百鬼淫行

淀川 乱歩

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其の八 百壱鬼夜行 

其の八 百壱鬼夜行の十参 蟲母の壱

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 ……大昔、熱帯雨林(ジャングル)の中に蟲母と云う、昆虫の妖魔が住んでいたと云う。
 ……蟲母は熱帯雨林の中に住んでいた裸族達の村々を飛び回って、やがて容姿の美しい幼女を一人選び出し、夜眠っている其の女児の女陰(われめ)の中に潜り込んだのだ。
 ……蟲母は人間の目には見え無い、羽音のみの妖魔で、実は羽蟻の様な姿をしていた。
 ……そして、幼女の膣の中で蟲母は、微細な針状の細長い舌を伸ばして、膣粘膜に強力な麻痺毒を注射して、女児の身動きを封じたのだ。
 ……次に蟲母は、幼女の膣粘膜に針舌で呪術の刺青を、幼い膣一面に彫り始めたのだった。

 ……蟲母が、最初の夜に、幼女の膣粘膜に彫ったのは、強力な催眠の呪紋(マントラ)だった。
 ……其の次の朝、其の幼女は目覚める事は無く、飲食も排泄もせず、其の女児は幼い姿のまま、恍惚(こうこつ)とした表情(かお)で無心に、数百年間も全裸で眠り続けたのだ。
 ……そして、蟲母は幼女の膣粘膜に催眠の呪紋(マントラ)に続けて、次に催淫の呪紋を彫ったのだ。
 ……幼女の女陰(われめ)の中の蟲母と、其の蟲母が彫った呪紋とは人間達の目には見え無かったので、人々は女児が奇病を患ったとか、呪われたとか考えたのだが、為す術(すべ)も無く神様に祈る事しか出来無かった。

 ……処が、蟲母が幼女の膣粘膜に催淫の呪紋を彫り終えると、其の女児は自分の手で、自身の幼い恥部を愛撫して、眠り続けたまま自慰を始めたのだ。
 ……そして、全裸で眠り続けたままで可愛(かわい)らしく、幼い性的絶頂(オルガズム)を迎えたのだった。
 ……やがて、全裸で眠り続けたまま、自慰と性的絶頂(オルガズム)を繰り返す其の幼女は、気味悪がった村人達の手で、涅槃窟と呼ばれていた山中深くの鍾乳洞の中の、奥深くに連れて行かれたのだ。
 ……其の鍾乳洞の奥には、其の幼女と同じ様に、目覚める事無く自慰と性的絶頂(オルガズム)を繰り返す、周囲の村々の幼児や少年少女達が全裸で、岩の上で眠り続けていた。
 ……そして、そんな全裸で眠り続ける子供達の、子宮か直腸の中には一匹ずつ、蟲母が寄生していたのだ。

 ……幼女を連れて来た村人達は、全裸で眠り続ける女児を岩の上に寝かせると、慌てて出て行った。
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