転生皇子の新生活

𝐍 𝐢 𝐚🐾

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本編 学園中等部編

55 sideリヴァイ 後半

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 剣術大会予選日の4の月28の日。

 ルーカスとリヴァイは、朝の支度をしている。そして動きやすい服に着替える。


「ねえリヴ、髪の毛を結って欲しいな。1つ結びに」


「1つ結びですね」


「うん。出来るかな?」


「はい。大丈夫です」


 リヴァイは微笑んで返事をした。


 あ、また笑った。


 ルーカスは鏡の前に座り、リヴァイが髪をとかして一つにまとめていく。


「朝からありがとう……リヴ?」


 ルーカスが話しかけていると、リヴァイの手が止まっている事に気付き呼びかけた。しかし、リヴァイは反応がない。


 どうしたんだろう?


 不思議に思いルーカスがもう一度呼びかけようとした時、不意にリヴァイがルーカスの首筋を指でなぞった。
 ルーカスは擽ったさで肩を上げて身をよじる。


「ふふ、くすぐったいよ」


「はっ、申し訳ございません……!」


「いいよ、急で驚いただけだから」




 リヴァイはルーカスの髪を結っていると、この髪型にしたら、いつもは隠れているルーカスのうなじがさらけ出される事に気付いた。

 ルーカスの細長く、真っ白なうなじが皆に見られる。そう思うと、リヴァイはその白いうなじに、自分の赤い所有印を付けたくなった。


(この白に、赤は凄く映えるだろうな)


 そう考えている内にリヴァイの手は、ルーカスのうなじに伸び、触れてしまっていた。


「本当に申し訳ございません。結いますね。リボンを頂けますか?」


「大丈夫だよ。はい、これ」


 ルーカスは、ブルーイッシュグリーンの布地に金糸で鷹と葵の描かれたリボンをリヴァイに渡した。


「本日はこちらのリボンなんですね」


「うん。祭事の時は必ず鷹と葵の描かれたこちらにしなさいと、父様に言われたんだ」


 鷹と葵は皇家の紋章の為、アーサーはそういったのだろう。
 リボンを受け取ると、リヴァイは手際よく結っていく。


「出来ました」


「ありがとう。ねえ、綺麗になったかい?」


 ルーカスはいつもの調子でそう尋ねた。


「……はい。私のおかげで殿下はとても綺麗で美しくなられました」


「え……あ、そうだよ。君のおかげで、綺麗になったよ。ありがとう……」


 しかし、リヴァイはいつもと違い、ルーカスに言われる前に自分のおかげだと言った。ルーカスは一瞬こんがらがったが、直ぐに理解すると、たちまち顔が赤く染まった。
 その表情を見て、リヴァイは少し満足気な顔をした。


 まさかリヴが自分から言うとは思わなかった。いつもみたいに綺麗と言われただけなのに、凄く恥ずかしい……。




(やはり、殿下の真っ白な肌には赤がよく映える。その頬を赤く染めた顔も、この真っ白なうなじも、見るのも触れるのも、私だけが良い)


 ルーカスはリヴァイが自分に対し、これ程の独占欲を抱いているとは露ほども思っていなかった。


 その後しばらくすると、アレイルとキャサリンが迎えに来て、皆は剣術大会の会場へと向かった。








◇ ◇ ◇


 時は少し遡り、テストの日の少し前。リヴァイとルーカスは寮の部屋で話をしていた。


「ねえリヴ。最近何か良い事でもあったかい?」


「何故でしょうか?」


「リヴの笑顔が増えたから。最近よく微笑んでくれるから何か良い事でもあったのかなと思って」


 気付いておられたのか。効果があるのか分からないが、良い印象を持って貰えたのは良かったな。


「特に良い事があったという訳ではありませんが、皆に顔が怖いと言われ、殿下に怖がられないよう、微笑む様に意識しているのです」


「僕の為に? ふふ、やはり君は僕の事を特別扱いしてくれるね」


 それは、殿下が私にとって特別なお方だからです。なんて、こんな事言えないが。


「けれど、僕は君を怖いと思った事なんて1度もないからね? だってリヴは凄くかっこいいから。けれど、微笑んでいる君は何だかホワホワして可愛いよ」


 ルーカスが嬉しそうにそう言った。


 可愛い、か。


「可愛いというのは、殿下の様な方にふさわしい言葉です。私には似合いませんよ」


 リヴァイはほんの少しだけ怒ったようにそう言った。


「え、どうして? 今だって、可愛いと言われて少し怒ったよね。それも凄く可愛いよ」


 ルーカスは本当に可愛らしいと言うような表情でそう言った。


「殿下こそ、夜はクマのぬいぐるみを抱いて寝て、朝起きて機嫌が直ると、急に甘えたになるところがとても可愛いです。なので殿下の方が可愛いと思います。私ではな、く……」


 リヴァイは勢い良く、今までの具体的な例を上げてルーカスの事を可愛いと言った。
 すると、ルーカスの頬が赤く染まり、恥ずかしがった。


「……殿下は最近良く、顔を赤らめますね。今までは、殿下が恥ずかしがっておられる所なんて1度も見たことがございませんでした」


 その頬を染めた可愛らしいお顔を、他の者達にも見せたのですか?


「ごめんね。何か怒らせてしまったかい?」


「っ、いえ。顔を染めた殿下もとても可愛いらしいですよ」


「勝手に赤くなってしまうんだ。そして何故か凄く恥ずかしいんだよね。だから可愛いって言わないで?」


 ルーカスが首を傾けてお願いした。


「善処します」


「約束してよ」





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