32 / 37
4章
貴方と私エンド。
しおりを挟む
キャーーー。
悲鳴が聞こえた。3人は固まって寝てたからすぐそこから音がした。起きたてで視野がまだ朦朧としていた。やがて視点が合う。
誰だ?
叫んでいるのはこの3人ではない?
何故か身に覚えがある。何故そっちが驚く。
お前は...
と言いかけた途端、声を上げたのは早見だった。
「白?なんでここにあんたがいるの?」
その時自分の中でぐちゃぐちゃしていた思考がようやく固まった。目の前に現れたのは、同じクラスでずっと本を読んでいて佳奈をいじめていた河原 白だった。
佳奈がそれを聞いた途端、固まって目から涙が出ていた。これほど意味のわからない状況なのだから無理は無いだろう。
状況を見る感じ、俺らが寝ていた時に明日進もうとしている方向から現れてあっちが驚いたような感じだった。
河原は、白いワンピースを着ていて所々血の跡があった。
「お前、なんで血を流してるんだよ?」
河原は、走ってきたのか息を整えて口にする。
「わ、私、早瀬から...に、にに、逃げてきたの。」
早瀬?
やはり、この洞窟にいるのか?
こいつは、アイツに追われていたのか?
そんなことを河原が息を整えているうちに整理する。
「私の目の前で、花暮ちゃんが殺されたの。それで、怖くなっちゃって逃げようとしたら体を切りつけられて、何とかしてここまで走ってきたの。」
「意味がわからない。もうちょっと詳しく説明してくれ。」
そう言うとこう話した。
「私が花暮ちゃんに呼び出されて、大阪の宗限洞窟(そうげん)に行ったの。そしたら、花暮ちゃんとお父さんが居て、あ、お父さんってのは花暮ちゃんのね。
それで合流したあと、洞窟の奥に入ると線路のようなものがあったの。ここで待つって言われたから待ってたら、奥からカッタンカッタンって聞こえて、早瀬くんが乗ったトロッコが来たの。
それで、よく分からなかったんだけどそのトロッコに乗ってモニター室のような所に移動したんだ。そして、その奥にまた部屋があって開けると何も無い部屋だったの。
みんなでそこに入って...」
「ちょっと待った。細かい説明はありがたいが、処理が追いつかない。少しまとめさせてくれ。」
俺の脳内で整理を始めた。
まず、この洞窟はやはり大阪につながっている。そして、この洞窟には早瀬がいてその他に河原と花暮と父の藩周がいる。
大阪の洞窟の付近にはトロッコがあるらしい。それに乗るとモニター室に着く。その他にもう1つ部屋があるという事だ。
「すまん。もうちょい話してくれ。」
「ちょっと待って。影琉」
佳奈が話す。
「花暮に呼ばれたってことは、貴方も私たちを殺すグルじゃないの?
もしかして、スパイだったりしないの?散々私をいじめといて、何、平気で話してるの?状況が変わったから?1人になって怖くなったから?
虫が良すぎるよ。」
そう言われて、河原は視線を下に落とす。何も言えなくなったのだろう。
確かに、俺も思っていたことだ。状況を聞くより確かにそっちを問いただす方が正解だろう。
河原はただ、
「信じて欲しい...」
と言うだけだった。
タッタッ.....
奥から刻み良く走る音がする。
嫌な予感がした俺は、佳奈を抱き抱えて草の茂みに身を隠した。早見も同じようにそうする。
河原は、ただ下を見て落ち込んでいた。
やがて、前を向いた。
もうその時には、
刺さっていた。
「誰とおしゃべりしてたのかな?」
パシャパシャパシャッ。
そして、頭部に刺さったからか血の涙を流した。
涙か血か分からなかった。
悲鳴が聞こえた。3人は固まって寝てたからすぐそこから音がした。起きたてで視野がまだ朦朧としていた。やがて視点が合う。
誰だ?
叫んでいるのはこの3人ではない?
何故か身に覚えがある。何故そっちが驚く。
お前は...
と言いかけた途端、声を上げたのは早見だった。
「白?なんでここにあんたがいるの?」
その時自分の中でぐちゃぐちゃしていた思考がようやく固まった。目の前に現れたのは、同じクラスでずっと本を読んでいて佳奈をいじめていた河原 白だった。
佳奈がそれを聞いた途端、固まって目から涙が出ていた。これほど意味のわからない状況なのだから無理は無いだろう。
状況を見る感じ、俺らが寝ていた時に明日進もうとしている方向から現れてあっちが驚いたような感じだった。
河原は、白いワンピースを着ていて所々血の跡があった。
「お前、なんで血を流してるんだよ?」
河原は、走ってきたのか息を整えて口にする。
「わ、私、早瀬から...に、にに、逃げてきたの。」
早瀬?
やはり、この洞窟にいるのか?
こいつは、アイツに追われていたのか?
そんなことを河原が息を整えているうちに整理する。
「私の目の前で、花暮ちゃんが殺されたの。それで、怖くなっちゃって逃げようとしたら体を切りつけられて、何とかしてここまで走ってきたの。」
「意味がわからない。もうちょっと詳しく説明してくれ。」
そう言うとこう話した。
「私が花暮ちゃんに呼び出されて、大阪の宗限洞窟(そうげん)に行ったの。そしたら、花暮ちゃんとお父さんが居て、あ、お父さんってのは花暮ちゃんのね。
それで合流したあと、洞窟の奥に入ると線路のようなものがあったの。ここで待つって言われたから待ってたら、奥からカッタンカッタンって聞こえて、早瀬くんが乗ったトロッコが来たの。
それで、よく分からなかったんだけどそのトロッコに乗ってモニター室のような所に移動したんだ。そして、その奥にまた部屋があって開けると何も無い部屋だったの。
みんなでそこに入って...」
「ちょっと待った。細かい説明はありがたいが、処理が追いつかない。少しまとめさせてくれ。」
俺の脳内で整理を始めた。
まず、この洞窟はやはり大阪につながっている。そして、この洞窟には早瀬がいてその他に河原と花暮と父の藩周がいる。
大阪の洞窟の付近にはトロッコがあるらしい。それに乗るとモニター室に着く。その他にもう1つ部屋があるという事だ。
「すまん。もうちょい話してくれ。」
「ちょっと待って。影琉」
佳奈が話す。
「花暮に呼ばれたってことは、貴方も私たちを殺すグルじゃないの?
もしかして、スパイだったりしないの?散々私をいじめといて、何、平気で話してるの?状況が変わったから?1人になって怖くなったから?
虫が良すぎるよ。」
そう言われて、河原は視線を下に落とす。何も言えなくなったのだろう。
確かに、俺も思っていたことだ。状況を聞くより確かにそっちを問いただす方が正解だろう。
河原はただ、
「信じて欲しい...」
と言うだけだった。
タッタッ.....
奥から刻み良く走る音がする。
嫌な予感がした俺は、佳奈を抱き抱えて草の茂みに身を隠した。早見も同じようにそうする。
河原は、ただ下を見て落ち込んでいた。
やがて、前を向いた。
もうその時には、
刺さっていた。
「誰とおしゃべりしてたのかな?」
パシャパシャパシャッ。
そして、頭部に刺さったからか血の涙を流した。
涙か血か分からなかった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
復讐のための五つの方法
炭田おと
恋愛
皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。
それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。
グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。
72話で完結です。
裏切りの代償
中岡 始
キャラ文芸
かつて夫と共に立ち上げたベンチャー企業「ネクサスラボ」。奏は結婚を機に経営の第一線を退き、専業主婦として家庭を支えてきた。しかし、平穏だった生活は夫・尚紀の裏切りによって一変する。彼の部下であり不倫相手の優美が、会社を混乱に陥れつつあったのだ。
尚紀の冷たい態度と優美の挑発に苦しむ中、奏は再び経営者としての力を取り戻す決意をする。裏切りの証拠を集め、かつての仲間や信頼できる協力者たちと連携しながら、会社を立て直すための計画を進める奏。だが、それは尚紀と優美の野望を徹底的に打ち砕く覚悟でもあった。
取締役会での対決、揺れる社内外の信頼、そして壊れた夫婦の絆の果てに待つのは――。
自分の誇りと未来を取り戻すため、すべてを賭けて挑む奏の闘い。復讐の果てに見える新たな希望と、繊細な人間ドラマが交錯する物語がここに。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる