ゴックン、その口で食べるの? /Osaka発ドラァグドライブ、掛け違いの旅

Ann Noraaile

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【 旅とこなもん 】

02: カキオコ巡礼 その二 「私待つわ」

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 その日の夜は、珍しくも日生ひなせでお泊まりでした。
 日生は関西方面から小豆島へ最短コースで渡ることの出来るフェリーがあって、しかもこのフェリー、「おーい船が出るゾー」の渡し船とか、昭和初期の映画に登場しそうな村の人情バスみたいな雰囲気を未だに保持しててアンは、この小さな港も大好きです。
 都会では、数分の電車の遅れでも「ちっ、又、人身事故かよ、、遅刻しちゃうじゃん」の世界ですからね、、。

 で日生では、さわらを楽しみに、海辺の宿にしたのですが、夜遅く到着したのでオーダーが効かず、普通の会席料理ぽいメニューでした。
 てな事で鰆はおあずけ、でも瀬戸内って事でシャコが美味しかったです。
 シャコって形がちょっと不気味で抵抗がなくはないんですが、、。
 じっと姿形に眺め入って食べるものでもありませんが、海老の形と比べると、なんだかなぁ、、です。

 そう言えば映画のプレデターって、レゲェ叔父さんみたいに見える時もあるし、妖怪・蟹坊主みたく思える時もあるし、「世界の黒沢」が撮る野武士みたいにもみえるなぁ・・・などと、美味しいシャコをいただきながら考えていました(笑)。

 そして日生と言えば、やはりカキオコです。
 せっかく日生に宿泊してるんだから、いつも行きそびれている、カキオコ超有名店の「お好み焼きタマちゃん」に朝一で、開店時間待ち覚悟で突入しちゃえって事になりました。
 お店の立地も、カキオコ店が群生してる赤穂線の日生駅から一つ離れた寒河駅の方だし、これで入店出来なきゃ嘘でしょ!って感じだったんですが、「タマちゃん」は、すでにその時点で待ち客で満杯でした。


 この状況に軽ーいショックを受けつつ、イラッとしながら、これからどうしよう?一度、カキオコに向けられた情熱は中々冷めやらず、「なら日生に行こう、時間まだ早いし、」という事で、満車で窮屈だったタマちゃんの駐車場を後に、日生に向かいました。

 勝手知ったる日生のカキオコ事情、、食べるだけなら前に行った「カキオコほり」にしょうよって事になり、行けばそこでまた、待ち客の行列が、、。
 なんでやねん!一体、今、何時なの?場合によっちゃ、自慢じゃないけど、アンなんてまだ寝てる時だってあるんだから!って叉、イラッ。
 で数軒隣のお好み焼き屋さんを見たら、ガラガラじゃないですか。
 まよわず、そっちに行きましたよ。


 文章の流れ上、そのお店の名前は伏せておきますが、そのお店、カキの投入量は半端なく凄いですよ。
 日生に店を構えているからって、カキをタダで分けて貰える筈もなく、これだけの量を入れて、この値段で売ってちゃ、そんなに利益は出ないだろうと、普段、信じられない料金でアルコールを提供してる側の人間としては妙に感心してしまいました。

 更に、お店の中には、来店客の感想書き込みの短冊がずらり、正直言って、そこまで「ヨイショしなくていいんじゃない」という内容のもありましたが、それも旅情のなせる結果だし、実際、味だって普通に日生カキオコレベルでしたよ。

 大体、考えたら判ると思うんですが、小麦粉を溶いた生地に食材を混ぜて熱を加え、上からソースを掛けるだけの手順の食べ物の味に「技術」が及ぼす幅って、そんなにないでしょ?
 お寿司のような繊細な食べ物じゃないんだから。
 だからB級グルメ・大衆の味って言うんだから。
 多少の、上手いまずいの差はあっても、その差は目を見開くようなものじゃない筈。
 少なくとも、朝早くから小一時間を掛けてまで待つ程の差はない(笑)。
 そこのところをね。「もうちょっと冷静に考えましょうよ、日本人」と、アンは言いたい(笑)。

 そりゃ確かに、遠路はるばる日生にやって来たら、マスコミとかの情報で、一番人気のカキオコのお店に行きたいのは判る。
 誰かに「あそこに行ってきたの!」とか他人に言いたいだろうし、有名なら味に間違いはないだろうって目安感も判る。
 でもね、それにも限度ってものがあるでしょw。
 それに今の世の中、昔と違って「有名=美味しい」っていう方程式は、鉄板じゃないですよ。
 ちょっと流行って、直ぐに廃ってしまう食べ物ブームって、過去にどんなけーーー?
 大体が「有名になれば、儲かる」式なんだから。
 アンは「美味ければ必ず流行る」って思いながら頑張り続けたのに、潰れたお店を一杯知ってるよw。



 つい最近の連休の日に軽くドライブしてたら、峠越えの下りきった道という普段込まない道が大渋滞してました。
 なんでなのー?って考えたら、その先に、ちょっとオシャレなレストランとかパン屋さんが併設されてる温泉宿泊施設があるんですよね。
 (パティシエ辻口博啓氏のスイーツを通した地域振興と書けば、ピンと来られる方もおられるかも)

 そこは確かに有名なんだけど、だからと言って普段の土日で、この道がこんなに混んでるのは見たことがない。
 そこに向かっての大渋滞。
 判る、判るよ、せっかくの連休だもんね。
 何時間掛けても、そこがそれだけの労力に見合わなくても、いくっきゃないもんねー。
 でもさー、、それってホントどうなの?って、思っちゃうんですよ、最近。
 その時間で、自分も周りの人間も心が豊かになる何か別の事が出来たんじゃないかって(笑)。



 
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