ゴックン、その口で食べるの? /Osaka発ドラァグドライブ、掛け違いの旅

Ann Noraaile

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【 旅と温泉グルメ しゃぶれどもしゃぶれども(番外編) 】

07: 記憶を巡る旅 神戸でパンを食べる①

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 「死んだ子の年を数える」という哀しい言い回しがありますが、こういう紀行文を書いていると、旅先の大好きだったお店が潰れたり、逆に、久しぶりに再訪した際まだお店を続けられている姿を見て、頑張ってはるなーと素直に嬉しく感じたり、、、そういう事が胸に残るものです。
 特に最近は、お店がなくなるスピードが、加速されているような気がするのですが、これ気のせいであって欲しいなと思っています。

 という事で、今回は既になくなったパン屋さんのお店の特集です。
 なぜパンなのかという事なんですが、多分、それぞれのお店が頑張っておられた頃の華やかさが、強く印象に残っているからでしょうね。
 パン作りに掛けた意気込みや、その技術にも自負があっただろうし、お店の名前なんかも、パン屋さんのはオシャレで、ただだだ前向きさを感じるものが多くて、、その分、それが失われた時のはかなさが増すのですが、、。

 ・・・・・・・・・・・・・

 神戸は食事も美味しい。
 勿論、南京街に代表される中華もだけど、イタリア・フランス・地中海・インド・台湾・ベトナム料理と、一揃いある。
 一時期は「点心」に填っていたけれど、今は何故かパン。

 これはアンだけの味覚現象なのかも知れないけれど、パンの味ほど、シチュエーションに左右されるものはないと思う。
 勿論、焼きたてっていうものも大きいんだけれど、例え冷えていても同じお店で買っているのに、自宅で食べた場合とお店で食べるモノとでは美味しさが違う。
 パンに添えて出されるバターとか、水とかの差も有るのだろうけれど、器や室内の光・色の差がかなり味覚に影響しているのだと思う。
 他の料理が「味」が単独で立てるのに対して、パンの場合は、味が米に似て「脇」にまわる分、視覚的な影響力が大きいのかも知れない。

 神戸のパンは、有名なお店のものであれば、どれもみんな甲乙付けがたいレベルにある。
 どの店で買っても、どの店で食べても美味しい。
 この前は、igrek三宮店に行ったけれど、このクラスになると、美味しいのが当たり前になってきて、味にはさしたる感激もないぐらいだ。
 美味しいのが当たり前過ぎて、周囲の子達のファッションチェックをしたり、半袖から見える二の腕の太さを比較してみたりの間に、知らない間にテーブルの上のパンがなくなっていて、お代わりをしているような状況になる(笑)。

 igrekのロゴというか、看板はかなり好き。
 時々、その中身が、洒落た喫茶店なのか美容院なのかブテッィクなのか見た目では判断できないような店舗があるけれど、ああいうティストを感じる。
 igrekの場合は、店自体もそんな感じで、ガラス壁面にフランスパンが並んでいるのが見えないと一瞬どういうお店なのか見当を失ってしまうような所がある。

PS みんなはパンをテーブル汚さずに上手く食べる事が出来る?アンの場合は気がつくとテーブルの上が細かなパンくずだらけなんだけど、、(アレってマナー違反じゃないらしいね。と言う事は。やっぱりパンくずは出てあたり前なのかな、、。)


 ・・・というのが当時の感想。
 このイグレック・プリュスが店舗を閉鎖しました。
 競争激化や景気低迷を背景に、資金繰りの悪化の果てだといいます。
 競争激化といっても、おそらくそれは「味の競争」などという単純なものではないのでしょう。

 価格破壊にからんだ牛丼戦争などを思い浮かべると判るけれど、単純に言えば、生き残り戦略を見誤ればそれでアウト、つまり世相をどれだけ読み込んで、自分自身を変えていくかって事なんでしょうけど、「美味しいパン」にそれを求められても、それは果てしなく難しい作業なのかなーと思います。

 だって売っているのが、人々が普通に口にして当たり前のパンなんですよ。
 そんなに激しい資本主義経済の洗礼を受けなきゃいけないものなのかしら?
 顧客をがっちり掴んで、時代がどう変わろうが、それを離さない。
 なんて口で言うのは簡単だけど、その事自体が、何故か凄く難しい時代になって来てると思うんです。

 小さい頃、町には結構パン屋さんがあちこちにあって、そのお店からパンを焼く良い匂いが漂って来て、それを嗅ぐだけで、良い気持ちになったものだけど、、。




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