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朝から公爵家を訪れた俺とアンリが、養子にすると言って、突然小さな子供を連れて帰ってきたので、三人の使用人は腰を抜かす程驚いていた。
ショーンを養子にすると決めたからには、アンリと二人、いや、子育ての経験がある、セルジュ、サシャ、ダンにも手助けして貰いながら、しっかり育てなければならない。
三人に公爵家での出来事を説明して、ショーンを紹介した。すすり泣く三人につられてアンリも涙ぐんでいた。
三人共、もちろん協力します、と言ってくれたのでとても心強い。
「ショーン、うちの者を紹介する。執事のセルジュ、侍女のサシャ、料理人のダンだ。公爵家には大勢の家族と使用人がいたと思うが、うちは俺とアンリと三人の使用人だけだ。そんなに固くならなくてもいい」
「⋯はい、ちちうえ」
「父上⋯いいな」
「ジェイドだけずるい!ショーン、僕も父様って呼んで」
「はい、とうさま」
「ショーン!ありがとう」
アンリが嬉しそうにショーンに抱きつくと、ショーンがアンリの首筋に顔を埋めようとするので、慌てて離そうとして、使用人達から止められた。
「ジェイド様、大人気ないですよ。5歳と言えばまだまだ甘えたい盛り。たっぷり愛情を注いでやって下さい」
サシャから、小言を言われてしまった。
でも、俺にとってはアンリが一番なのだから仕方ない。はぁ、と溜息をついて抱き合う二人を羨ましげに見るのだった。
ショーンが来てからひと月が経とうとしている。養子に入る手続きも無事に終わり、晴れて三人は家族になった。
「ショーン、今日は何をして過ごした?」
「とうさまとほんをよみました」
「他には?」
「⋯⋯」
「ダンが作った料理は美味しいか?」
「はい」
このひと月、毎日夕食の時に交わす会話だ。
ショーンは5歳の男の子にしては大人しく、全く手がかからない。子育てする側は楽だが、このままではいけない気がする。一つ気掛かりな事があって、誰もショーンの笑った顔を一度も見たことがないのだ。アンリも使用人達も心配している。
「アンリ、おいで」
毎晩ベッドの上でアンリを抱き締めながら、その日のショーンの様子を聞くのが日課になった。
「今日は何をしたんだ?」
「今日はいつもみたいにショーンに本を読んであげてたら眠たくなっちゃって、気付いたら二人でお昼寝してたんだ。ジェイドが騎士団で頑張ってる時にごめんなさい」
「そんな事は気にしなくていいよ。で、昼寝はどこでしたんだい?」
「執務室のソファだけど」
「二人で一緒に?」
「うん、子供ってポカポカしてて気持ちいいんだよ」
「ほう⋯、抱き合って寝たのかい?」
「ソファって狭いから、落ちないようにね」
「なっ、ショーンは少しアンリに甘えすぎじゃないか?」
「そうかな?」
「アンリ、最近俺の事はちゃんと構ってくれてないだろ」
自分でも驚く程低く感情のない声だった。俺が知らないところで、アンリとショーンの距離が縮まっていると知り、頭に血が上ってしまった。アンリの身体を無理矢理べッドに押し付け唇を奪った。驚いて抵抗しようとするアンリの首筋に舌を這わせ、寝着の中に手を差し入れ体をまさぐる。胸の尖りを加減の利かない指で擦りながら、太ももを割開く。
「やっ!痛いっ!ジェイド止めて!」
「アンリ、俺とショーン、どっちが大事だ?」
「ジェイド、怖い、止めて⋯」
アンリは泣きながら、寝室から飛び出して行ってしまった。
ショーンを養子にすると決めたからには、アンリと二人、いや、子育ての経験がある、セルジュ、サシャ、ダンにも手助けして貰いながら、しっかり育てなければならない。
三人に公爵家での出来事を説明して、ショーンを紹介した。すすり泣く三人につられてアンリも涙ぐんでいた。
三人共、もちろん協力します、と言ってくれたのでとても心強い。
「ショーン、うちの者を紹介する。執事のセルジュ、侍女のサシャ、料理人のダンだ。公爵家には大勢の家族と使用人がいたと思うが、うちは俺とアンリと三人の使用人だけだ。そんなに固くならなくてもいい」
「⋯はい、ちちうえ」
「父上⋯いいな」
「ジェイドだけずるい!ショーン、僕も父様って呼んで」
「はい、とうさま」
「ショーン!ありがとう」
アンリが嬉しそうにショーンに抱きつくと、ショーンがアンリの首筋に顔を埋めようとするので、慌てて離そうとして、使用人達から止められた。
「ジェイド様、大人気ないですよ。5歳と言えばまだまだ甘えたい盛り。たっぷり愛情を注いでやって下さい」
サシャから、小言を言われてしまった。
でも、俺にとってはアンリが一番なのだから仕方ない。はぁ、と溜息をついて抱き合う二人を羨ましげに見るのだった。
ショーンが来てからひと月が経とうとしている。養子に入る手続きも無事に終わり、晴れて三人は家族になった。
「ショーン、今日は何をして過ごした?」
「とうさまとほんをよみました」
「他には?」
「⋯⋯」
「ダンが作った料理は美味しいか?」
「はい」
このひと月、毎日夕食の時に交わす会話だ。
ショーンは5歳の男の子にしては大人しく、全く手がかからない。子育てする側は楽だが、このままではいけない気がする。一つ気掛かりな事があって、誰もショーンの笑った顔を一度も見たことがないのだ。アンリも使用人達も心配している。
「アンリ、おいで」
毎晩ベッドの上でアンリを抱き締めながら、その日のショーンの様子を聞くのが日課になった。
「今日は何をしたんだ?」
「今日はいつもみたいにショーンに本を読んであげてたら眠たくなっちゃって、気付いたら二人でお昼寝してたんだ。ジェイドが騎士団で頑張ってる時にごめんなさい」
「そんな事は気にしなくていいよ。で、昼寝はどこでしたんだい?」
「執務室のソファだけど」
「二人で一緒に?」
「うん、子供ってポカポカしてて気持ちいいんだよ」
「ほう⋯、抱き合って寝たのかい?」
「ソファって狭いから、落ちないようにね」
「なっ、ショーンは少しアンリに甘えすぎじゃないか?」
「そうかな?」
「アンリ、最近俺の事はちゃんと構ってくれてないだろ」
自分でも驚く程低く感情のない声だった。俺が知らないところで、アンリとショーンの距離が縮まっていると知り、頭に血が上ってしまった。アンリの身体を無理矢理べッドに押し付け唇を奪った。驚いて抵抗しようとするアンリの首筋に舌を這わせ、寝着の中に手を差し入れ体をまさぐる。胸の尖りを加減の利かない指で擦りながら、太ももを割開く。
「やっ!痛いっ!ジェイド止めて!」
「アンリ、俺とショーン、どっちが大事だ?」
「ジェイド、怖い、止めて⋯」
アンリは泣きながら、寝室から飛び出して行ってしまった。
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