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プロローグ
しおりを挟む204X年、とある政党が日本に誕生した。
その名も「女性党」。
若き代表の笛水 美沙代(ふえみ みさよ)は、女性の地位向上を掲げ、多くの女性有権者から支持を得た。
はじめはフェミニストや人権活動家を自称する一部の女性からのみの支持であったが、議席を増やすにつれその発言力は増し、メディアも女性党について盛んに取り上げるようになった。
気付けば女性のほとんどは女性党支持者となり、男性も女性党を支持しない者は女性差別主義者と見られる風潮まで出来上がっていった。
そして205X年、女性党は衆議院選挙にて当時政権与党であった自主党を大きく突き放し、単独過半数を得て政権与党となった。
代表の笛水議員はそのまま日本初、および史上最年少の女性総理大臣に就任し、笛水内閣の発足。
日本初の快挙に国内中が大盛り上がりとなり、誰もが女性時代の到来を確信した。
笛水内閣総理大臣は就任後即、選挙公約でもあった永続的な女性の権利向上の為の政策を次々と打ち出した。
・女性専用車両や公共施設における女子トイレ比率増加
・育児休暇および育児給付金を追加付与
・企業に対する生理休暇の義務化
・会社役員、国会議員、国公立大学の男子学生割合が6割を超えた場合の罰則化
各位多くの反対や異論を退け、女性の為という視点から法律を整備し、更に男性向けポルノや性風俗の禁止、全ての性犯罪の厳罰化といった抑圧により、女性が安心して暮らせる社会を実現。
ここまでは男女の均衡を保ちながら何とか平穏に物事が進んでいった。
ところが―――
―――数年後、衝撃的なニュースが日本中を震撼させる。
女性中心社会となり、更には性を抑圧された事で不満を募らせた男達数十名が結集し、武装した彼等が民間人女性数名を拉致、監禁する事件が起こった。
彼等は都内の廃墟ビルに立て籠もり、男性主義を掲げて政府への不当要求を行った。
立て籠もりから3日後、突入した機動隊によって武装集団は鎮圧されたが、その時人質として監禁された女性達は犯人達によって酷い強姦と暴力を受けていた。
更に機動隊が突入したことで逃げ場を失った犯人達は、最後まで女性社会への反抗の意志を示す為人質を全員殺害。
この事件が世の女性達の大きな怒りを買うこととなる。
事件後即政府が臨時国会を開き、賛成多数によって、被害者の生死を問わず性犯罪の死刑化が可決される。
そしてこのような事件を未然に防ぐ為に、男性への性欲抑制剤の投与を義務化。
男性の人権保護の観点から男性を中心に反対の声は挙がったものの、事件の残虐性から世論の流れは完全に男性の禁欲化へと偏る。
その後男性の性欲が強制的に抑えられたことで性産業は失われ、性犯罪の全く起こらない世になると思われた。が―――
数十年を経て、人間に予期せぬ変化が起こる。それは―――
男子出生率の大幅な低下
と、
女性の性欲異常化。
男性の性欲が抑えられたことにより、既に妊娠方法は体外受精が主流となっていたが、それにより生まれてくる子供はなぜか8割が女の子となった。
そして生まれてきた女の子は初潮の時期を境に性欲が極端に増加。
その強さは以前の平均的な男性以上であり、四六時中性衝動を抑えられない程に。
専門家によると、男性の性欲減退を受けて、遺伝子に人間の生存本能が働き、その反動で女性の性欲が大幅に増加したのではないか、と分析されてはいるものの、正確な原因は不明。
性欲抑制剤の副次作用では、との見方も強まり、即座に男性への性欲抑制剤の投与が中止される。
だが一度破壊した生物の摂理はその後戻ることなく、男性の性欲減退も男女の出生率も変わることなく、女性の性欲も収まることはなかった。
更に男性の性欲が失われたことにより、女性の身にもう一つの変化が起きた。
それは美人化、巨乳化といったような、女性としてのセックスアピールが向上したのだ。
ただでさえ自身の性欲が高まった上に、男達の性欲がないときて、女達の生物的本能がより男の気を引く見た目へと進化した、というのが専門家達の大方の見解である。
とはいっても、女性の性的魅力が増したところで男達は何の性的興奮も覚えず、その美貌も宝の持ち腐れとなっているのが現実。
その結果、女性による男性へのレイプ事件が激増。
家庭や学校、会社、果ては道端や電車内等至るところで美しい女性達による男性達へのレイプが行われる光景が日常化。
事件を取り締まるべき警察官達ですら、職務質問と称して勤務中に道行く少年を集団レイプする始末。
更には何度も無理矢理射精させられて勃起能力を失った男性に勃起薬を飲ませて長時間犯し続ける、嫌がって性交しない男性に依存性の高い違法薬物を投与し強引に発情させる、といった野蛮な行為が頻発。
この惨状を受け、政府は女性による性犯罪の厳罰化―――とはならず、なんと逆に女性の男性に対するレイプが合法化されてしまった。
もしここでまた性欲抑制剤を女性に投与し、性犯罪を抑止しようとすれば、今度は逆のことが起きてしまう可能性が危惧された。
そして世の中は既に女性の割合が圧倒的多数。完全なる女性社会。
その中では女性の権利が最優先された。
かつて女性は男性に虐げられ、性的に消費される苦痛を味わわされた。
今度は女性が男を使って性欲を満たす番だ。
女性が存分に、一方的に性を楽しむ時代が来た。
強烈な性欲が抑えられないなら、男を使って発散してしまえばいい。
男を犯すためならどんな手を使ってもいい。
そのような超女性優位の思想に社会全体が支配されていた。
それを止める手立ては最早政府にはなかった。
否。それどころか―――
「これぞまさしく、女性党が目指した理想の社会である」と、14期目の総理大臣就任を迎えた笛水が国民に向けて高々と宣言したのだ。
女は男をいつでもどこでも誰でも好きなだけ犯していい。
相手が誰であろうと何をされても男がそれを拒否することは絶対に許されない。
女性が性欲を満たすためなら……
レイプも、
公衆プレイも、
監禁も、
未成年淫行も、
暴力も、
薬物も、
奴隷化も、
今まで違法だったものが、女性が性的快楽を味わい、高め、貪るためならば、全て合法とされた。
男が減った社会で数少ない男を大切に保護しようなどという風潮など、元々女性の権利向上を掲げていた女達の間で起こるはずもない。
社会は常にマジョリティがマイノリティを支配することは、世界の歴史が証明している。
数的不利となった男達は、被差別対象以外なり得ないのだ。
そして笛水率いる女性党が目指していたのは、はなから男女平等社会などではなかった。
まさに女性が一方的に男を支配し、蹂躙し、性奴隷とする社会であったのだ。
かつて幼少の頃、笛水は男性からの強姦被害に遭っていた。
その時笛水は泣きながら心に誓った。
必ず、この世の全ての男に、自分と同じ苦しみを味わわせる、と。
その笛水の復讐心によって世の中は、極度に淫乱化した女性達の性欲第一主義、逆レイプ・セックス中心社会へと変貌した。
そして21XX年。
日本が女性による新社会となって半世紀以上が過ぎた。
物語はその時代に生まれた、かつてまだ男に性欲があった時代を生きた前世の記憶を持つ一人の男が繰り広げる、性と波乱に満ちた人生の一遍である―――
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