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其の九 淫獄転生 其の伍 半人半戯 其の後獣子(新)
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……勿論(もちろん)、其れは海豚号の人工知能の演技(フェイク)で、海豚号は船体の数ヶ所から、発煙筒の煙を引いて海面へ落下した。
……海豚号は、撃墜された振りをして、海面に接触する瞬間に、透明な防護場(シールド)を展開して、船体を衝撃や振動から守ったのだ。
……海豚号は其の儘、潜水航行(サブマリン)へと切り替えて上部構造物、つまり艦橋の上の回転式魔力探知機(レーダー)やアンテナ類を格納した。
……同時に、船首(バウ)の左右と、船尾(スターン)の左右と上へ操舵翼(ウィング)を張(は)り出し、最後に船底のベント弁、つまりメインタンク内部空気排出弁を開いた。
……所で、そんな海豚号の、船底の前後左右に合計四っつ装備された、風と水を操る特殊な呪紋(マントラ)の、風水紋(フォンシュェイ)は可動式だった。
……つまり、船体の船首(バウ)の二つの紋は、船体左右横の舷側(げんそく)へ移動して、船体を左右に操舵し、船尾(スターン)の二つの紋は、船体の真後ろへ移動出来、船体を前進させるのだ。
……今、海中で四っつの紋は、左右のほぼ真横と、後方を向いていて、海豚号を潜水艦として、音も無く海中航行させる事が出来たのだ。
……そして、敵双胴飛行空母から発進した、翼魔像隊(ガーゴイル)が海面へ投下した、音響探知機達(ソノブイ)に怪しまれ無い様に、海底で大人しく、無音の沈没船のフリを続けた。
……処が、敵空中艦隊は、海豚号に止(とど)めを刺(さ)すつもりか、爆雷を投下して攻撃して来たのだ。
……海豚号の船体(ハル)こそ、展開した防護場(シールド)で無事だったが、水中の破裂音が大きくて、我々の鼓膜が破れそうなので、堪らず潜行状態で、ゆっくりと其の場を逃げ出した。
……海豚号は、召喚(コール)した亜空間繭(ステルサー)の中へ、素早く潜り込んだ。
……亜空間繭と云うのは、万能探検船である海豚号が、亜空間の繭の中から複合潜望鏡のみを外に出して、密かに対象を観察し続ける為の装置(システム)の事だ。
……また、海豚号船尾の小型上陸艇を分離後に、船体を亜空間繭の中に隠して待機したり、繭内部の作業船台(ドック・モジュール)と合体して、船体の修理や換装、そして補給を行えるのだ。
……海豚号は、亜空間繭の中で数日間待機後に、再び元の時空座標の海底に、亜空間内から浮上した。
……そして、海底から、周囲に敵艦の影が無いのを確認すると、俺は海豚号に潜水航行のままで、北北西への航行を命じた。
……実は、其処(そこ)には俺の秘密基地、つまり稚児ヶ島(ドリーム・アイランド)が有るのだ。
……其れから、俺達は数日間、更に敵の索敵を避けて、潜水航行を続けた。
……操舵は海豚号が自動的に行うので、俺達は船橋(ブリッジ)では無く、豪華な内装の船長室で過ごしていた。
……金と赤と黒の、俺の趣味の船長室の片隅には、透明な円筒形のシャワー室が有り、全裸の俺達は交代で汗を流した。
……そして、食事と睡眠以外には、特にやる事も無い俺達は、豪華な船長用の寝台(ベッド)の上で、全裸で淫らに愛し合い続けたのだ。
……性行為(セックス)に疲れ果てて、熟睡していた俺達は、突然、全裸の十歳前後に見える美少年に叩き起こされた。
……其れは、海豚号の中枢人工知性体、つまり人造少年のトリタンだった。
……人造少年(トリタン)は、普段は船橋(ブリッジ)の透明な筒の中で眠っているのだが、俺達を叩き起こすと云う、最大の娯楽(イベント)の為に、わざわざ船長室へ出向いたのだ。
……俺達は、シャワーを浴びて目を覚ますと、全裸のままで船橋(ブリッジ)に入室した。
……そして、俺は、副長席に金白華(アマラ)を、通信・索敵席に黒褐華(カマラ)を座らせ、黒褐華(カマラ)に俺の秘密基地、極楽島と交信させた。
……お帰りなさぁーい、と云う子供達の元気な声が俺にも聞こえて、海豚号は突然、海中から消えた。
……海豚号は、撃墜された振りをして、海面に接触する瞬間に、透明な防護場(シールド)を展開して、船体を衝撃や振動から守ったのだ。
……海豚号は其の儘、潜水航行(サブマリン)へと切り替えて上部構造物、つまり艦橋の上の回転式魔力探知機(レーダー)やアンテナ類を格納した。
……同時に、船首(バウ)の左右と、船尾(スターン)の左右と上へ操舵翼(ウィング)を張(は)り出し、最後に船底のベント弁、つまりメインタンク内部空気排出弁を開いた。
……所で、そんな海豚号の、船底の前後左右に合計四っつ装備された、風と水を操る特殊な呪紋(マントラ)の、風水紋(フォンシュェイ)は可動式だった。
……つまり、船体の船首(バウ)の二つの紋は、船体左右横の舷側(げんそく)へ移動して、船体を左右に操舵し、船尾(スターン)の二つの紋は、船体の真後ろへ移動出来、船体を前進させるのだ。
……今、海中で四っつの紋は、左右のほぼ真横と、後方を向いていて、海豚号を潜水艦として、音も無く海中航行させる事が出来たのだ。
……そして、敵双胴飛行空母から発進した、翼魔像隊(ガーゴイル)が海面へ投下した、音響探知機達(ソノブイ)に怪しまれ無い様に、海底で大人しく、無音の沈没船のフリを続けた。
……処が、敵空中艦隊は、海豚号に止(とど)めを刺(さ)すつもりか、爆雷を投下して攻撃して来たのだ。
……海豚号の船体(ハル)こそ、展開した防護場(シールド)で無事だったが、水中の破裂音が大きくて、我々の鼓膜が破れそうなので、堪らず潜行状態で、ゆっくりと其の場を逃げ出した。
……海豚号は、召喚(コール)した亜空間繭(ステルサー)の中へ、素早く潜り込んだ。
……亜空間繭と云うのは、万能探検船である海豚号が、亜空間の繭の中から複合潜望鏡のみを外に出して、密かに対象を観察し続ける為の装置(システム)の事だ。
……また、海豚号船尾の小型上陸艇を分離後に、船体を亜空間繭の中に隠して待機したり、繭内部の作業船台(ドック・モジュール)と合体して、船体の修理や換装、そして補給を行えるのだ。
……海豚号は、亜空間繭の中で数日間待機後に、再び元の時空座標の海底に、亜空間内から浮上した。
……そして、海底から、周囲に敵艦の影が無いのを確認すると、俺は海豚号に潜水航行のままで、北北西への航行を命じた。
……実は、其処(そこ)には俺の秘密基地、つまり稚児ヶ島(ドリーム・アイランド)が有るのだ。
……其れから、俺達は数日間、更に敵の索敵を避けて、潜水航行を続けた。
……操舵は海豚号が自動的に行うので、俺達は船橋(ブリッジ)では無く、豪華な内装の船長室で過ごしていた。
……金と赤と黒の、俺の趣味の船長室の片隅には、透明な円筒形のシャワー室が有り、全裸の俺達は交代で汗を流した。
……そして、食事と睡眠以外には、特にやる事も無い俺達は、豪華な船長用の寝台(ベッド)の上で、全裸で淫らに愛し合い続けたのだ。
……性行為(セックス)に疲れ果てて、熟睡していた俺達は、突然、全裸の十歳前後に見える美少年に叩き起こされた。
……其れは、海豚号の中枢人工知性体、つまり人造少年のトリタンだった。
……人造少年(トリタン)は、普段は船橋(ブリッジ)の透明な筒の中で眠っているのだが、俺達を叩き起こすと云う、最大の娯楽(イベント)の為に、わざわざ船長室へ出向いたのだ。
……俺達は、シャワーを浴びて目を覚ますと、全裸のままで船橋(ブリッジ)に入室した。
……そして、俺は、副長席に金白華(アマラ)を、通信・索敵席に黒褐華(カマラ)を座らせ、黒褐華(カマラ)に俺の秘密基地、極楽島と交信させた。
……お帰りなさぁーい、と云う子供達の元気な声が俺にも聞こえて、海豚号は突然、海中から消えた。
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