荒れ果てた僕の心

大黒鷲

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4章

貴方と私エンド。

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キャーーー。

悲鳴が聞こえた。3人は固まって寝てたからすぐそこから音がした。起きたてで視野がまだ朦朧としていた。やがて視点が合う。

誰だ?
叫んでいるのはこの3人ではない?
何故か身に覚えがある。何故そっちが驚く。

お前は...
と言いかけた途端、声を上げたのは早見だった。




「白?なんでここにあんたがいるの?」

その時自分の中でぐちゃぐちゃしていた思考がようやく固まった。目の前に現れたのは、同じクラスでずっと本を読んでいて佳奈をいじめていた だった。
佳奈がそれを聞いた途端、固まって目から涙が出ていた。これほど意味のわからない状況なのだから無理は無いだろう。

状況を見る感じ、俺らが寝ていた時に明日進もうとしている方向から現れてあっちが驚いたような感じだった。
河原は、白いワンピースを着ていて所々血の跡があった。

「お前、なんで血を流してるんだよ?」

河原は、走ってきたのか息を整えて口にする。
「わ、私、早瀬から...に、にに、逃げてきたの。」

早瀬?
やはり、この洞窟にいるのか?
こいつは、アイツに追われていたのか?
そんなことを河原が息を整えているうちに整理する。

「私の目の前で、花暮ちゃんが殺されたの。それで、怖くなっちゃって逃げようとしたら体を切りつけられて、何とかしてここまで走ってきたの。」

「意味がわからない。もうちょっと詳しく説明してくれ。」

そう言うとこう話した。

「私が花暮ちゃんに呼び出されて、大阪の宗限洞窟(そうげん)に行ったの。そしたら、花暮ちゃんとお父さんが居て、あ、お父さんってのは花暮ちゃんのね。

それで合流したあと、洞窟の奥に入ると線路のようなものがあったの。ここで待つって言われたから待ってたら、奥からカッタンカッタンって聞こえて、早瀬くんが乗ったトロッコが来たの。

それで、よく分からなかったんだけどそのトロッコに乗ってモニター室のような所に移動したんだ。そして、その奥にまた部屋があって開けると何も無い部屋だったの。
みんなでそこに入って...」

「ちょっと待った。細かい説明はありがたいが、処理が追いつかない。少しまとめさせてくれ。」
俺の脳内で整理を始めた。

まず、この洞窟はやはり大阪につながっている。そして、この洞窟には早瀬がいてその他に河原と花暮と父の藩周がいる。
大阪の洞窟の付近にはトロッコがあるらしい。それに乗るとモニター室に着く。その他にもう1つ部屋があるという事だ。


「すまん。もうちょい話してくれ。」

「ちょっと待って。影琉」
佳奈が話す。
「花暮に呼ばれたってことは、貴方も私たちを殺すグルじゃないの?
もしかして、スパイだったりしないの?散々私をいじめといて、何、平気で話してるの?状況が変わったから?1人になって怖くなったから?
虫が良すぎるよ。」

そう言われて、河原は視線を下に落とす。何も言えなくなったのだろう。
確かに、俺も思っていたことだ。状況を聞くより確かにそっちを問いただす方が正解だろう。

河原はただ、
「信じて欲しい...」
と言うだけだった。


タッタッ.....
奥から刻み良く走る音がする。
嫌な予感がした俺は、佳奈を抱き抱えて草の茂みに身を隠した。早見も同じようにそうする。
河原は、ただ下を見て落ち込んでいた。
やがて、前を向いた。

もうその時には、


刺さっていた。



「誰とおしゃべりしてたのかな?」

パシャパシャパシャッ。


そして、頭部に刺さったからか血の涙を流した。
涙か血か分からなかった。
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