る。
狭いところで常に火を使っているから室温はかなり高い。
今はまだ5月で涼しい日もあるが、夏になれば惣菜部門は灼熱地獄になる。
特にすぐ後ろにあるフライヤーから放出される熱気が、1時間と経たないうちに容赦なく体力を奪ってくる。
午後5時になり、美子は佐伯に別れを告げて更衣室に向かう。
手には店長から融通してもらったミンチカツが3個。
野菜を添えれば立派なおかずになる。
すれちがうスタッフに挨拶をしながら事務所を出た美子は、いつものようにまっすぐ帰宅しようとした。
たんなる気の迷いだったかもしれない。
あるいは今日は洗濯物が多くて脱水を2回に分けた、制服に着替える際にいつもと順序が違った、事務所を出るのが数分だけ遅かった……そうしたわずかな違いがそうさせたのかもしれない。
彼女はふと、別の道を通ってみたくなった。
直帰すれば徒歩にして20分もかからないところを、敢えて大回りしてみたくなったのだ。
何か目的があったワケではない。
体に良いからという理由で歩くなら普段からやっているし、美子の場合は運動よりも食物で健康増進を図ろうとする。
だからこれはほんの気まぐれである。
通ったことのない道、見たことのない風景はそれだけで刺激になる。
目を瞑っても家に辿り着けるルートと異なって、これは新鮮だった。
「こんなふうになってたのね」
いつの間にかアーケードが半壊している商店街に来ていた。
昔ながらの八百屋やパン屋、花屋がある程度の間隔で開いていたが、人がまばらなこともあって活気がない。
左手にはおもちゃ屋があるが、いつの物かも分からない人形がほこりを被っていて、心寂しさを誘う。
通りながらいくつかの店を見かけるが、全体の雰囲気のせいか立ち寄ろうという気にはならなかった。
地元の、ごく一部の常連だけが愛している古びた商店街――美子にはそんなふうに思えた。
迷子になってしまわないよう、頭の中で自分を俯瞰しながら歩く。
だがそうする必要はなかった。
商店街は一本道で、距離にしても400メールもない。
彼女が気付いた時には、錆びたアーチは背後にあった。
視界にあるのは市営住宅と、それを囲むように乱立する戸建てばかりだ。
それを見た美子はいつものルートから道を二本はずれたことに気付く。
陽光を遮らないように建っている住宅は、帰り道にいつも見ていたものだ。
それを今日は少しだけ違う角度から眺めているので、記憶の中の輪郭と一致させるのに手間をとってしまった。
「ここに出てくるワケね」
だいたいの地図を描けた美子は、気まぐれを起こした理由を考えながら、ぼんやりと歩いた。
本来の帰路に合流するには団地の外壁に沿うように大回りするしかなかったので、彼女は鉄柵をなぞるようにゆるやかな坂を下った。
その途中、どこかから声がした。
とてもか細い、囁くような。
そばを車が走っていたら聞こえなかっただろう。
美子は導かれるように声のした方に向かった。
耳を欹てると、断続的に、不規則に聞こえてくる。
住宅の裏側に公園があった。
すべり台、ブランコ、シーソー等の定番の遊具が備えられている。
それだけでなく健康遊具として、半分に割った丸太に湾曲した鉄の棒を這わせたものや、手すりの下に回転する台座が埋め込まれているものもある。
(こっちかしら?)
美子が公園に入るのを躊躇わなかったのは、これが住宅の敷地外にあったからだ。
おそらくそちらにも似たような空間はあるだろうが、おまけ程度の遊具があるだけの、小さな広場に過ぎないだろう。
実際、彼女がいる公園はそこそこの面積がある。
しかし夕暮れのここには、利用者の姿は見当たらない。
最近の子どもたちはスマホや携帯ゲームに夢中だから、外で遊んだりしないのだろうか、と美子は大人なら陥りがちな思考をした。
「キュゥ、キュ……」
再び、声。
美子はすぐにはその正体に気付けなかった。
公園に入ってすぐの、一段高くなっている植え込みに、白い小さなかたまりがもぞもぞと動いている。
視野に見ていたそれが不気味に思えたので美子は思わず身を引いたが、間もなく目や鼻を認識できると、恐怖心はすっかりなくなった。
仔猫だった。
白猫であることに間違いはないが、土やほこりをかぶったせいで、灰色や茶色の混ざった手鞠のように見えた。
「お母さんはどうしたの?」
美子が言うと、仔猫はそれに答えるように小さく、ミゥ、と鳴いた。
細く、庇護心をくすぐる声だ。
何を求めてか、まだはっきりとは見えないであろう小さな目で、美子がいると思しき方向を見つめていた。
「かわいそうに、はぐれちゃったの……?」
周囲には親猫の姿はない。いたらいたで我が子を守ろうと威嚇してくるにちがいないから、美子は不安と安心を交互に感じていた。
お腹が空いているのだろうか、それとも親猫を探しているのだろうか。
こんな植え込みではなく、もう少し公園の奥の、安全な場所に移してやったほうがいいのではないだろうか。
短い時間に美子はあれこれと考えた。
そのとき、彼女は野生動物に関するおぼろげな知識を引っ張り出した。
生まれた子を触って人間のにおいをつけてしまうと、親はその子を育てなくなる。
いつか観た動物番組で得た知識だった。
となると、一時の親切心を働かせても益にならない。
「困ったわねえ……」
連れて帰りたいと思わないでもなかった。
実際、動物好きだったし、子どもの頃は文鳥やら大型犬と暮らしていた。
その経験もあって、猫についてほとんど何も知らない美子だったが、馴れさせる自信はあった。
しかしそれはできない。
夫の幸治は大の動物嫌いなのだ。
犬に噛まれたワケでも、猫に引っ掻かれたワケでもない。
直接何かされたではないが彼は動物が嫌いだった。
猫など連れて帰ろうものなら、それと入れ替わりに家を出ていっても不思議ではない。
仔猫は半開きの目で美子を見上げている。
その儚さ、愛おしさに彼女は手を伸ばしかけたが、何とか思いとどまる。
「ごめんね、猫ちゃん。かまってあげたいけど、ダメなの。お母さんが来るまで待っていましょうね」
名残惜しそうに見つめた後、美子は無理やりに背を向けた。
そこから立ち去ろうとすると、見えない力で裾を引っ張られるような感じがしたが、猫のためだと愛着を振り切って公園を出た。
仔猫はいつまでも鳴いていた。
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