ボクのおじさん探偵は調子パズレでいつもヘトヘト 『ディドリームビリーバーとハードディズナイト』

Ann Noraaile

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第1章 サファイア姫の失踪

10: 涙目探偵の不適切で軽い夢

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 そんなリョウに、声をかけるのは躊躇われた。
 俺は今、概念上、女の子とエッチな行為に及んでいるのであって、リアルな相手と目を合わせるなり話をするなりをして、意思の疎通をしてしまったら、もうアウトなのだと思った。
 ただのホモになると思った。
 いや別にホモを軽蔑してるわけじゃない。
 単純に、俺がホモじゃないっていう事だ。

 なので俺は、自分の行為が矛盾しているのは判りながら、目の前の「物体X」を、今は「女であるリョウ」と思い定めて、行為上のさらなる進化を遂げようとした。
 ちなみに俺は、南極基地に現れた地球外生命体の怪物と、それに立ち向かう隊員達を描いたジョン・カーペンター監督の「遊星からの物体X」という映画が好きだ。

 抵抗はなかった。
 声を上げることもなかった。
 というかリョウも俺も、その体勢上、大した可動範囲しか動けなかったのだ。

 しかも刺激自体は、先ほどよりも弱まっていた。
 リョウもされるがままという感じだ。
 だが何度も言うが、俺が相手をしてるのは女子高生なのだ。
 もうそれだけで十分興奮出来るというものだ。
 いつでも逝ける。
 準備OK、発進どうぞと、俺達の共通する不適切仮想存在「可愛いJKリョウちゃん」もそう言っている。

 ただ、このまま出口まで行って良いのか、と逡巡する。
 リョウに声はかけられない。
 わざとらしく、ボディランゲージで声をかけてみる。
 リョウが舌で返事をする。
 OKサインだろうか?

 ただ俺はそんな駆け引き関係なく、突然の刺激に迷う暇もなく出口ってしまった。
 、、、やっぱり俺は、涙目探偵だ。
 「うっ」と初めて、その場で声を出した。
 このアホなコスプレ女子高生という余興付きの飲み会は、四泊五日の出張調査明けの五日目に執り行われたものだ。
 もちろん此処に至るまで、それなりの仕事をしてきた俺には、自家発電も風俗も利用する余裕はなかった。

 リョウは俺の脚を掴んで硬直しながら、その肩が呼吸に合わせて揺れている。
 しばらく沈黙。
 ややあって、嚥下する音。
 『おいおい、飲むのかよ。』と思ったらまた興奮してきた。
 なにせ四日間溜まっているのだ。
 一度逝った程度で収まりはつかない。
 ただ、さすがにバイト助手の口をこれ以上酷使するのも悪い気がした。
 、、したはしたのだが、リョウが自分のパンツを脱ぎ始めた。

 ここまで来たら、お互い喋らないのが暗黙の了解だ。
 そして男である以上、火の灯った性欲を抑えよなんて残酷な事も言えない。
 というか俺の性欲もまだ消えていない。
 夢から覚めた翌朝には、死にたくなるだろうが、俺はこの時点ではまだやる気だった。

 俺は部屋の電気を、オレンジ色の小さい室内灯に切り替えた。
 一応言っておく。
 俺はノンケである。
 それはそれは、立派なまでにノンケであり、女の子が好きな不良なオッサンなのである。
 さっきまでの行為に臨めたのは、見える範囲でリョウに男性要素がほぼゼロに等しいからだった。

 それが今、目の前にリョウの若すぎるシンボルがドーンだ。
 これといって変哲はない、ただ血液が必要以上に集中しているであろうそれが、俺の目の前で、月明かりをバックにピクポクと動いている。
 暗いからリョウの顔は見えない。
 女子高生の影と、男にとってトイレなどで毎度お馴染みのあのシルエットが確認できる。
 明らかに、ヤツは待っている。

 かわりばんこ、次はアンタの番でしょ。というわけだ。
 リョウが俺の相棒君に手で挨拶してきた。
 リョウの、お誘いの気持ちがひしひしと伝わってくる。
 さっきまでとは明らかにテンションが違う。
 酔いもあった。勢いもある。

 ただそれ以上に、こちらも男である以上、男の気持ちが分かる。
 これは捨て置けない。
 先程のように誤魔化すことは出来なかった。
 俺は男とやるのだと腹をくくる。

 他人の相棒君を握るのは、まして元気に目覚めているものは初めてだった。
 自分の相棒君はなんともないのに、不思議な感じだった。
 筋肉とも違う有機的な硬さ。
 サイズはそんなに大きくないから、もしもの場合でも喉に当たるような心配はないだろう。

 相棒君に挨拶してやる。
 リョウの腰全体が波打つ。
 いい形の尻である。
 キューティーハニーの「おしりの小さな女の子」の歌詞を唐突に思い出す。
 男らしくない、柔らかそうな尻だった。


 俺はリョウの相棒君に対し、自分の相棒には絶対しないような優しさで、その全身を柔らかくハグしてやった。
 ただ、こんなことをしていてリョウのスカートは大丈夫なのだろうかと変に冷静になってしまうこともあった。
 ああ、思い出した。
 小学校の時、俺の友達が跪いて同級生の女の子のスカートの中に頭を突っ込んでいた事があったけ、今の俺はあれと一緒だ。
 でもやってる事は、ずっとインモラルだ。
 とにかく俺は今、女子高生のスカートに顔を突っ込んでいるんだ!と自分に言い聞かせた。

 だんだん興奮してきた。
 しかし顎も疲れてきた。
 俺は何も言わず、立て膝を付いているリョウの後ろに回りこんだ。
 で、後ろから抱きつく形を取り、リョウの相棒君を掴んだ。

 犬が交尾をする姿勢で、俺はリョウのスカートを間に挟んでリョウの相棒君への挨拶を続けた。
 これは痴漢をしているようで興奮し、いや罪悪感を憶えた。

 見た目通り、リョウの尻が柔らかい。
 自然と尻の割れ目を探すような動きになる。
 もちろん前準備も何もない。
 入るはずがない。
 だからこそ、安心して割れ目への挨拶が出来るというものだ。
 リョウも流石に身を固くするが、明らかに股間のそれは硬さを増していた。

 興奮してきた俺は、リョウの首元にキスをした。
 唇を当てるだけの軽いキスだ。
 ちきしょう、男のくせになんて良い匂いがするんだ。
 右手でリョウの股間の相棒君に挨拶しながら腰をぶつける。
 俺は逝くに逝けない絶妙な快感の中にいた。

 リョウの呼吸がふうふうと荒くなる。
 俺も高ぶって、リョウのシャツの中に左手を入れた。
 リョウのお腹をさんざんさすった。
 胸にはさすがにオッパイはなかった。
 上半身にはあまり柔らかさがなかったが、俺は倒錯的な快感に押されて滅茶苦茶に手を這わせた。
 予告もなく、リョウの股間が膨張し、間を空けず脈動するのが分かった。
 リョウの腰が、何かをえぐるように動いている。

 そんなリョウに、俺はエッチなお店のお姉さんに教わったテクニックで処遇してやる。
 リョウは、ぐたっと布団に倒れこんだ。
 俺はリョウのスクールシャツをめくった。
 キャミソールも合わせてめくると、綺麗な背中が出現した。
 ハイソックス、丸いお尻、スカートと続いて背筋で溝の出来た背中。
 正直に言おう、中性的なその身体に興奮した。
 で、やる事を、やってしまった。

 一応最後の自分の後始末だけはして、俺は部屋を出た。
 汚した制服も布団も、リョウに処理を任せることにした。
 ョウと言葉を交わすのが怖かったのである。
 逃げるように自室に戻り、そのまま翌朝まで寝た。
 目が覚めた後は死にたくなったが、特にこれといって皆にバレるようなことはなく、またリョウともこの話題をすることもなく俺の体験は終わった。

 ・・・って事で目が覚めた。
 その淫夢、いや悪夢は見事に完結していた。
 嫌な気分だった。
 内容も内容だったが、それは普段の俺の悩みの反映でもあったから、こんな夢をみさせた原因を断罪しても仕方がない。
 何より嫌だったのは、その夢自体が、俺の存在に似合っていて、あまりにも「軽い」事だった。



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