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「アルフ、怪我はもう大丈夫なのか?俺、昨日は家の用があって見に行けなくて、ずっと気になってたんだ。⋯って、何かいつも通りだな。怪我は大した事なかったのか?」
「レイル、心配掛けて悪かったな。怪我は痛みの割に、それほど酷くなかったんだろう。医務室で休んでいる間に治ったからな」
「はっ?何だそれ」
「俺にも分からん。多分貼り薬が効いたんだろ。でも、何かリオがおかしな事を言ってたんだ。俺の肩を触ったら治ったとか、何とか」
「は?」
「ああ、いや、何でもない」
「ふぅん、お前が怪我したって聞いて、リオ慌てて走って行ったんだぞ。もしかして、お前の事好きだったりして」
「そんな訳あるか。俺達は友人だぞ」
「はぁ⋯、ニコの事といい、アルフは超が付く程の鈍感だからな」
「何だそれは?それに何で今、ニコが出てくるんだ?レイル、訳が分からん事を言うな」
剣術大会が始まり、俺はむしろ怪我をする前よりも回復した体で参加する事ができた。
リオは1回戦敗退で、レイルは残念ながら3回戦で敗退した。
俺は順当に勝ち進み、決勝でザヴィル侯爵家のオルドーと戦う事になった。
「アルフ、決勝頑張って!」
「まあ、お前なら楽勝だろ?」
「リオ、レイル、応援は有難いが、去年みたいな大声はやめてくれ」
「アルフ、何恥ずかしがってんだよ」
「いや、レイル、気が散るんだ」
「「うっ、分かった⋯」」
「さあ!皆さんお待たせしました!いよいよ決勝です!オルドー・ザヴィル選手対アルフレッド・タルザニール選手!では、始めっ!!」
俺は物心ついた時から剣を握らされ、学園に入る前まで、辺境伯家の騎士と共に、国境を越えてくるならず者達と剣を交えてきた。
そんな俺からしたら、対峙する相手の力量を見抜くくらい、容易い事だ。
この学園に、俺の敵はいない。
オルドーが上から振りかぶってくる。動きは早いが、軌道が分かり易い。実践を積んでいない綺麗な型だ。
俺はそれを正面で受け止め、弾き返そうとした瞬間、ニコが心配げに祈っている姿が目に入った。
一瞬俺を見ているのかと思ったが、相手がニコの婚約者候補だった事を思い出した。
ああ、こいつの心配か、と思った時、ニコの口がほんの少しだけ動いた。
『か、た、むり、しないで』
⋯っ!?
またあの甘い香りが脳裏に蘇る。
「お前が強いのは分かるが、よそ見とは、私も舐められたものだな」
俺はオルドーから声を掛けられ、はっと我に返った。
ぐっとオルドーが押し込んでくる。
遊んでる暇はない。
俺はオルドーの剣を弾き返し、オルドーの喉元に剣を突きつけた。
一瞬の出来事だった。
「ま、参りました⋯」
会場が水を打ったように静まり返った。
「「「わああぁぁぁーー!!」」」
観覧席から割れんばかりの歓声が上がり、悔しげな顔をして、俺を睨めつけているオルドーに一礼をして、その場を後にした。
「アルフ、やったな!」
「アルフ!おめでとう!」
「レイル、リオ、応援してくれた事には礼を言う。だが、今年もうるさかったぞ」
俺は友人2人に軽口を叩きながら、さっきのニコの心配げな顔が、頭から離れなった。
「レイル、心配掛けて悪かったな。怪我は痛みの割に、それほど酷くなかったんだろう。医務室で休んでいる間に治ったからな」
「はっ?何だそれ」
「俺にも分からん。多分貼り薬が効いたんだろ。でも、何かリオがおかしな事を言ってたんだ。俺の肩を触ったら治ったとか、何とか」
「は?」
「ああ、いや、何でもない」
「ふぅん、お前が怪我したって聞いて、リオ慌てて走って行ったんだぞ。もしかして、お前の事好きだったりして」
「そんな訳あるか。俺達は友人だぞ」
「はぁ⋯、ニコの事といい、アルフは超が付く程の鈍感だからな」
「何だそれは?それに何で今、ニコが出てくるんだ?レイル、訳が分からん事を言うな」
剣術大会が始まり、俺はむしろ怪我をする前よりも回復した体で参加する事ができた。
リオは1回戦敗退で、レイルは残念ながら3回戦で敗退した。
俺は順当に勝ち進み、決勝でザヴィル侯爵家のオルドーと戦う事になった。
「アルフ、決勝頑張って!」
「まあ、お前なら楽勝だろ?」
「リオ、レイル、応援は有難いが、去年みたいな大声はやめてくれ」
「アルフ、何恥ずかしがってんだよ」
「いや、レイル、気が散るんだ」
「「うっ、分かった⋯」」
「さあ!皆さんお待たせしました!いよいよ決勝です!オルドー・ザヴィル選手対アルフレッド・タルザニール選手!では、始めっ!!」
俺は物心ついた時から剣を握らされ、学園に入る前まで、辺境伯家の騎士と共に、国境を越えてくるならず者達と剣を交えてきた。
そんな俺からしたら、対峙する相手の力量を見抜くくらい、容易い事だ。
この学園に、俺の敵はいない。
オルドーが上から振りかぶってくる。動きは早いが、軌道が分かり易い。実践を積んでいない綺麗な型だ。
俺はそれを正面で受け止め、弾き返そうとした瞬間、ニコが心配げに祈っている姿が目に入った。
一瞬俺を見ているのかと思ったが、相手がニコの婚約者候補だった事を思い出した。
ああ、こいつの心配か、と思った時、ニコの口がほんの少しだけ動いた。
『か、た、むり、しないで』
⋯っ!?
またあの甘い香りが脳裏に蘇る。
「お前が強いのは分かるが、よそ見とは、私も舐められたものだな」
俺はオルドーから声を掛けられ、はっと我に返った。
ぐっとオルドーが押し込んでくる。
遊んでる暇はない。
俺はオルドーの剣を弾き返し、オルドーの喉元に剣を突きつけた。
一瞬の出来事だった。
「ま、参りました⋯」
会場が水を打ったように静まり返った。
「「「わああぁぁぁーー!!」」」
観覧席から割れんばかりの歓声が上がり、悔しげな顔をして、俺を睨めつけているオルドーに一礼をして、その場を後にした。
「アルフ、やったな!」
「アルフ!おめでとう!」
「レイル、リオ、応援してくれた事には礼を言う。だが、今年もうるさかったぞ」
俺は友人2人に軽口を叩きながら、さっきのニコの心配げな顔が、頭から離れなった。
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