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しおりを挟む自分の夢の話を聞いたレイノルドが、宰相をしてる父に相談し、領地に戻ったとは、自分は知らなかった。
なので、レイノルドも、自分の話が気持ち悪く思ったんだと理解し、意気消沈した。
レイノルドが来なくなって、シンディからは散々な言われようだったけど、5歳なので、誰かに吹き込まれたんだと思う。
だけど、両親からは何も言われないと思ったら、自分とレイノルドとの婚約が成ったと言われた。
侯爵家が頷いたそうだけど、婚約者はリリアンヌだと書き込まれてた様だった。
父は首を傾げてたけど、満足はしてる様で、「迷惑は掛けるなよ」とだけ言われた。
母はまあ、「良かったわ」と言って微笑んでた。
シンディの言葉が、母からの言葉ではない事を祈るしかない。
その後、レイノルドの顔は見てないけど、「夢を見てないかい?」と手紙は度々届いた。
手紙に添え、ちょっとした物を贈って来られ、それだけでも、心が和んだ。
と言うのも、継嗣予定のレイノルドって事になってるので、侯爵夫人になるのだからと、マナー教育がされる様になったの。
まあ、淑女としての嗜みの刺繍と楽器の練習は楽しみの1つになったので良いけど。
それまでは、屋敷内にある図書室に籠って、本を読む事だけだったから。
シンディは、自分に張り合おうとして、始めたけど、ダンス以外は逃げ出してた。
レイノルドが、婚約者をリリアンヌにと言った時から、ゴラスティーニ侯爵家では、婚約者は自分だった。
自分の悪夢が予知夢だと気付いたのは、生家ではなく、侯爵家だった。
「中々、会いに来れなくてごめんね。リリの悪夢を消すのに領地に戻ってた」
そう言われ、目を丸くしてた。
だって、今まで、自分の話を聞いて信じてくれ、動いてくれる者なんて、初めてだった。
嬉しくて、涙が溢れれば、肩を抱き寄せ、頭を撫でてくれた。
「怖い夢を見たら、他の人には言わず、僕に教えて。リリを守るから」
彼の言葉から、優しい気持ちが伝わって来て嬉しかった。
おデブであろうと。
シンディに、ふわふわデブが、ボンレスハムになったんだと言われたとしても。
その後、我がソビジェーブ家が、主に迷惑をかけてた様に思う。
だって、ある夜の夢は……
行った事ないので、多分、王宮の広間かな?
とても大きく豪勢で華美な場所で、
「リリアンヌ・ソビジェーブ、お前との婚約を破棄する!」と宣言されていた。
その傍らに、妹のシンディが居て、婚約者にはシンディを選ぶと言っていて……
婚約者はレイノルドだって言うのになんで?
夢を見てる時も困惑してたけど、起きても困惑してた。
一応、破棄を叫んでた方が、この国の第2王子殿下だとは、引きこもりでも知ってただけに。
この話を、レイノルドに直ぐに話せば……
巨体を揺らして、大爆笑してた。
それまで、レイノルドが言うには、自分の夢は百発百中だったらしいけど……
「さすがに、その夢だけは有り得ないだろ」
そう言って、笑ってたのよ。
いくら、第2王子のマクシミリアン殿下が、レイノルドと同じ歳だけに、分からなくはなかった。
といっても、第2王子の側近に、高位貴族の1人であるレイノルドが、側仕えに上がらなかったのは異例なんだって。
何でも、レイノルドのデブさ加減が気に入らなかったって話だけど……
社交界が、高位貴族ゆえ口にしないけど、影で失笑してるのは知ってる。
自身の体型の維持や綺麗に整えるのは、貴族としては必然の常識だとされているから。
なので、「リリが嫌なら痩せるよ」とは言われてるけど……
「レイが痩せたら、ご令嬢方が殺到するよ」
困った様に言えば、嬉しそうに笑ってた。
それに、美味しそうに食べるレイノルドが好きで、差し入れにお菓子を作るのも楽しみになってたから。
ただ、いつもシンディと比べられ、貶められてたから、気付かなかったんだ。
懸想されてる事に。
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