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第2章 「左巻き虫」の街
31: 罠と狂犬
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丹治と護は一人の売人を追いかけていた。
この頃、ビターシュガーの売人は絶滅種に近い状態だった。
丹治と護が、強烈な売人狩りを実施し、更に丹治が裏から手をまわして旧マフィア勢力によるビターシュガーの売人狩りを促進させたからだ。
碇には、ジェミニの息のかかった売人は数えるほどしか残っていない状況だった。
その売人は異常に逃げ足が早かった。
そして、その日は二人にとって完全にツキがない日のようで、男を追走する最中に様々なアクシデントにぶつかった。
例えば、護の手が、逃げる男の襟首に届こうかというその寸前に、路地から急に子供が飛び出してきて、二人にぶつかりそうになったり、男を挟み撃ちにしようと追跡コースを迂回した丹治の目の前で車椅子に乗る老婆が転倒したりといった具合だ。
丹治が、この「ついていない日」の本当の意味に気が付いたのは、二人が袋小路になったビルの谷間の空き地に売人を追い込んだ時だった。
「警視殿っ、もういい!」
先を走る護に鋭い声を掛けて立ち止まらせた丹治は、自らの息を整え両脇の下に吊した拳銃の存在を意識し、自分の身体を銃の抜き撃ちに備えさせるようにした。
護が丹治の元に戻ってくる。
「どうしたんだ、年のせいで息が上がったのか?」
「・・・、私とした事が、填められてしまったようだ、、ここが何処か判るか?クラブ・アポカリプスの裏手だ。」
「アポカリプス、、あの最初の夜のクラブか、、って事は。」
「そうだ、私たちは奴らの縄張りに誘い込まれたということだ。まさかあの婆さんまで操ったとは思えないが、ジェミニ達の特異点能力はその手のものなのかも知れん。」
遠視・遠隔能力の類か?、、自分の知っている特異点能力者と比べると、それ程、強力なものではないと護は思った。
やはり半なりは、半なりだ、と護は思った。
「ふーん、いずれにしても天下の丹治警部を罠に填めるとは大した度胸だな。」
護の嫌みには取り合わず、丹治は周囲を見渡しながら、そっと呟くように言った。
「今日は意地を張らずに銃を使えよ。いつもとは違う。」
いつの間にか、空き地の外縁に多くの人影がある。
特に丹治達が駆け込んできた路地には、そこを塞ぐような形で数人の男達がいた。
護達の退路はもうない。
空き地を取り囲む壁のように見える隣接ビル群の内のドアの一つが開いた。
どうやらそれはアポカリプスの非常ドアらしい。
そこから出てきたのはジェミニ達だった。
「これは、これは、碇署のお二人さんじゃありませんか、珍しい所でお会いしますな、所轄内で迷子になられましたかな?」
ジェミニの内の一人が言った。
護が以前出会った時には、この双子の見分けは頭髪の色以外まったくなかったのだが、今は違う。
いやみたらしく喋った男の顔には、金髪とサングラス以外には何の特徴も無いが、もう一人の男の鼻は曲がっていた。
数週間前に、護が顔面に拳をたたき込んだからだ。
勿論、この時代である、ちゃんと処置をすれば鼻が曲がったままなどという事はあり得ない。
おそらく、この男は自分が味わった恥辱を忘れないために、その処置をあえて受けなかったのだろう。
その情念の源は、勿論、護に対する怒りだ。
「久しぶりだな、飼い犬!」
銀髪の鼻曲がり男は、以前と違ってまっすぐ護を見ていた。
以前、この男が常に見せていた冷静さは、今はもう影も形もない。
側にいる丹治の事など、まるで眼中にないようだ。
その意味では、護は自分の思いを果たした事になるのだが。
「犬、呼ばわりするのは止めろ。それに俺が犬なら、その犬に鼻をへし折られたお前はなんだ?」
そう護に言われた鼻曲がり男の顎が、膨らんだように見えた。
歯ぎしりをしたのだろう。
その歯ぎしりの音が、護達に届きそうだった。
「まあまあ。藍沢警視殿が、丹治警部の飼い犬のように見えるというのが、この街のもっぱらの評判でね。それを兄貴が言ったまでですよ。しかし、私の見立てでは藍沢警視殿はまったく丹治警部に懐いていないようだから、飼い犬ではありませんな。・・狂犬だ。狂犬。」
感情に昂ぶった兄をサポートする積もりで口添えした金髪だったが、勿体ぶった丁寧な口ぶりが、何処までも卑しかった。
「・・そこまで挑発するんだ、覚悟はあるんだろうな。」
護が反応する前に、丹治が静かに応えた。
「ここは、我々の縄張りのド真ん中だ。そんな所に、のこのこ入り込んできたんだ。覚悟を決めるのは、丹治警部の方じゃないですかね?」
金髪のジェミニが更に挑発をする。
「丹治よ。お前が、街のボス連中の弱みを握っていて、それを楯にして自分を守ってることぐらい知ってるぜ。だが俺達には、そんな弱みはねえ。いくらお前だって、この場でおっちねば、それでおしまいだ。それに対して、俺達は丹治殺しの犯人を適当に自首させりゃ、それで済む。なんで、今までそうしなかったのか、俺には不思議でなんねぇ。」
銀髪の鼻曲がり男が激した調子で話を被せる。
「教えてやろう。それは私がこの街の法だからだ。法がなければ、街はすぐに滅びる。悪党共も含めてな。お前達、もう少し利口だと思ったがな。」
丹治は常に冷静だった。そして引くという事を決してしない。
「・・あんたらが、やりすぎるからだ。売人らがビビってしまって、もうなり手がない。あんたが、突然いなくなったら、確かに碇は、焼け野原になるだろう。そうなったら、いくら俺達でも、この街から旨味を吸い上げるのは難しい。それは判ってるさ。だが、それ以上に、あんたらはやりすぎてる。・・・誰か、スパイダーをここに呼んでこい!」
金髪のジェミニが、「スパイダー」の部分を大声で叫ぶと、彼らを取り巻いていた男達の内の一人が、クラブの方へ急いで駆け戻っていくのが見えた。
「取引しようじゃないか。」
「取引?」
「今からそっちの飼い犬警視さんと、ウチの切り札が勝負をする、そちらが勝ったら、ここから解放してやる。」
「負けたら?」
「帰れるのは丹治さん、あんただけだ。」
「・・ほう、私は帰れるのか?」
「多少、痛めつけさせてもらいますがね。」
「つまり丹治も狂犬も、ジェミニには歯が立たなかったって事になるわけだな。さぞかし、お前達の評判が上がることだろうよ。」
丹治が話にならないという顔をした。
「それもある、、それに今は、どちらかというと、あんたより、飼い犬警視殿の方が悪名が高いんでね。」
護はこのやり取りを黙って聞いていたが、そうしている内に、状況が少し変わった。
「さっき、切り札といったな、それはそいつの事か?」
護が、クラブから戻ってきた男が連れてきた人物を見て言った。
「・・確かに、ウチの人間兵器だ。」
「スパイダーマンのコスチュームを着た野郎がか、、?」
その人物は、体格的には護とほぼ互角、背は頭一つ高い。
痩せているのだ。
スパイダーマンのコスチュームには、所々、得たいの知れない赤黒い染みが付いている。
スパイダーは、ブーツのつま先をタンタンとステップしてリズムを取っていた。
「やるのか、やらねえのか、、迷う必要ねぇだろう。答えなんか決まってるんだろうが。俺達はこの場で、お前達を蜂の巣にする覚悟があっての、お遊びなんだぜ。」
護と丹治を取り囲んでいる男達は全員、武器を所持しているだろう。
蜂の巣にされる可能性が高かった。
鼻曲がりジェミニが焦れたように言う。
何が何でも護が地面に這い蹲る場面を見たいらしい。
「やろう。」
護は一言で応えると、上着を脱ぎ始めた。
ブロンコを納めたホルスターも外しにかかる。
「止めろ、奴らの挑発にのるな。奴ら、はなから我々の権威の失墜を狙ってるんだ。もしお前が勝っても我々は、、いや、お前は殺される。」
「悪いな丹治警部、形式上の事だが、指揮権限は俺の方が上だ。」
護が、上着とブロンコをまとめて丹治に手渡し、再びジェミニ達に向き直った。
スパイダーが、ジェミニ達から離れ、ずいと前に出る。
護の方は、特異点での相次ぐ命のやりとりで随分乱れてきてはいるが、久しぶりに、正式な空手の構えをとった。
本気で自分が追いかけてきた「空手」で、この勝負をやるつもりになっていたのだ。
そんな護から、渋々、やや後方に下がった丹治は、一見彼らの戦いを見守っているように見えたが、この男の頭の中では、次の一手を求めての激しい計算が始まっていた。
丹治の見立てでは、護の相手は、バイオブートアップされた人間だと踏んでいた。
バイオブートアップは、漏れ出した特異点テクノロジーから拝借し、成立した技術だ。
機構がいくら特異点の機密保全をしても、制御しきれない特異点の力は、予想も出来ない様相で、湊や碇に漏れ出す。
だから碇は、この様な犯罪都市になっているのだが。
動きがスムーズだった。
サイボーグ強化手術などを受けると、どこかにギクシャクした動作が出る。
そしてバイオブートアップは肌の色が変色する。
その色を、わざとひけらかす人間もいれば、隠す者もいる。
スパイダーマンのコスチュームは、それを隠すためのスーツだろう。
街でゴロをまいているサイボーグ強化手術を受けた人間達より遙かに手強い。
だが藍沢にも、常人とは思えぬ不思議な能力がある。
この戦いはわずかの差で、護が勝利するだろうと丹治は思った。
問題はその後だった。
この頃、ビターシュガーの売人は絶滅種に近い状態だった。
丹治と護が、強烈な売人狩りを実施し、更に丹治が裏から手をまわして旧マフィア勢力によるビターシュガーの売人狩りを促進させたからだ。
碇には、ジェミニの息のかかった売人は数えるほどしか残っていない状況だった。
その売人は異常に逃げ足が早かった。
そして、その日は二人にとって完全にツキがない日のようで、男を追走する最中に様々なアクシデントにぶつかった。
例えば、護の手が、逃げる男の襟首に届こうかというその寸前に、路地から急に子供が飛び出してきて、二人にぶつかりそうになったり、男を挟み撃ちにしようと追跡コースを迂回した丹治の目の前で車椅子に乗る老婆が転倒したりといった具合だ。
丹治が、この「ついていない日」の本当の意味に気が付いたのは、二人が袋小路になったビルの谷間の空き地に売人を追い込んだ時だった。
「警視殿っ、もういい!」
先を走る護に鋭い声を掛けて立ち止まらせた丹治は、自らの息を整え両脇の下に吊した拳銃の存在を意識し、自分の身体を銃の抜き撃ちに備えさせるようにした。
護が丹治の元に戻ってくる。
「どうしたんだ、年のせいで息が上がったのか?」
「・・・、私とした事が、填められてしまったようだ、、ここが何処か判るか?クラブ・アポカリプスの裏手だ。」
「アポカリプス、、あの最初の夜のクラブか、、って事は。」
「そうだ、私たちは奴らの縄張りに誘い込まれたということだ。まさかあの婆さんまで操ったとは思えないが、ジェミニ達の特異点能力はその手のものなのかも知れん。」
遠視・遠隔能力の類か?、、自分の知っている特異点能力者と比べると、それ程、強力なものではないと護は思った。
やはり半なりは、半なりだ、と護は思った。
「ふーん、いずれにしても天下の丹治警部を罠に填めるとは大した度胸だな。」
護の嫌みには取り合わず、丹治は周囲を見渡しながら、そっと呟くように言った。
「今日は意地を張らずに銃を使えよ。いつもとは違う。」
いつの間にか、空き地の外縁に多くの人影がある。
特に丹治達が駆け込んできた路地には、そこを塞ぐような形で数人の男達がいた。
護達の退路はもうない。
空き地を取り囲む壁のように見える隣接ビル群の内のドアの一つが開いた。
どうやらそれはアポカリプスの非常ドアらしい。
そこから出てきたのはジェミニ達だった。
「これは、これは、碇署のお二人さんじゃありませんか、珍しい所でお会いしますな、所轄内で迷子になられましたかな?」
ジェミニの内の一人が言った。
護が以前出会った時には、この双子の見分けは頭髪の色以外まったくなかったのだが、今は違う。
いやみたらしく喋った男の顔には、金髪とサングラス以外には何の特徴も無いが、もう一人の男の鼻は曲がっていた。
数週間前に、護が顔面に拳をたたき込んだからだ。
勿論、この時代である、ちゃんと処置をすれば鼻が曲がったままなどという事はあり得ない。
おそらく、この男は自分が味わった恥辱を忘れないために、その処置をあえて受けなかったのだろう。
その情念の源は、勿論、護に対する怒りだ。
「久しぶりだな、飼い犬!」
銀髪の鼻曲がり男は、以前と違ってまっすぐ護を見ていた。
以前、この男が常に見せていた冷静さは、今はもう影も形もない。
側にいる丹治の事など、まるで眼中にないようだ。
その意味では、護は自分の思いを果たした事になるのだが。
「犬、呼ばわりするのは止めろ。それに俺が犬なら、その犬に鼻をへし折られたお前はなんだ?」
そう護に言われた鼻曲がり男の顎が、膨らんだように見えた。
歯ぎしりをしたのだろう。
その歯ぎしりの音が、護達に届きそうだった。
「まあまあ。藍沢警視殿が、丹治警部の飼い犬のように見えるというのが、この街のもっぱらの評判でね。それを兄貴が言ったまでですよ。しかし、私の見立てでは藍沢警視殿はまったく丹治警部に懐いていないようだから、飼い犬ではありませんな。・・狂犬だ。狂犬。」
感情に昂ぶった兄をサポートする積もりで口添えした金髪だったが、勿体ぶった丁寧な口ぶりが、何処までも卑しかった。
「・・そこまで挑発するんだ、覚悟はあるんだろうな。」
護が反応する前に、丹治が静かに応えた。
「ここは、我々の縄張りのド真ん中だ。そんな所に、のこのこ入り込んできたんだ。覚悟を決めるのは、丹治警部の方じゃないですかね?」
金髪のジェミニが更に挑発をする。
「丹治よ。お前が、街のボス連中の弱みを握っていて、それを楯にして自分を守ってることぐらい知ってるぜ。だが俺達には、そんな弱みはねえ。いくらお前だって、この場でおっちねば、それでおしまいだ。それに対して、俺達は丹治殺しの犯人を適当に自首させりゃ、それで済む。なんで、今までそうしなかったのか、俺には不思議でなんねぇ。」
銀髪の鼻曲がり男が激した調子で話を被せる。
「教えてやろう。それは私がこの街の法だからだ。法がなければ、街はすぐに滅びる。悪党共も含めてな。お前達、もう少し利口だと思ったがな。」
丹治は常に冷静だった。そして引くという事を決してしない。
「・・あんたらが、やりすぎるからだ。売人らがビビってしまって、もうなり手がない。あんたが、突然いなくなったら、確かに碇は、焼け野原になるだろう。そうなったら、いくら俺達でも、この街から旨味を吸い上げるのは難しい。それは判ってるさ。だが、それ以上に、あんたらはやりすぎてる。・・・誰か、スパイダーをここに呼んでこい!」
金髪のジェミニが、「スパイダー」の部分を大声で叫ぶと、彼らを取り巻いていた男達の内の一人が、クラブの方へ急いで駆け戻っていくのが見えた。
「取引しようじゃないか。」
「取引?」
「今からそっちの飼い犬警視さんと、ウチの切り札が勝負をする、そちらが勝ったら、ここから解放してやる。」
「負けたら?」
「帰れるのは丹治さん、あんただけだ。」
「・・ほう、私は帰れるのか?」
「多少、痛めつけさせてもらいますがね。」
「つまり丹治も狂犬も、ジェミニには歯が立たなかったって事になるわけだな。さぞかし、お前達の評判が上がることだろうよ。」
丹治が話にならないという顔をした。
「それもある、、それに今は、どちらかというと、あんたより、飼い犬警視殿の方が悪名が高いんでね。」
護はこのやり取りを黙って聞いていたが、そうしている内に、状況が少し変わった。
「さっき、切り札といったな、それはそいつの事か?」
護が、クラブから戻ってきた男が連れてきた人物を見て言った。
「・・確かに、ウチの人間兵器だ。」
「スパイダーマンのコスチュームを着た野郎がか、、?」
その人物は、体格的には護とほぼ互角、背は頭一つ高い。
痩せているのだ。
スパイダーマンのコスチュームには、所々、得たいの知れない赤黒い染みが付いている。
スパイダーは、ブーツのつま先をタンタンとステップしてリズムを取っていた。
「やるのか、やらねえのか、、迷う必要ねぇだろう。答えなんか決まってるんだろうが。俺達はこの場で、お前達を蜂の巣にする覚悟があっての、お遊びなんだぜ。」
護と丹治を取り囲んでいる男達は全員、武器を所持しているだろう。
蜂の巣にされる可能性が高かった。
鼻曲がりジェミニが焦れたように言う。
何が何でも護が地面に這い蹲る場面を見たいらしい。
「やろう。」
護は一言で応えると、上着を脱ぎ始めた。
ブロンコを納めたホルスターも外しにかかる。
「止めろ、奴らの挑発にのるな。奴ら、はなから我々の権威の失墜を狙ってるんだ。もしお前が勝っても我々は、、いや、お前は殺される。」
「悪いな丹治警部、形式上の事だが、指揮権限は俺の方が上だ。」
護が、上着とブロンコをまとめて丹治に手渡し、再びジェミニ達に向き直った。
スパイダーが、ジェミニ達から離れ、ずいと前に出る。
護の方は、特異点での相次ぐ命のやりとりで随分乱れてきてはいるが、久しぶりに、正式な空手の構えをとった。
本気で自分が追いかけてきた「空手」で、この勝負をやるつもりになっていたのだ。
そんな護から、渋々、やや後方に下がった丹治は、一見彼らの戦いを見守っているように見えたが、この男の頭の中では、次の一手を求めての激しい計算が始まっていた。
丹治の見立てでは、護の相手は、バイオブートアップされた人間だと踏んでいた。
バイオブートアップは、漏れ出した特異点テクノロジーから拝借し、成立した技術だ。
機構がいくら特異点の機密保全をしても、制御しきれない特異点の力は、予想も出来ない様相で、湊や碇に漏れ出す。
だから碇は、この様な犯罪都市になっているのだが。
動きがスムーズだった。
サイボーグ強化手術などを受けると、どこかにギクシャクした動作が出る。
そしてバイオブートアップは肌の色が変色する。
その色を、わざとひけらかす人間もいれば、隠す者もいる。
スパイダーマンのコスチュームは、それを隠すためのスーツだろう。
街でゴロをまいているサイボーグ強化手術を受けた人間達より遙かに手強い。
だが藍沢にも、常人とは思えぬ不思議な能力がある。
この戦いはわずかの差で、護が勝利するだろうと丹治は思った。
問題はその後だった。
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