ヒロインだと言われたって知るか!

ふにゃー

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乳児を脱し幼児

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  生まれ変わったあの日から、早くも3年

  お世話にならざるを得ない苦難の乳児期を、早く脱する為に頑張った。

  発声練習とぷよぷよの体に筋肉を付ける為、頑張ったんだけど……

  何度か踏んじ張ってると間違われ、夜にする事に。

  だけど、起きてる間、常に頑張ってるので、愚図る事もなく、即寝でグッスリおねんねだった。

  あ、そうそう、生まれ変わって直ぐは、耳は聞こえど目は見えないので、周囲の状況はさっぱり分からなかった。

  ちなみに、ステータスはチェックした。

  生まれ変わって直ぐじゃないけど、母が生活魔法を使ってるのを見て、試した。

  だって、ラノベじゃないけど、試してみるでしょ!

  んだけど……現れなかったんだ。

  ショックだったけど、ラノベでもステータスはハイテク印象だったし……

  それでも、家の状況から平民の母が生活魔法と言え、魔法を使ってるくらいだから、少なからず魔法が生活に根付いてる。

  という事で、ラノベであった魔力があるか丹田を意識し、魔力があるのを確認した後、魔力循環練習をしてた。

  ただ、それで魔力が増えたのかは、ステータスが出ないから分からない。

  それで、先日、ようやっと家の外に、1人で出させてもらった。

  ちなみに、家は隙間風が入る貸し家で、天井裏が寝室の平屋の長屋の1つ。

  外に出て、長屋の端にある井戸に、水を汲みに行くのは、生活魔法が使えない者がする事。

  母は使えるので、竃に火を付けるのも、掃除も魔法なの。

  1人で外に出て、周囲の子供達と接する事で、母が平民といえ違う事に気付いた。

  長屋に居る爺さんの話から、誰もが魔力を持ってる事は分かったんだけど……

  それならば、母は何処で習った?って話になる。

  というのも、平民に魔法を教える様な処はないそうで……というか、文字を教える場所もないらしい。

  だけど、とても綺麗な顔立ちで、大人しい母が貴族だとは思わない。

  だって、貴族の子供であれば、ここまで綺麗なら放逐せず、何処かに嫁入りさせるだろうから。

  となれば、母が1人で自分を育ててる事から推測出来るのは……

   母は貴族家の使用人だった。で、お手付きになったって事だろう。

  そして、子供を産んで屋敷を出てるって事は、妻の方が力が強いって事だ。

  まあ、自分が男の子であれば話は違ったんだろうけど。

  家に鏡はないけど、母の金髪に青い瞳と違う自分の色は、相手の色が入ってるんだろう。

  ラノベから、嫌な予感しかしないピンクゴールドの髪に、春色の明るい翠色の瞳なんだ。

  貴族の庶子で市井に住み、引き取られ、学園に……というシチュエーションを思い出し、震えが来た。

  確かに、勉強はしたいと思うけど、貴族になるのは嫌だ。

  色んなしがらみが増え、身動きが取れなくなり、自由が無くなる!

  貴族のしきたりなんて、はた面倒臭い。

  それに、貴族家を出る際に貰ったという手切れ金だけじゃ、生きていけない。

  となれば、長屋の年上が話してる5歳になれば出来るギルドの依頼を受ける!

  そう、ラノベ定番のギルドがあるの!

  で、何故、5歳なのかは……

  貴賎を問わず教会で行われる「判定式」が行われるんだってー。

  それまでは、暴発しない様にストッパーが掛けられてるらしい。

  どれだけ毎夜頑張ったと思ってるんだー!と思ったけど、確かに、生まれ変わって直ぐに教会に行ったわ、行った。

  中世ヨーロッパ風で教会だったから、アレは洗礼だったんだと理解してたんだ。

  だって、地球におけるヨーロッパというか、キリスト教圏では、子供の成長を願い、悪魔や病魔から守る為の物だから、早めにっていう話だったから。

  で、たぶん、この世界において、子供は亡くなりやすいから、5歳が目安なんだろう。

  そこで、国民番号じゃないけど、総数を数え、人頭税が発生すると……

  そう、色んな意味がある5歳なんだ。

  となれば、ギルドに登録して依頼を受け働かなきゃ!

  今は出来ないから、母のお手伝いをしてる。

  糸巻き機や道具は高いから、自分が糸巻き機になってる。

  で、母は今後の事を考えてか、自分に端糸を使い、刺繍やレース編みを教えてくれる。

  んだけど、出来たら、読み書きを教えて欲しい。

  だって、前世の趣味の1つだから、出来るもん。

  でも、どうやらラノベじゃなくても、中世ヨーロッパの様に、平民の識字率は低い様だ。

  まあ、紙が羊皮紙となれば、本はべらぼうに高いもんね。

  それでも、前世の記憶があるだけに、暗算を始め計算は早いよ。

  先日は、母と行った市場でぼったくろうとした奴をけちょんけちょんにした。

  豆と板切れを使って、ソロバンモドキを作ったんだ、溝を掘って。

  だって、糸もだし、穴を開ける針も高いんでね。

  しかし、この世界でも十進法で良かったよ。



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