仮 弐

其の九 淫獄転生 其の弐 淫蕩遊戯 其の獣

　……そして、其の排他障壁の登場は、戦術を一変させ、先に敵を発見して、味方の排他障壁発生装置で敵を包囲し、一方的に攻撃する事が一般化したのです。
　……更に、其の特殊排他障壁の進化から、魔素遮断障壁（マナ・シールド）と、魔素の対消滅を利用した魔素中和結界（マナ・イレイザー）が開発され、魔導師や魔導兵器が無力化されたのでした。
　……其れに対抗して、以降、魔法戦部隊は、必ず、物理戦部隊や呪術戦部隊、そして超能力戦（ESP）部隊と混成部隊（パーティー）を組んで、作戦行動を取る様に為ったのです。
　……そして、そんな半物質の排他障壁を周囲に展開する事で、通常時空間から完全に隠れる、霊的隠遁障壁（ゴースト・ステルサー）が開発されたのでした。

　……そして、更に、其の超先端兵器研究開発機構では、魔素遮断障壁と魔素中和障壁との対抗手段の研究も、同時に進められていたのです。
　……其れは、魔物達が魔素電池や魔素発電機と呼ぶ装置で、魔素電池は、小さな透明筒の中に、縮小された人間族の全裸の少年か少女が、一つの筒の中に夫々一人ずつ入れられて、可愛（あい）らしく身悶え続けていたのでした。
　……実は、透明筒の中には、特殊な粘魔（スライム）が入れられていて、縮小された全裸の子供の全身を、淫らな感触で愛撫し続けては、其の生命エネルギーを魔素に変換して、周囲に放出し続けていたのです。
　……魔素発電機の方は、等身大か、巨大化させた全裸の人間族の少年か少女が、金属の筒の中で、矢張り催淫粘魔に全身を愛撫され続けて、幼い性的絶頂（オルガスムス）を繰り返して、周囲に魔素を放出し続けていたのでした。
　……つまり、魔素電池も魔素発電機も、周囲の環境魔素に依存せず、魔素発生装置を、魔導師達の杖の中に仕込んだり、巨大な魔導戦車の内部に取り付けたりし始めたのです。

　……また、カミラ公国の、西ユレヒト墓地大学の魔法物理学研究所では、結晶の谷の夢水晶の研究から、魔素（マナ）を結晶化させる実験に成功していたのでした。
　……液体の水が相転移（フェーズシフト）して、気体の水蒸気や、固体の氷に変化する様に、純粋な波動（ストリングス）エネルギーの魔素を結晶化させる、つまり魔素（エネルギー）を魔水晶（物質）に相転移させ、無色透明な魔水晶を錬成するのです。
　……更に、其の結晶化の過程で、属性を強く作用させる事で、属性色（カラー）を帯びた、半透明の魔水晶の結晶化に成功していたのでした。
　……つまり、月（闇）の属性を帯びた半透明の魔水晶は魔法銀（ミスリル）の様な白金色（プラチナ）の魔水晶に、火の属性を帯びた魔水晶は紅玉（ルビー）の様な真紅の魔水晶に。
　……水の属性を帯びた魔水晶は藍緑石（アクアマリン）の様な海色（ブルー）の魔水晶に、植物の属性を帯びた魔水晶は翠玉（ エメラルド）の様な翠緑色の魔水晶に。
　……金属の属性を帯びた魔水晶は魔法金（オリハルコン）の様な黄金色の魔水晶に、大地の属性を帯びた魔水晶は紫水晶（アメジスト）の様な葡萄色の魔水晶に。
　……そして、太陽（光）の属性を帯びた魔水晶は黄玉（トパーズ）の様な琥珀色（アンバー）の魔水晶へと、結晶化したのです。

　……そして、そんな魔水晶の宝飾品は、魔法使いや魔獣達に大人気で、例えば火炎系の魔法の得意な魔法使い達は、真紅の魔水晶の指輪やイヤリングで、自分の個性（魔法）を表現していたのです。
　……然（しか）し、戦闘経験の豊富な魔法使い達は、故意に自分の得意な魔法とは正反対の属性の魔水晶を身に付けていたのでした。

　……また、西ユレヒト墓地大学の魔法物理学研究所では、そんな相転移の技術を、ゴルゴン一族の石化能力の研究に応用して、性的快感と云う情報を使って、生物を黄金化させる実験にも成功していたのです。
　……人間族の全裸の少年少女達は、性的感受性を最大まで増幅されてから、魔物達に全身を愛撫され続けて、可愛（あい）らしい表情（かお）で性的絶頂（オルガスムス）した瞬間に、黄金像に変えられて仕舞ったのでした。