閨係の恋~高貴な方の閨係に選ばれた僕は、愛する人と幸せになります~

まんまる

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第八夜 発情Ωは優しき王子の胸の中

おまけ 御者のレイニーさん

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«ある公爵令息の場合»

「出発いたします。揺れにご注意ください」

「はあっ?公爵家の馬車は、揺らさずに行ってくれるのに、王家の馬車はどうなってるの!」

「⋯⋯」


«ある侯爵令嬢の場合»

「出発いたします。揺れにご注意ください」

「そんなのどうでもいいから、急いでちょうだい!私は早く殿下と番になりたいの!」

「⋯⋯」



この国の第1王子として生まれた私には、当たり前だと言われるだろうが、自由がなかった。

結婚相手ももちろん、貴族同士のいらぬ軋轢あつれきを生まぬよう、勝手に周りから候補を挙げられた。

「公爵家と侯爵家から1人ずつか⋯。よし、あの手でやってみよう」

私は昔読んだ、王様が平民の格好をして世直しをする絵本を思い出し、婚約者候補の2人を王城まで呼び出して、御者のフリをして迎えに行った。

私を本物の御者だと思い込み、平気で罵声を浴びせる2人とは、私はどうしても結婚をする気にはなれなかった。

どうにか2人を候補から外せたと思ったら、違う候補を立てられそうになったり、閨係と言う、私には到底理解できない慣わしを押し付けられそうになったり、私は心底辟易へきえきしていた。


そんな時だった。


「出発いたします。揺れにご注意ください」

「くすっ」

⋯っ!!


ああ、私はきっと君と恋に落ちるだろう。

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