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ドイツ第三帝国 凱旋
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「我らの栄光ありし国防軍は一月と経たずにハンガリー国軍を粉砕せしめた。我らの屈強な兵士達の活躍は、先の大戦の呪縛から解放された偉大さが宿っている!!」
外から聞こえる国威の形成・発揚を促すプロパガンダをぼんやりと聞きながら、待合室に通されたペーターは時間を潰していた。
共有される問題の解決に連帯を持ってあたっている感覚。この感覚は実に悪魔的な拘束具としての役割を発揮する。1度嵌められてしまえば何かを失うまで逃れることは出来ない。それが腕の一本程度で済めばいいが。
斜めに構えたペーターの心には国民が熱狂する演説も、理想も、連帯感すらもマイナスにしか捉えられなかった。
「ペーター・ワーグナー第1機甲師団長で間違いございませんか?」
開きっぱなしになっていた扉の前に敬礼とともに立つ武官が一人居た。椅子から立ち、敬礼で答える。
「間違いない。私はペーター・ワーグナーだ。」
「第3元帥室にお向かい頂きたいです」
「了解した」
そうして武官は部屋を出ていった。足音が聞こえなくなってから、ペーターは部屋を出て、第3元帥室に向かった。
数分とかからずに扉の前に経つ。4回のノックをし役職と名前を告げる。すると、幾度か聞いたことのある声が返ってきた。
部屋に入り、敬礼とともに再度名前と用向きを告げる。厳かな机が一台あり、その前には一脚の椅子が置かれてあった。
「座りたまえ」
ペーターは勧められるままに、着席した。
「元帥になられたのですね。ロンメルsy…元帥」
控えめとはとても言えないバッチが胸元で煌めいているロンメルを見ながらペーターはそう言った。
「数時間前にヒトラー総統から頂いたのだ。まぁ私を元帥にさせる為に渡されたのかもしれないがな…」
1度そこで話を区切り、話を改める。
「お前を呼んだのは今後の展望のためだ。我々の戦いは今回を皮切りに留まることを知らずに拡大していくことだろう。我らには敵国が多過ぎる…」
「英仏に加えて米ソ…。かろうじでイタリアとは手を組めるかどうかと言ったところ、ですね…」
「何が起こるのか分からない以上、可能な限り最前を尽くす必要がある。使える人間を遊ばせておくことは出来ない。よって命令を言い渡す」
起立からの敬礼。
「フランス国境に向かい攻勢計画を立案せよ。一案で満足せずに複数の案を立案するのだ。それらを随時私の所へと持って来い」
「承知しました」
「人員は、今回の戦争で与えた兵士をそのまま、第3R混成師団に改名し、ペーター少佐を現時点を持ってペーター大佐に任命する。今後の活躍に期待する」
「拝命致します。ではこれで失礼します」
ペーターが退室すると、士官のひとりが待機していた。促されるままに車に乗り、鉄道に乗り、気がつけばフランス国境に到着していた。
そしてそこには見知った顔二人が並んでいた。副官のヘルマン、整備士のフェーラであった。
「いやー、まさか大佐になるまで昇進なさるとは。驚きだ」
「ペーター大佐、車が用意できています」
「フェーラ少佐感謝する。車の中でゆっくりと話を聞かせてもらいたい」
「ええ、最初からそのつもりです」
ニコッと笑うフェーラに続き車を目指す。ヘルマンは少し落ち込んだ風を見せながら、後に続いた。
外から聞こえる国威の形成・発揚を促すプロパガンダをぼんやりと聞きながら、待合室に通されたペーターは時間を潰していた。
共有される問題の解決に連帯を持ってあたっている感覚。この感覚は実に悪魔的な拘束具としての役割を発揮する。1度嵌められてしまえば何かを失うまで逃れることは出来ない。それが腕の一本程度で済めばいいが。
斜めに構えたペーターの心には国民が熱狂する演説も、理想も、連帯感すらもマイナスにしか捉えられなかった。
「ペーター・ワーグナー第1機甲師団長で間違いございませんか?」
開きっぱなしになっていた扉の前に敬礼とともに立つ武官が一人居た。椅子から立ち、敬礼で答える。
「間違いない。私はペーター・ワーグナーだ。」
「第3元帥室にお向かい頂きたいです」
「了解した」
そうして武官は部屋を出ていった。足音が聞こえなくなってから、ペーターは部屋を出て、第3元帥室に向かった。
数分とかからずに扉の前に経つ。4回のノックをし役職と名前を告げる。すると、幾度か聞いたことのある声が返ってきた。
部屋に入り、敬礼とともに再度名前と用向きを告げる。厳かな机が一台あり、その前には一脚の椅子が置かれてあった。
「座りたまえ」
ペーターは勧められるままに、着席した。
「元帥になられたのですね。ロンメルsy…元帥」
控えめとはとても言えないバッチが胸元で煌めいているロンメルを見ながらペーターはそう言った。
「数時間前にヒトラー総統から頂いたのだ。まぁ私を元帥にさせる為に渡されたのかもしれないがな…」
1度そこで話を区切り、話を改める。
「お前を呼んだのは今後の展望のためだ。我々の戦いは今回を皮切りに留まることを知らずに拡大していくことだろう。我らには敵国が多過ぎる…」
「英仏に加えて米ソ…。かろうじでイタリアとは手を組めるかどうかと言ったところ、ですね…」
「何が起こるのか分からない以上、可能な限り最前を尽くす必要がある。使える人間を遊ばせておくことは出来ない。よって命令を言い渡す」
起立からの敬礼。
「フランス国境に向かい攻勢計画を立案せよ。一案で満足せずに複数の案を立案するのだ。それらを随時私の所へと持って来い」
「承知しました」
「人員は、今回の戦争で与えた兵士をそのまま、第3R混成師団に改名し、ペーター少佐を現時点を持ってペーター大佐に任命する。今後の活躍に期待する」
「拝命致します。ではこれで失礼します」
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「いやー、まさか大佐になるまで昇進なさるとは。驚きだ」
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「フェーラ少佐感謝する。車の中でゆっくりと話を聞かせてもらいたい」
「ええ、最初からそのつもりです」
ニコッと笑うフェーラに続き車を目指す。ヘルマンは少し落ち込んだ風を見せながら、後に続いた。
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