ボクのおじさん探偵は調子パズレでいつもヘトヘト 『ディドリームビリーバーとハードディズナイト』

Ann Noraaile

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第1章 サファイア姫の失踪

09: ハシビロコウの嘴

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 探偵事務所の応接用革製ソファの上で、痙攣を起こすような感じで俺は目が覚めた。
 俺は酒で沈没したバー・アドニスから、どうやらこうやら自分の住みかには帰り着いたらしい。
 最後に見た記憶があるのは、アドニスの玄関先に置いてあったハシビロコウの形をした電球入りの地上看板だけだった。
 やけに大きくて昔の万年筆のペン先の形にみえるハシビロコウの嘴が黄色く光っていたのを憶えている。

 それ以降の事を全く何も憶えていないから、もしかしたらコーちゃんかシバちゃんのどちらかが、俺を送り届ける段取りをしてくれたのかも知れない。

 ここは我が家だ。
 安心した俺は、フラフラと立ち上がって、水を飲む代わりに探偵机に行き、その引き出しからウィスキー瓶を取り出して、又飲んだ。
 再びソファに横になった時は、当たり前だが、又、意識を失うように眠りに落ちた。
 そして俺にとっちゃ、見るべきでない禁断の夢を見た。
 コーちゃんとシバちゃんと、一緒に深酒をしたのが、あだになったのだろう。



「リョウ、大丈夫か?」
 俺はそんな感じで酔いつぶれたリョウに呼びかけた。
 いつものように半分冗談ぽく、全ての事を許容する大人の魅力を満載してだ。
 するとパチッと音がするみたいにリョウの目が開いた。
 今の人間は知らないだろうが、大昔には、身体の位置を変えると瞼を閉じたり開けたりする人形があったのだが、そんな感じだ。

 『ああこれ、脱がないと。』そんなようなことをモゴモゴと言って、リョウは自分のセーターを脱ごうとする。
 まあ、リョウは男である。
 別段気にしないで、その様子を俺は見守るつもりでいた。
 するとこの酔っぱらい、セーターを脱いだ途中で脱げなくなってしまい「所長、手伝って、脱がせて、」とフガフガ言い出した。

 正直俺は、制服のスカートから伸びたリョウの脚に色気を感じていたのである。
 だからモヤモヤしながら脱ぐのを手伝ってやった。
 リョウの腕を上に持ち上げると、その顔はセーターに隠れ、スカートから伸びる脚がなんだか非常にインモラルに見えて正直俺の気持ちは、ちょっと高まった。

 俺はそんな気の迷いを振り払い、少し乱暴にリョウのセーターを引っ張ってやった。
 普段から女物の衣服を大切にしてるリョウから、「やめてやめて!伸びちゃう、伸びちゃう!」とか言われても、お構いなしだ。
 せいやっ、と力任せにセーターを脱がせる。
 勢い余って、酔ったリョウが倒れた。
 ちょうど俺の下腹部へ、膝枕というか、そういう状態でリョウが崩れてきた。

 俺もついさっきまで、内輪の会で飲んでいた身だ。
 服装なんて、ラフ過ぎる格好だった。
 俺の下半身を覆う生地は、普段着のチノパンみたいな固い素材のものじゃなかった。
 その時、俺が着てたのは、確かパジャマにしてもおかしくないようなジャージか何かだったと思う。
 だからリョウは、俺のナニが力こぶを作っているのに気付くのは容易だったはずだ。

「ちょっとーー所長ーーー」
 リョウは俺の下腹部に顔を埋めてもごもご喋る。
「固いよ、固いぃーー」
 その声を聞いて、なんか俺はもう死にたくなった。
 バイト助手の女子高校生風女装におっ立てたとか、他の奴らにバレたら、社会的に死亡だ。
 しかしお前、なんで男なんだよ、これが女だったら何かイベントが……何か……あ……れ……?

 リョウはスクールシャツの下にキャミソールを着ていた。
 後々の誤解を避けるために、その時の俺の視界内容を説明しておく。
 股間にリョウのショートヘアの頭がのっかり、その上半身はスクールシャツを着ていてキャミが透けて見えている。
 そして校則違反のミニスカから伸びる、ちょっとむちっとした脚とハイソックス。
 判って貰えるだろうか。
 これはもう視覚的には、「男」である情報量の方が、圧倒的に少ないのである。

 不覚にも俺のモノは天を衝いて、リョウの頬だかにメゴリと食い込んだ。
 死んだ、はい、死んだ!
 もう俺、ホモ決定!
 明日からホモ所長、ホモ探偵!みたいな悔悟感がゴゴゴと地鳴りを響かせ俺の後悔領域に山のように押し寄せて来た。

「……所長、僕、いけますよ。」
 股間で、リョウがもがもが言う。
「うぇ?」
 このリョウには男のモノを咥えてみたい願望があるようだ。

 一応言っておく。
 リョウは男女関係なく、誰にでも持てる中性的な美貌の持ち主だ。
 自分の酔いと、何も言わなければ、どんどん進むこの状況と、さんざたまった性欲と、目の前に転がるリョウの女子高校生の制服姿に、俺の心はあっさりポキッと折れてしまった。

 俺は無言だったし、リョウも無言だったが、俺の相棒君だけは一人ウムウムと事の成り行きに頷いていた。
 無言と言いつつも、そこは酔っぱらい、リョウは時折「うー」とか「よいしょー」とか独り言を吐きながら、俺の相棒君にえっちらおっちら作業に取りかかった。

 これは一体、どういうことだ?
 こいつ一体、俺のナニを、ナニと勘違いしてる?

 リョウによって取り出された俺の相棒君は、ワダバ・カッチカチ・ダデョと自己主張してリョウの顔にぶつかった。
 まあ俺の方は、リョウの後頭部を見下ろす形なので、その様子を細かくは知らない。
 そして俺の不肖の息子は、温かく柔らかい感触に包まれた。
 刺激としては弱い。
 ただその特殊な状況と、リョウの口の中から微かに聞こえる音で俺は十分興奮できた。
 ウナギの蒲焼きの匂いだけでゴハン三杯いけます、というヤツだ。

 しかもそこには何度も言うが、眼科的には女にしか見えない制服姿のリョウがいたのだ。
 脚もすこぶるエロい。
 俺は本当に女にしてもらっているような気分になってきて、たまらずリョウの背中を撫でた。

 リョウは、お構いなしにやっている。
 俺は酔いの朦朧の中で、その背中を撫でながら『リョウちゃん、ごめん、俺は逝くよ、』とか何とか思ってたかもしれない。
 リョウの動きが止まった。

 え、ええー。
 そこで焦らすの?と思ったが、実際、リョウがそんなことを考えてたかどうかは知らない。
 ただ疲れただけかも知れない。

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