仮 伍

淀川 乱歩

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其の九 淫獄転生 其の伍 半人半戯 其の鹿

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 ……薬師とは男淫魔(インキュバス)の美青年の事で、医師の合図で着ていた白いローブを脱ぎ、丁寧に畳んで看護師に預けると、全裸で透明寝台に上がり、寝台上で四つん這いか、俯せに寝かせた全裸少年の背後から、少年の肛門の中に、勃起させた陰茎(ペニス)を深々と挿入したのでした。

 ……実は、薬師の美青年の睾丸には、調剤用の錬金術回路が埋め込まれており、医師の処方箋を見て、合成した薬剤を性的絶頂(オルガスムス)と共に少年の体内に注入したのです。
 ……そんな、患者の体内に、陰茎から薬剤を注入する行為を射清と云い、座薬の効果の有る肛門射(しもいれ)以外に、少年の口の中に射清する喉頭射(したいれ)が有ったのでした。
 ……そして、そんな射清の成分は、大抵が虫下しで、例えば少年達の肛門から体内に侵入し、胃に寄生する蛞蝓鰻等は、射清後直ぐに少年の食道を這い上がり、口から吐き出されたのです。

 ……処で、淫魔族の少年少女達は、思春期に為ると生命の維持を、純粋な生命エネルギーの摂取のみに変化させて、飲み食いや排泄は完全に、し無く為ったのでした。
 ……胃は只(ただ)の肉の袋に成り、小腸と大腸は少しずつ短く縮んで、最終的に胃と直腸を結ぶ、肉の筒に変化して行き、同時に小腸と大腸の有った場所には、魔素を蓄える巨大な組織が急速に発達して行ったのです。
 ……また、淫魔族の男女の子供達の、舌や食道内、そして直腸の粘膜や膣粘膜、膀胱内と尿道の粘膜にも、一面に無数の微細な突起(いぼ)が有って、其れ等の突起全てには亀頭や陰核(クリトリス)の様に、鋭敏な性的快感の感覚が有ったのでした。
 ……其れ等の突起は胡麻亀頭と呼ばれ、淫魔族は乳幼児の頃から口で食事を摂ったり、大小便を排泄する時に、同時に鋭い性的快感をも覚えて、可愛(あい)らしい快楽の喘ぎを漏らし続けていたのです。

 ……更に、淫魔族の男児達の陰茎(ペニス)は、人間達の海綿体の陰茎とは内部の構造が大きく異なり、皮膚の下には無数の小さな筋肉が、複雑に絡み合った網筒状(かごつつ)の骨を、内側と外側から覆っていたのでした。
 ……つまり、淫魔族の男の陰茎は、河豚(ふぐ)の様に其の太さを自由に変化させられ、また、網筒状の陰茎骨の根元は恥骨から生えていたので、蛇の鎌首の様に、陰茎の竿の部分を体内に引き込んで、其の長さをも大きく変えられたのです。
 ……然(しか)も、淫魔族の陰茎は、其の複雑な骨と筋肉の構造を利用して、伸ばした陰茎を触手の様に自由に曲げて、動かす事も出来たのでした。
 ……実際に、男淫魔の薬師達が、淫魔族の乳幼児達の口や肛門から、薬液を注入する為に、挿入する時には、自分の陰茎を鉛筆の様に細長く、変化させていたのです。
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