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第四章 九月
第25話 魔神の子
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「まぁ大したお願いでもないんだけどね。魔王って知ってるかな? そいつらを見つけたら倒して欲しいんだ」
「魔王? ナニソレ?」
「魔王っていうのは魔神の子供のことよ」
「魔神の!? ……あれ? でも魔神って2000年前に英雄さまが倒したんだよな? 子供なんていんの?」
「いるよ。魔族って基本的には寿命がないようなものだからね。三界だって2000年前からずっと生きてるわけだし。まぁ魔王は純粋な魔族ではないことも多いけど」
「何体くらいいるとか分かってんのか?」
「これまでも結構減らしてるからね。本山、つまり1番強い三界は魔王だし、それ以外だと10体いるかいないかって感じかな」
「子供が10もいるのか!? 大家族じゃねぇか!」
「これでも減ったんだよ? まぁ僕たち人間と魔族じゃあ子供の概念も少し違うようだけど。腐っても魔神は神だからね」
でも双角、三界の2番目や三番は魔神の子ではないということか。だからどうというわけでもないのだが、なんとなく不思議な感じだった。三界のうち2体は魔神との関係がないのか。
「ああ、あと天使様を見つけたら教えて欲しいな。天使様っていうのはセスフ様の子供のことだね。君達が魔族と戦うなら力になるはずだよ」
「聞いたことあるような……ないような……。——様か。……!?」
なんだ? 今声が出せなかった。いや、出ていたはずなのに遮断されたような感じだった。
「ははっ! セスフ様っていうのは創造神様のことだよ。高次元の人間じゃないと直接は名前を呼べないんだよ。エスト君じゃまだだめだね」
……なんか……ちょっとムカつくな……。事実を言われているのだろうが、それを理解してる分余計に腹が立つ。でも六法帝に言われては言い返せないな……。
「さてと……じゃあ……」
ギルバートさんは座っていた椅子から立ち上がった。九月を倒しに来たと言っていたからもうここにいる理由もないのだろう。
「セリア! 僕と一緒にデートでも……」
「結構です。お兄様と一緒だと目立つので」
「妹が辛辣だ……だがそれもまた良さだ」
この人は案外ダメな人なのかも知れない。この感じ、俗に言う“しすこん”とかいうやつだ。
「エスト君、君今失礼なこと考えたでしょ」
「まぁ。ところで九月も強かったけど三界はもっと強いんだよな?」
「うーん、そうだね。九月と三界には隔絶した差があるね。さらに言うと本山はさらに別格だよ。九月も五番と四番は少し三界に近い実力だしね」
一括りに九月や三界とはいっても序列によってそれなりに差があるということか。今回おれ達が相手したのは九番と七番だ。まだまだ力が足りてない。
「あと六法帝は基本的に九月よりは強いね。複数相手にすると疲れるけど。それでも一対一じゃ三界には敵わない。バンリューだけは本山とも戦えるかも知れないけどね」
バンリューといえばEXランクの冒険者だ。人類最強とも呼ばれる男は格が違うのか。
「おれはまだまだだな……。こんなんじゃあ魔族を滅ぼすことなんてできねぇし、みんなを守るにも力が足りねぇ」
そうだ。もっと強くならなくては。何が起こってもセリアもグラも、知らない人のことも守れるようにならなければ。
「エスト……そうね。じゃあ私達はエストを守れるくらいに強くなんなくちゃ」
「はっはっ! そうじゃな!」
「いい関係じゃないか。バンリューはよく“最強と呼ぶにはあまりに強いが、無敵と呼ぶには弱すぎる”って言われるしね。完璧な強さを持った人なんていないんだ。支え合っていくといいさ。それと、次行く場所が決まってないならエルフの里へ行くといい。僕はもう行けないけど君達はまだ行けるはずだよ」
「もう行けない? どういうことだ?」
「行けば分かるよ。じゃあね。君がセリアの仲間なら安心して任せられるよ」
「お、おう。またな」
「さっ! 話も終わったしエストは寝てなさい! 早く身体を治して、また旅を続けましょ!」
痛っ……! 少し強引に寝かされた。肩を押されたので流石に痛かったが、不思議と落ち着いていられた。おれは寝転がりながら隣に置かれた果物を少しつまんだ。
「怪我が落ち着いたらギルドに行くわよ。今回のことでグラもAランクに上がったのよ。私達もそれなりに依頼をこなせばSランクには上がれると思うわ」
「まぁお前はゆっくりしておけ。儂も力を取り戻すために時間をかけないといけないからな」
「力を取り戻す?」
「かつての契約者の力で封じられておってな。最近その力が弱まったので頑張れば元の力を取り戻せるかもしれん」
「へー。そうなのか」
「本来竜帝ってのはもっと偉大で強いものなんじゃよ」
契約……テイマーみたいなヤツと関わりがあったということだろうか。たしかに竜の王といえばもっと強くてもいいかもしれないが。
「先代なんかはそれこそ三界からも危険視されるほど強かったんじゃぞ!」
「そりゃ凄ぇな! ……三界に会ったことはねぇけど」
おれ達3人は久しぶりにゆったりとしていた。グラの竜の話や、この街の名物だとか、エルフの里はどんなところなんだろうとか。心を躍らせながらいろんな話をした。
「魔王? ナニソレ?」
「魔王っていうのは魔神の子供のことよ」
「魔神の!? ……あれ? でも魔神って2000年前に英雄さまが倒したんだよな? 子供なんていんの?」
「いるよ。魔族って基本的には寿命がないようなものだからね。三界だって2000年前からずっと生きてるわけだし。まぁ魔王は純粋な魔族ではないことも多いけど」
「何体くらいいるとか分かってんのか?」
「これまでも結構減らしてるからね。本山、つまり1番強い三界は魔王だし、それ以外だと10体いるかいないかって感じかな」
「子供が10もいるのか!? 大家族じゃねぇか!」
「これでも減ったんだよ? まぁ僕たち人間と魔族じゃあ子供の概念も少し違うようだけど。腐っても魔神は神だからね」
でも双角、三界の2番目や三番は魔神の子ではないということか。だからどうというわけでもないのだが、なんとなく不思議な感じだった。三界のうち2体は魔神との関係がないのか。
「ああ、あと天使様を見つけたら教えて欲しいな。天使様っていうのはセスフ様の子供のことだね。君達が魔族と戦うなら力になるはずだよ」
「聞いたことあるような……ないような……。——様か。……!?」
なんだ? 今声が出せなかった。いや、出ていたはずなのに遮断されたような感じだった。
「ははっ! セスフ様っていうのは創造神様のことだよ。高次元の人間じゃないと直接は名前を呼べないんだよ。エスト君じゃまだだめだね」
……なんか……ちょっとムカつくな……。事実を言われているのだろうが、それを理解してる分余計に腹が立つ。でも六法帝に言われては言い返せないな……。
「さてと……じゃあ……」
ギルバートさんは座っていた椅子から立ち上がった。九月を倒しに来たと言っていたからもうここにいる理由もないのだろう。
「セリア! 僕と一緒にデートでも……」
「結構です。お兄様と一緒だと目立つので」
「妹が辛辣だ……だがそれもまた良さだ」
この人は案外ダメな人なのかも知れない。この感じ、俗に言う“しすこん”とかいうやつだ。
「エスト君、君今失礼なこと考えたでしょ」
「まぁ。ところで九月も強かったけど三界はもっと強いんだよな?」
「うーん、そうだね。九月と三界には隔絶した差があるね。さらに言うと本山はさらに別格だよ。九月も五番と四番は少し三界に近い実力だしね」
一括りに九月や三界とはいっても序列によってそれなりに差があるということか。今回おれ達が相手したのは九番と七番だ。まだまだ力が足りてない。
「あと六法帝は基本的に九月よりは強いね。複数相手にすると疲れるけど。それでも一対一じゃ三界には敵わない。バンリューだけは本山とも戦えるかも知れないけどね」
バンリューといえばEXランクの冒険者だ。人類最強とも呼ばれる男は格が違うのか。
「おれはまだまだだな……。こんなんじゃあ魔族を滅ぼすことなんてできねぇし、みんなを守るにも力が足りねぇ」
そうだ。もっと強くならなくては。何が起こってもセリアもグラも、知らない人のことも守れるようにならなければ。
「エスト……そうね。じゃあ私達はエストを守れるくらいに強くなんなくちゃ」
「はっはっ! そうじゃな!」
「いい関係じゃないか。バンリューはよく“最強と呼ぶにはあまりに強いが、無敵と呼ぶには弱すぎる”って言われるしね。完璧な強さを持った人なんていないんだ。支え合っていくといいさ。それと、次行く場所が決まってないならエルフの里へ行くといい。僕はもう行けないけど君達はまだ行けるはずだよ」
「もう行けない? どういうことだ?」
「行けば分かるよ。じゃあね。君がセリアの仲間なら安心して任せられるよ」
「お、おう。またな」
「さっ! 話も終わったしエストは寝てなさい! 早く身体を治して、また旅を続けましょ!」
痛っ……! 少し強引に寝かされた。肩を押されたので流石に痛かったが、不思議と落ち着いていられた。おれは寝転がりながら隣に置かれた果物を少しつまんだ。
「怪我が落ち着いたらギルドに行くわよ。今回のことでグラもAランクに上がったのよ。私達もそれなりに依頼をこなせばSランクには上がれると思うわ」
「まぁお前はゆっくりしておけ。儂も力を取り戻すために時間をかけないといけないからな」
「力を取り戻す?」
「かつての契約者の力で封じられておってな。最近その力が弱まったので頑張れば元の力を取り戻せるかもしれん」
「へー。そうなのか」
「本来竜帝ってのはもっと偉大で強いものなんじゃよ」
契約……テイマーみたいなヤツと関わりがあったということだろうか。たしかに竜の王といえばもっと強くてもいいかもしれないが。
「先代なんかはそれこそ三界からも危険視されるほど強かったんじゃぞ!」
「そりゃ凄ぇな! ……三界に会ったことはねぇけど」
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