ツンデレの取扱説明書

多分 空

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ムカつき

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 僕は服部智。高校二年生。家に女の子がいる。彼女の名前は中条澪。同じ高校に通う、同学年だ。彼女は父親とけんかして、家出をしてきたらしい。同じマンションだからと言う理由で、うちに来て、居候してる。しかし、性格は、僕を下に見ていて、バカにしてくる。そんな彼女との生活が、三日前から始まった。

今日は月曜日。短かった休みが終わり学校に登校しなければならない。朝から憂鬱だったが、今日はいつも以上だった。なぜなら、中条澪という女がいる生活に慣れてはいないからだ。しゃべることは全くないが、この土日は奴隷のように扱われた。水を取りに行かされたり、ためてたお菓子を食べられたり、ソファを譲らされたり、僕の親は仲がいいと思っているため何にも言ってこない。そのおかげで朝を迎えるたびにつかれているのを感じた。登校する時間は同じ時間らしく極力距離をつけて歩こうと思っていた。すると、
「なんであんたがついてくんのよ。気持ち悪い。」
だと。あげくの果てには
「10分開けて家でろよ。一緒に歩くとこ見られて誤解されたくないから。」
と言われ、居候のくせにとムカついたが、妹に見つかるのは、めんどくさいので、仕方なく離れて歩いた。とは言っても、遅れるのだけはごめんなので5分遅れで歩いた。結局、校門担当の体育教師松本に職員室に呼び出される羽目になった。
長い長い説教が終わり足取り重く廊下を歩くと、チラッと他のクラスの様子が鏡越しから見えた。そこには、廊下に一番近い席に座っている女子と目が合った。中条だった。1秒ほど目が合ったものの彼女はキッときつく睨んで、目を逸らした。なんだそれ!!俺の説教時間を返せ!!お前のせいだ!!なんて吠えてやろうとしたけれど、やめておいた。気づけば自分の教室すら過ぎていた。
昼休みになった。外にはいかず、教室でぶらぶら喋りながら暇をつぶそうと考えていた。すると
「服部。暇か?お前さ川本(クラス委員長)と仲いいだろ。あいつ今日休みだから、代わりに昼休み会議出てきてくれないか?」
なんて、担任の座板が言ってきた。
「無理ですよ。あいつとは仲いいけど、クラス委員会議何すればいいかわからないし、僕なんかが…」
言いかせた途端
「いいよ別に。ただ座って、話聞いて、書類もらってくりゃいいんだから。」
「でも…」
「もう行かなきゃクラス委員会の梶本主任がキレるぞ」
なんて脅してきやがったので行くしかなかった。なんたって梶本は、自分が気に食わなかったら成績にを普通に下げるようなやつで、前も頭のいい私立大学推薦受験予定の人の成績を普通に下げて、その人はちゃんと落ちたのだ。みんなからはハゲてるのでハゲ本と言われてる。仕方ない、行かず嫌われて成績下げられるよりもなにするかわからないけど、行ったほうが絶対楽だと思うので仕方なく行くことにした。
チャイムがなって、無事何事もなくクラス委員会が終わり、教室に帰れることになった。まさか川本が休みでしかも
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