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本編
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牢屋から出ると少し離れた場所に蹴とばした牢番が若干顔を引き攣らせて立っていたので、二歩分離れた位置からポケットに仕舞っていた鍵をゆっくりと取り出して差し出します。
しかし、受け取るのに少し躊躇しているようなので、山なりに投げて渡して深く頭を下げます。
頭を上げて隣の牢に向かって歩き出すと、途中で誰かに腕を掴まれました。
誰の腕かを確認するために視線を上げると、無表情の牢番。ただ、牢番の視線は私ではなくカイゼルさんに向いています。
「カイゼル隊長。具申宜しいですか」
「何だ」
「この者の持つ力は強大。牢に繋いでいると心労が甚だしいので、刑罰の再考をお願いします」
「……考える時間が必要だ。暫し食堂に連行し待機してくれ」
食堂なら数人の兵士がいるから暴れても抑えられると、真面目な顔で付け足すカイゼルさん。私って猛獣扱いですか?
「分かりました。――こっちだ。ついて来い」
大人しく牢番についていって食堂に入ると、食堂の中央にある席へ座る。
座ってすぐに周囲に強面の兵士さん達が座って陣取り、少し遅れて牢番が隣に座り、同時に私の前に食事の乗ったお盆が置かれます。
「腹減っているだろ。食え」
「囚人ですけど?」
「そうか? 俺には囚人に見えん。どちらかというと、もうじ……手間のかかる妹だな」
あからさまに猛獣って言おうとしていたけど、それを誤魔化すかのように咳払いして笑顔をみせる牢番のお兄さん。横目で周囲を観察すると、他の人も同意するように頷いていました。
「手間がかかるのも良いけど、もっとお淑やかになってくれよ」
「そうだな。もっとこう、大人しいとか素朴とか、そういう感じ」
と、口々に言いたいことを言いまくる。
「そういうのは、他の人に頼んでください」
「夢ぐらい見させてくれよ」
食堂にいた全員の声が一致しました。奇しくも、笹熊亭で聞いたような話。ちょっと遊んでみましょう。
「……わぁ、そんなに沢山食べられるなんてお兄様達素敵!」
若干声を高くし満面の笑みを作ってみると、周囲の人達が一斉に色めき立ちました。
「ちょろい」
はっきりと聞こえる様に呟くと、全員が同時に椅子から転がり落ちる。
「じゃぁ……素敵なお兄様、私の掌の上で踊ってくださいな」
「小悪魔かよ!」
全員が立ち上がって一斉に突っ込む。見事としか言いようのない息の合いようです。
少し間があった後、一斉に笑いだしました。丁度食堂に入ってきたカイゼルさんがキョトンとしています。
「よく分からないが、盛り上がっているな」
首を捻っているカイゼルさん。私の向かいの席に座ると咳払いをする。
「さて、一連の騒動でこうなったわけだが、結論から言うと猶予期間の無期限延長だ」
「あまりにも軽い気がしますけど?」
「はっきり言うと、村人から話を聞く限り、どう聞いても悪人ではないからな。だが、それでも納得
しないのがいる。落としどころが監視となった訳だ。明日からは監視員が付きっきりで、基本的に二人体勢だ。誰がやるかはまだ決まっていないが」
幸い、やりたがる連中は多いと、周りに視線を向ければ、周囲にいた人が一斉に頷きました。牢に繋いでいると心労甚だしいのでは?
「ま、羽目を外さないようにしてくれ」
「分かりました。ご迷惑をかけしてすみません」
深く頭を下げて謝罪する事で話は終わり。そこで、気になっていた他の二人を聞くと。
「ああ。ミッケさんとルルさんはエレノアさんにしごかれていて、向かった隊員は巻き込まれてまだ戻ってない」
エレノアさんの特訓から決死の想いで抜け出してきた隊員の話で分かった事らしい。
二人の事は気にしてもできることがないので、気にすることなく食事を終えると、兵士さんに連れられて詰所を出る。
夜空を見上げると、地上の面倒な揉め事なんて関係ないと言わんばかりに星々が輝いています。
「気にしても仕方ないか」
短い感想の後、訝しげな視線をくれる兵士さんに首を振ってから先を急ぎます。
そのまま帰宅すると、泥まみれの二人とエレノアさんが丁度戻ってきました。
「あ、桜華~。疲れたよ~」
「へとへとだよ~」
「お疲れ様です。エレノアさんもお疲れ様です。それにしても、泥だらけですね」
「いえいえ。少し熱が入ってしまいました」
可愛らしく小首を傾げるエレノアさんと、首が取れるのではと思うぐらいの勢いで横に振る二人。
「とりあえず二人とも、お風呂に入ってきてください」
「お風呂?」
「お風呂があるの!」
「また、浴槽があるだけなので、お湯は自力で入れる必要があります」
「充分! ルルちゃん、お湯をお願い!」
「何が何だか分からないけど、まっかせて!」
先程と打って変わって元気よく駆けていく二人を見送ってエレノアさんの方へと視線を移すと、妙に鋭い視線が飛んできます。
「桜華さん。お風呂とは何ですか」
「水浴びする場の横に、お湯を張った浴槽……桶のような物にお湯を入れて自分が入って体を温める物でしょうか」
改めて説明しようとすると大変ですね。
「単なる水浴びとは違うと。気になりますね」
「では、エレノアさんも入りますか? 着替えとかが必要ですけど」
「よろしいのですか?」
どうぞと言ったら、一つ頷いたエレノアさんが次の瞬間にはいなくなっています。うん。凄いですね。
少し待っていると荷物を抱えたエレノアさんが戻ってきました。まだ二人が中に入っているので、テラスに座って会話しながら待つことに。
「桜華さん。ここでの暮らしはどうですか」
「何かと入用で大変だけど、楽しいです。とは言っても、暮らす準備として家具を作ってばかりで村の中を殆ど歩いていませんが」
「あらあら。大工に任せていないのですか」
「自分の好み通りに作れるのと金銭的な話で、つい」
家具ばかりではなく、早い処村の中を散歩したいし、牧場の方も様子を見に行きたいですね。
ゆっくりとした時間を過ごしていると、ミッケさんとルルが出てきたので入れ替わりにエレノアさんが入っていきます。
「お二人は、夕飯どうしました?」
「食べてきたよ」
「エレノアさんおすすめのモモモっていうお肉料理」
料理的には煮込み料理だけど、食べても何の肉かわからなかったらしい。ピエナさん曰く、秘密とのこと。
「不思議な名称の料理ですね。一度食べてみようかな」
「美味しかったよ。そうそう。石鹸とか作らないの?」
「残念ながら作り方を知らないです」
苛性ソーダを使うということは知っているけれど、それ以上の事は知らない。そのうち渡来人の誰かが作り出すと思うし、それを待つつもりです。
一度部屋の方へ戻っていたミッケさんが、武具の手入れ道具を持って戻ってくる。
「手入れですか。金属だと余計に大変そうですね」
「ほったらかすと錆びるって。すごいよね」
汚れを落として、錆止めの油を塗って、傷や欠けの確認、締め具の確認。本当に細かいですね。
「桜華さん、お風呂いただきました」
「あ、エレノアさん。どうでした?」
「素晴らしいですね。疲れがよく取れます。お湯の問題がありますが、申請しました?」
「申請が必要でしょうか」
疑問に思ったので聞いてみたら、エレノアさんの笑顔にすごみが出てきて、ミッケさんとルルが素早い動きで隅の方へ移動しました。
「この国にはお風呂という習慣も考え方もありませんから。さ、行きましょうか?」
「……分かりました。二人は先に寝てください」
「はーい」
声を揃えて元気よく答えて見送ってくれます。外で待機していた兵士二人も、エレノアさんを見た瞬間背筋を伸ばして、直視しない様に視線を僅かにずらしています。
異様に緊張した空気に包まれたギルドで、お風呂に関して申請。申請書を持ったエレノアさんが奥に消えるのを見送ると、ギルドを後にします。
家に戻ったらお風呂を満喫して気分を一新。
明日からは静かな日々が送れることを祈っておきます。
しかし、受け取るのに少し躊躇しているようなので、山なりに投げて渡して深く頭を下げます。
頭を上げて隣の牢に向かって歩き出すと、途中で誰かに腕を掴まれました。
誰の腕かを確認するために視線を上げると、無表情の牢番。ただ、牢番の視線は私ではなくカイゼルさんに向いています。
「カイゼル隊長。具申宜しいですか」
「何だ」
「この者の持つ力は強大。牢に繋いでいると心労が甚だしいので、刑罰の再考をお願いします」
「……考える時間が必要だ。暫し食堂に連行し待機してくれ」
食堂なら数人の兵士がいるから暴れても抑えられると、真面目な顔で付け足すカイゼルさん。私って猛獣扱いですか?
「分かりました。――こっちだ。ついて来い」
大人しく牢番についていって食堂に入ると、食堂の中央にある席へ座る。
座ってすぐに周囲に強面の兵士さん達が座って陣取り、少し遅れて牢番が隣に座り、同時に私の前に食事の乗ったお盆が置かれます。
「腹減っているだろ。食え」
「囚人ですけど?」
「そうか? 俺には囚人に見えん。どちらかというと、もうじ……手間のかかる妹だな」
あからさまに猛獣って言おうとしていたけど、それを誤魔化すかのように咳払いして笑顔をみせる牢番のお兄さん。横目で周囲を観察すると、他の人も同意するように頷いていました。
「手間がかかるのも良いけど、もっとお淑やかになってくれよ」
「そうだな。もっとこう、大人しいとか素朴とか、そういう感じ」
と、口々に言いたいことを言いまくる。
「そういうのは、他の人に頼んでください」
「夢ぐらい見させてくれよ」
食堂にいた全員の声が一致しました。奇しくも、笹熊亭で聞いたような話。ちょっと遊んでみましょう。
「……わぁ、そんなに沢山食べられるなんてお兄様達素敵!」
若干声を高くし満面の笑みを作ってみると、周囲の人達が一斉に色めき立ちました。
「ちょろい」
はっきりと聞こえる様に呟くと、全員が同時に椅子から転がり落ちる。
「じゃぁ……素敵なお兄様、私の掌の上で踊ってくださいな」
「小悪魔かよ!」
全員が立ち上がって一斉に突っ込む。見事としか言いようのない息の合いようです。
少し間があった後、一斉に笑いだしました。丁度食堂に入ってきたカイゼルさんがキョトンとしています。
「よく分からないが、盛り上がっているな」
首を捻っているカイゼルさん。私の向かいの席に座ると咳払いをする。
「さて、一連の騒動でこうなったわけだが、結論から言うと猶予期間の無期限延長だ」
「あまりにも軽い気がしますけど?」
「はっきり言うと、村人から話を聞く限り、どう聞いても悪人ではないからな。だが、それでも納得
しないのがいる。落としどころが監視となった訳だ。明日からは監視員が付きっきりで、基本的に二人体勢だ。誰がやるかはまだ決まっていないが」
幸い、やりたがる連中は多いと、周りに視線を向ければ、周囲にいた人が一斉に頷きました。牢に繋いでいると心労甚だしいのでは?
「ま、羽目を外さないようにしてくれ」
「分かりました。ご迷惑をかけしてすみません」
深く頭を下げて謝罪する事で話は終わり。そこで、気になっていた他の二人を聞くと。
「ああ。ミッケさんとルルさんはエレノアさんにしごかれていて、向かった隊員は巻き込まれてまだ戻ってない」
エレノアさんの特訓から決死の想いで抜け出してきた隊員の話で分かった事らしい。
二人の事は気にしてもできることがないので、気にすることなく食事を終えると、兵士さんに連れられて詰所を出る。
夜空を見上げると、地上の面倒な揉め事なんて関係ないと言わんばかりに星々が輝いています。
「気にしても仕方ないか」
短い感想の後、訝しげな視線をくれる兵士さんに首を振ってから先を急ぎます。
そのまま帰宅すると、泥まみれの二人とエレノアさんが丁度戻ってきました。
「あ、桜華~。疲れたよ~」
「へとへとだよ~」
「お疲れ様です。エレノアさんもお疲れ様です。それにしても、泥だらけですね」
「いえいえ。少し熱が入ってしまいました」
可愛らしく小首を傾げるエレノアさんと、首が取れるのではと思うぐらいの勢いで横に振る二人。
「とりあえず二人とも、お風呂に入ってきてください」
「お風呂?」
「お風呂があるの!」
「また、浴槽があるだけなので、お湯は自力で入れる必要があります」
「充分! ルルちゃん、お湯をお願い!」
「何が何だか分からないけど、まっかせて!」
先程と打って変わって元気よく駆けていく二人を見送ってエレノアさんの方へと視線を移すと、妙に鋭い視線が飛んできます。
「桜華さん。お風呂とは何ですか」
「水浴びする場の横に、お湯を張った浴槽……桶のような物にお湯を入れて自分が入って体を温める物でしょうか」
改めて説明しようとすると大変ですね。
「単なる水浴びとは違うと。気になりますね」
「では、エレノアさんも入りますか? 着替えとかが必要ですけど」
「よろしいのですか?」
どうぞと言ったら、一つ頷いたエレノアさんが次の瞬間にはいなくなっています。うん。凄いですね。
少し待っていると荷物を抱えたエレノアさんが戻ってきました。まだ二人が中に入っているので、テラスに座って会話しながら待つことに。
「桜華さん。ここでの暮らしはどうですか」
「何かと入用で大変だけど、楽しいです。とは言っても、暮らす準備として家具を作ってばかりで村の中を殆ど歩いていませんが」
「あらあら。大工に任せていないのですか」
「自分の好み通りに作れるのと金銭的な話で、つい」
家具ばかりではなく、早い処村の中を散歩したいし、牧場の方も様子を見に行きたいですね。
ゆっくりとした時間を過ごしていると、ミッケさんとルルが出てきたので入れ替わりにエレノアさんが入っていきます。
「お二人は、夕飯どうしました?」
「食べてきたよ」
「エレノアさんおすすめのモモモっていうお肉料理」
料理的には煮込み料理だけど、食べても何の肉かわからなかったらしい。ピエナさん曰く、秘密とのこと。
「不思議な名称の料理ですね。一度食べてみようかな」
「美味しかったよ。そうそう。石鹸とか作らないの?」
「残念ながら作り方を知らないです」
苛性ソーダを使うということは知っているけれど、それ以上の事は知らない。そのうち渡来人の誰かが作り出すと思うし、それを待つつもりです。
一度部屋の方へ戻っていたミッケさんが、武具の手入れ道具を持って戻ってくる。
「手入れですか。金属だと余計に大変そうですね」
「ほったらかすと錆びるって。すごいよね」
汚れを落として、錆止めの油を塗って、傷や欠けの確認、締め具の確認。本当に細かいですね。
「桜華さん、お風呂いただきました」
「あ、エレノアさん。どうでした?」
「素晴らしいですね。疲れがよく取れます。お湯の問題がありますが、申請しました?」
「申請が必要でしょうか」
疑問に思ったので聞いてみたら、エレノアさんの笑顔にすごみが出てきて、ミッケさんとルルが素早い動きで隅の方へ移動しました。
「この国にはお風呂という習慣も考え方もありませんから。さ、行きましょうか?」
「……分かりました。二人は先に寝てください」
「はーい」
声を揃えて元気よく答えて見送ってくれます。外で待機していた兵士二人も、エレノアさんを見た瞬間背筋を伸ばして、直視しない様に視線を僅かにずらしています。
異様に緊張した空気に包まれたギルドで、お風呂に関して申請。申請書を持ったエレノアさんが奥に消えるのを見送ると、ギルドを後にします。
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