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第4章 我これに報いん
46: ジョンリーの密告
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大和が潜んでいる屋敷は大きかった。
通用門こそ、周囲の家屋の配置のせいで、こじんまりとして平均的な間口に見えたが、その内部は中規模な寺社仏閣程度の広さがあった。
回廊式を模したその和洋折衷の建物群は豪華だったが、取り留めがなく悪趣味とも見える。
「けっ!」
響児が屋敷に対して侮蔑の声を放った直後、薄闇にうずくまった巨獣のように見える母屋のあちこちで、火薬が発火した時のような、煌めきと点滅、そして様々な轟音が、続けざまに聞こえた。
まるで屋敷のあちこちで、幾つかのチーム同士が、同時に銃撃戦を繰り広げているように見えた。
実際は、カルロスがたった一人で、瞬間移動を繰り返しながら、攻撃を仕掛けているのだろう。
どうやらカルロスの獲物は機関銃のようだった。
やはり護から盗んだ大型拳銃一丁では勝負にならないらしい。
響児は、その弾幕の中に、飛び込んでいくことを一瞬、躊躇した。
玄関前で、待機している筈の警官隊達がいなかった。
香坂らは、既に突入を敢行したのだろう。
こうなった以上、自分一人の力では、香坂を守ることは出来ない。
むしろ遅れて参加すれば、その事でかえって足手まといになるかも知れなかった。
だが香坂の危機を前に、じっとしている事が響児には耐えられなかった。
「おやおや、刑事さん、遅刻じゃないのかね?」
走り出す前に、拳銃の点検をしようとした響児の背後から声がかかる。
ジョンリーが玄関前の植え込みの中に立っていた。
「邪魔をするな!」
シリンダーの中の装填された銃弾を確認し終えた響児は、銃の引き金にかけた指を離さないまま、銃口を真下の地面に向けた。
響児達が乗っていた車の前への出現の仕方といい、今回の出現の仕方といい、ジヨンリーは、「半なり」の可能性があった。
「あんた、いい目をしてる。みすみす、死にに行くのをほっとけなくてな。」
「けっ、お前、ホモか、お前なんかに用はない。」
「大和の居場所を教えてくれたら無駄死にする人間の数が減る。そう思わないか?お前達警官も、やくざ者の為に命を落としたくはないだろう?」
「そう思ってるさ、だがこれは職務だ。」
「職務ねぇ、、一体、誰の命令だ?」
「、、、、。」
響児はジョンリーを睨み付ける。
「丹治か?なぜあんな奴の命令を聞く。それでカルロスへの復讐を手助けしてるつもりか?」
勿論、形の上では、この命令はもっと上の階級から下されたものだが、実際は丹治の命令であることは、碇の警官なら誰もが知っている。
「警官の妻と娘が殺されたんだ。当たり前だろ。」
「ほうその事情を知っているのか?だが、カルロスは引き金を引いただけだ。その引き金を引かせたのは丹治だよ。」
「誰が自分の妻と娘を他人に殺させる!つまんねぇこと言ってんじゃねえ!」
もうこれ以上は時間の無駄だだと、響児が玄関に飛び込んでいこうとするその背中に、ジョンリーの言葉が再び浴びせかけられる。
「碇に、ビターシュガーを持ち込もうとしたのは、丹治だぞ!」
振り返った響児の手の中には、拳銃が握られており、その銃口はまっすぐジョンリーに向けられていた。
「いい加減に、うぜえ野郎だな!カルロスへの連絡がつくんだろ、、今すぐ俺を助けに来いって言うくらいは待ってやるぜ。俺にしてみりゃ、一石二鳥だ。」
「丹治は、製薬の会長にツテがあるんだ。もちろん製薬の目的はヤクじゃない、特異点テクノロジーだ。丹治の方もヤクの販売自体に、興味があったわけじゃない。新たに勃発する麻薬戦争を上手くコントロールして、碇に巣くう犯罪組織を一掃するつもりだったんだろう。だから丹治は、自分が総てをコントロール出来るように、碇での新麻薬の販売ルートやなにやらを、製薬と組んで、裏で全てお膳立てするつもりだったらしい。製薬も丹治も、次の段階に進む為の足がかりを、ビターシュガーに求めたってわけだ。しかし、そこに横やりが入った。製薬内の第二勢力と、俺達、修羅王ファミリーさ。上手く行ったさ、なんせ、お膳だては総て丹治の旦那がやってくれてたんだからな。俺達はそれを乗っ取るだけで良かった。情報は製薬内部から筒抜けだし、碇の事を隅から隅まで知っているのは丹治だけって、わけじゃないからな。」
そこまでの内容を、ジョンリーは一気に喋った。
頭もいい、胆力もある男だった。
「そんなのは、警部が蘭丸親子を見殺しにした理由になんねぇ。」
そう言いながらも、響児は別の事を考えていた。
碇に現れる特異点蜃気楼・犯罪者達だけに出回る流通構造がよく判らない特異点に向かう為のマップの存在・そして丹治の大それた計画、本当に丹治は碇から犯罪を一掃する為に、偽の麻薬戦争を仕掛けようとしたのだろうか?
丹治ほど、麻薬犯罪の根深さを知り尽くした男は居ない筈だ。
「だから最後まで聞けって。製薬の大本の狙いは、あくまで特異点テクノロジーだ。だがこの期に乗じて、食い込んできた製薬の第二勢力の思惑は別の所にあったんだよ。テクノロジーを理解しつつ、その利益に与るなんて、悠長な事をせずに、その果実だけを頂こうって考えだな。当然、製薬内でも争いが起こるわな。蘭丸ってのは、お上品な本流勢力の筆頭旗頭だったんだよ。自分らのやってる事で、妻と娘に危害が及んではいかんと、丹治は二人を実家に帰した。しかしそれが、大誤算だったってわけだ。製薬の第二勢力ってのは、素人さんのくせに、俺たち顔負けのあくどい連中だった。俺たちを使って、製薬内の主流派の連中に脅しをかけまくってた。一番、圧力をかけられたのが蘭丸さ。それに、これは俺たちも後で知った事だが、どうやら丹治にも、妻子を殺されたくなかったら、この一件から完全に手を引けとまで脅しを入れてたらしい。修羅王ファミリーも千載一遇のチャンスに沸き立ってた頃の話だから、その仕掛けに簡単に乗ったって話だ。まあ俺なら、丹治みたいな野郎に、火を付けるような阿呆な真似はしないがな。この俺が、後で修羅王ファミリーに送り込まれたのは、奴らのマネージメント上のそういう弱さや背景もあった。今はこっちの方が住みやすくなって来たけどな。」
「・・・警部は、その脅しに乗らなかったのか?」
「おいおい、、乗らなかったんじゃなくて、乗れなかったんだろうが。妻も子も裏の事情なんて何も知らない。単に、夫との不仲で別居したんだと思ってる。第一、事が公になって困るのは、丹治や製薬主流派の方だ。それに実家に戻しておいた方が、自分の側にいるより遙かに安全だと思っていた筈だからな。・・・お前、知ってるか?カルロスが、自分の知らない場所には飛べない事を。」
「今更。どういう意味だ?何が言いたい。」
「蘭丸親子の居場所や生活の行動パターンを詳しく知ってる人間からカルロスへ情報が流れたってことさ。製薬関係の人間、特に表面上は、主流派と思われている人間なら、そんなことは簡単に判る。それに奴らは、ファミリーには瞬間移動ができるヒットマンがいて、そいつに情報を流したら、あっと言う間に、人死が出るなんて思ってないはずだからな。チクッても大した事にはならい、脅し程度で済む、そう考えたのかも知れない。そこはやっぱり素人さんだったて事だ。そいつが脅かされて密告したのか、自らやったのか、単にお喋りだったのか分からないがな。とにかくさすがの丹治も、そん時は、そういう人間の朝墓さや、力を得たカルロスの存在まで、気が回っていなかったという事さ。」
ジヨンリーの言っている事は、総てガセの可能性もあった。
もし修羅王ファミリーとやらが本当に存在したとして、彼らが碇の暗黒街を総て制覇した後に、彼らの前に立ちはだかるのは丹治しか残っていないからだ。
その闘いを有利に展開するために、響児を利用するという腹なのかも知れなかった。
「、、、なんで、そんな事を俺にばらす。」
「あんたが丹治嫌いだって事は、碇じゃ有名だ。この情報、好きに使っていいぜ。他の奴らに、ばらすつもりはない。せいぜい、有効利用する事だ。まあ出来れば、見返りに大和の居場所を、今すぐ教えてくれれば有り難いがね。」
「お断りだ。」
響児は拳銃の引き金に力を込めた。
通用門こそ、周囲の家屋の配置のせいで、こじんまりとして平均的な間口に見えたが、その内部は中規模な寺社仏閣程度の広さがあった。
回廊式を模したその和洋折衷の建物群は豪華だったが、取り留めがなく悪趣味とも見える。
「けっ!」
響児が屋敷に対して侮蔑の声を放った直後、薄闇にうずくまった巨獣のように見える母屋のあちこちで、火薬が発火した時のような、煌めきと点滅、そして様々な轟音が、続けざまに聞こえた。
まるで屋敷のあちこちで、幾つかのチーム同士が、同時に銃撃戦を繰り広げているように見えた。
実際は、カルロスがたった一人で、瞬間移動を繰り返しながら、攻撃を仕掛けているのだろう。
どうやらカルロスの獲物は機関銃のようだった。
やはり護から盗んだ大型拳銃一丁では勝負にならないらしい。
響児は、その弾幕の中に、飛び込んでいくことを一瞬、躊躇した。
玄関前で、待機している筈の警官隊達がいなかった。
香坂らは、既に突入を敢行したのだろう。
こうなった以上、自分一人の力では、香坂を守ることは出来ない。
むしろ遅れて参加すれば、その事でかえって足手まといになるかも知れなかった。
だが香坂の危機を前に、じっとしている事が響児には耐えられなかった。
「おやおや、刑事さん、遅刻じゃないのかね?」
走り出す前に、拳銃の点検をしようとした響児の背後から声がかかる。
ジョンリーが玄関前の植え込みの中に立っていた。
「邪魔をするな!」
シリンダーの中の装填された銃弾を確認し終えた響児は、銃の引き金にかけた指を離さないまま、銃口を真下の地面に向けた。
響児達が乗っていた車の前への出現の仕方といい、今回の出現の仕方といい、ジヨンリーは、「半なり」の可能性があった。
「あんた、いい目をしてる。みすみす、死にに行くのをほっとけなくてな。」
「けっ、お前、ホモか、お前なんかに用はない。」
「大和の居場所を教えてくれたら無駄死にする人間の数が減る。そう思わないか?お前達警官も、やくざ者の為に命を落としたくはないだろう?」
「そう思ってるさ、だがこれは職務だ。」
「職務ねぇ、、一体、誰の命令だ?」
「、、、、。」
響児はジョンリーを睨み付ける。
「丹治か?なぜあんな奴の命令を聞く。それでカルロスへの復讐を手助けしてるつもりか?」
勿論、形の上では、この命令はもっと上の階級から下されたものだが、実際は丹治の命令であることは、碇の警官なら誰もが知っている。
「警官の妻と娘が殺されたんだ。当たり前だろ。」
「ほうその事情を知っているのか?だが、カルロスは引き金を引いただけだ。その引き金を引かせたのは丹治だよ。」
「誰が自分の妻と娘を他人に殺させる!つまんねぇこと言ってんじゃねえ!」
もうこれ以上は時間の無駄だだと、響児が玄関に飛び込んでいこうとするその背中に、ジョンリーの言葉が再び浴びせかけられる。
「碇に、ビターシュガーを持ち込もうとしたのは、丹治だぞ!」
振り返った響児の手の中には、拳銃が握られており、その銃口はまっすぐジョンリーに向けられていた。
「いい加減に、うぜえ野郎だな!カルロスへの連絡がつくんだろ、、今すぐ俺を助けに来いって言うくらいは待ってやるぜ。俺にしてみりゃ、一石二鳥だ。」
「丹治は、製薬の会長にツテがあるんだ。もちろん製薬の目的はヤクじゃない、特異点テクノロジーだ。丹治の方もヤクの販売自体に、興味があったわけじゃない。新たに勃発する麻薬戦争を上手くコントロールして、碇に巣くう犯罪組織を一掃するつもりだったんだろう。だから丹治は、自分が総てをコントロール出来るように、碇での新麻薬の販売ルートやなにやらを、製薬と組んで、裏で全てお膳立てするつもりだったらしい。製薬も丹治も、次の段階に進む為の足がかりを、ビターシュガーに求めたってわけだ。しかし、そこに横やりが入った。製薬内の第二勢力と、俺達、修羅王ファミリーさ。上手く行ったさ、なんせ、お膳だては総て丹治の旦那がやってくれてたんだからな。俺達はそれを乗っ取るだけで良かった。情報は製薬内部から筒抜けだし、碇の事を隅から隅まで知っているのは丹治だけって、わけじゃないからな。」
そこまでの内容を、ジョンリーは一気に喋った。
頭もいい、胆力もある男だった。
「そんなのは、警部が蘭丸親子を見殺しにした理由になんねぇ。」
そう言いながらも、響児は別の事を考えていた。
碇に現れる特異点蜃気楼・犯罪者達だけに出回る流通構造がよく判らない特異点に向かう為のマップの存在・そして丹治の大それた計画、本当に丹治は碇から犯罪を一掃する為に、偽の麻薬戦争を仕掛けようとしたのだろうか?
丹治ほど、麻薬犯罪の根深さを知り尽くした男は居ない筈だ。
「だから最後まで聞けって。製薬の大本の狙いは、あくまで特異点テクノロジーだ。だがこの期に乗じて、食い込んできた製薬の第二勢力の思惑は別の所にあったんだよ。テクノロジーを理解しつつ、その利益に与るなんて、悠長な事をせずに、その果実だけを頂こうって考えだな。当然、製薬内でも争いが起こるわな。蘭丸ってのは、お上品な本流勢力の筆頭旗頭だったんだよ。自分らのやってる事で、妻と娘に危害が及んではいかんと、丹治は二人を実家に帰した。しかしそれが、大誤算だったってわけだ。製薬の第二勢力ってのは、素人さんのくせに、俺たち顔負けのあくどい連中だった。俺たちを使って、製薬内の主流派の連中に脅しをかけまくってた。一番、圧力をかけられたのが蘭丸さ。それに、これは俺たちも後で知った事だが、どうやら丹治にも、妻子を殺されたくなかったら、この一件から完全に手を引けとまで脅しを入れてたらしい。修羅王ファミリーも千載一遇のチャンスに沸き立ってた頃の話だから、その仕掛けに簡単に乗ったって話だ。まあ俺なら、丹治みたいな野郎に、火を付けるような阿呆な真似はしないがな。この俺が、後で修羅王ファミリーに送り込まれたのは、奴らのマネージメント上のそういう弱さや背景もあった。今はこっちの方が住みやすくなって来たけどな。」
「・・・警部は、その脅しに乗らなかったのか?」
「おいおい、、乗らなかったんじゃなくて、乗れなかったんだろうが。妻も子も裏の事情なんて何も知らない。単に、夫との不仲で別居したんだと思ってる。第一、事が公になって困るのは、丹治や製薬主流派の方だ。それに実家に戻しておいた方が、自分の側にいるより遙かに安全だと思っていた筈だからな。・・・お前、知ってるか?カルロスが、自分の知らない場所には飛べない事を。」
「今更。どういう意味だ?何が言いたい。」
「蘭丸親子の居場所や生活の行動パターンを詳しく知ってる人間からカルロスへ情報が流れたってことさ。製薬関係の人間、特に表面上は、主流派と思われている人間なら、そんなことは簡単に判る。それに奴らは、ファミリーには瞬間移動ができるヒットマンがいて、そいつに情報を流したら、あっと言う間に、人死が出るなんて思ってないはずだからな。チクッても大した事にはならい、脅し程度で済む、そう考えたのかも知れない。そこはやっぱり素人さんだったて事だ。そいつが脅かされて密告したのか、自らやったのか、単にお喋りだったのか分からないがな。とにかくさすがの丹治も、そん時は、そういう人間の朝墓さや、力を得たカルロスの存在まで、気が回っていなかったという事さ。」
ジヨンリーの言っている事は、総てガセの可能性もあった。
もし修羅王ファミリーとやらが本当に存在したとして、彼らが碇の暗黒街を総て制覇した後に、彼らの前に立ちはだかるのは丹治しか残っていないからだ。
その闘いを有利に展開するために、響児を利用するという腹なのかも知れなかった。
「、、、なんで、そんな事を俺にばらす。」
「あんたが丹治嫌いだって事は、碇じゃ有名だ。この情報、好きに使っていいぜ。他の奴らに、ばらすつもりはない。せいぜい、有効利用する事だ。まあ出来れば、見返りに大和の居場所を、今すぐ教えてくれれば有り難いがね。」
「お断りだ。」
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