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第1章 冒険者になって、自由に生きるんだ!
魔力判定式後
しおりを挟む悪役令嬢が、どう思って、どう暮らしてるのか知らないけど……
判定式での手抜き判定により、自由を手に入れました!
同年代に、攻略対象だと思われる王子様やら、側近の宰相の息子やらが居る上、子爵家に女の子が居ないので、引っ張られるかと思ったのに、魔力量が少ないって事で、見放した模様!
やったー!
そして、5歳の魔力判定式が終わったって事で、冒険者ギルドに登録出来るの!
と言っても、受けられる依頼の範囲は王都内で、最底辺のHランクの冒険者見習い。
8歳になるまで昇格は出来ません。
何故、登録出来るかは、魔法学園に入るほどの学力がない者に、魔法の基礎を教える為。
まあ、孤児院の子供を犯罪に走らせない為もあるとは思うけど。
他にも、剣筋が良ければ、騎士団を目指す事も出来るらしいけど、騎士の多くは、貴族の次男、三男がなるものだそう。
一応、王国軍っていう仕事場もあるよ。ほとんどが平民だけど。
下っ端は主に、城門の取締や街中の巡回をしてる。
そりゃ、戦が常時あるようであれば、平民も多く登用されるんだろうけど、魔王の魔の文字も聞かないし……
あ、冒険談としては聞くけど、遥か昔みたい。
戦の方は聞かないではないけど、大陸の覇者と言われる帝国が落ち着いてるからねえ。
我が国の周辺では耳にしない。
それだから、騎士団は貴族家のご子息の良い職場の様だ。
ちなみに、騎士団は近衛に、王国騎士団が第三まで。
で、自分も、冒険者ギルドに登録したんだけど、ふふふ、ギルドの水晶玉をぶっ壊した。
慌てて、床に落としちゃった風を装って、別室での再鑑定をして貰った。
というか、ギルドの方も慣れてるのか、マニュアルでもあるのか、別室に連れて行かれたの。
判定式の後には、判定漏れの平民の高魔力量者が出やすいんじゃないかな?
だって、ギルマスが出てきて、箝口令を敷いたんだもん。
それならって事で、子爵家に伝える話もお願いして押さえ込んだ。
だってね、全9属性持ちの高魔力量だったんだもん!
チートだー!って程。
ちなみに、通常は2もしくは3程度の属性で、多い者の殆どは6だって。
光闇無を除いた6ね。
やはり光と闇は希少で、無となると殆どいないんだって、言うのは冒険者ギルドの弁。
だからと言っていない訳ではなく、9と言うのは遥か昔に居た勇者と一緒なんだって。
「ゆうしゃ?!」と分かっていない振りをしておいたけど、転生者チートかな?
何で振りしたのかと言うのも、冒険者ギルドも9属性って事で、気にしてる様でねえ。
だけどね、男の子じゃなく女の子だからさあ。
諸手を挙げては喜べないんじゃないかな?
それでも、冒険者ギルドとしては、気になるんだろうから、ちゃんとギルドで学ぶ幼年の初心者1週間のコース受けといたよ。
まあ、ラノベに載ってた魔力感知に魔力循環、魔力発動の方が為になった程度の座学だけど。
我が家にしたら、高い出費なのに!って思うけど、一応、受けたという経歴が残るから良いかって程度。
良かったのは、読み書きを少し教えて貰った事かな?
あ、そうそう、子爵家には内緒って話は頷いてくれたよ。
9属性持ちともなれば、国が動く事になるだろうからねえ。
自由を謳う冒険者ギルドとしては戴けないもんね。
ただ、ギルドの幼少用の依頼は、孤児院の子と奪い合いで……
ギルドの中での定番絡まれフラグはない事はないけど、大半が見習いたちの喧嘩。
依頼の取った取られた問題。
それもあって、自分は働く先を変えた。
薬屋は薬屋でも、調合師の薬屋ではなく、薬師の薬屋に、依頼じゃなく弟子入りした。
なので、報酬はやすいんだけど、安定収入!
ただ、毎年弟子入りがあるらしいけど、作業が単調だし、意外にしんどいから、直ぐに辞めてくんだって。
そりゃ、色んな薬草や薬剤を、舟形の擂り粉木で、1日中擂り潰すんだけど、薬ごとに潰し具合が違うんだ。
それを覚え、調合を盗み見し覚えるものなんだ。
教えて貰えるという受け身のスタンスじゃダメなんだよ。
それで、覚える為にもメモを取りたいと思い、川のほとりにある草が葦に似てたので、それを叩いて砕き煮て、ギルドで売ってる安いスライムゼリーを買って混ぜ、薄く引き伸ばして、手漉き紙にし……
メモサイズに切って、母の内職仕事の端糸を撚って、その糸でノートにして持ち込んだ。
インクは、薬師の婆ちゃんのを借りる気で。
そしたら、婆ちゃんは自分のノートに絶句してたけど、自分も、婆ちゃんの調合ノートを見て絶句。
だって!文字がゆらりと揺れ、形を変え、日本語になったんだもん!
全言語理解かどうかは分からないけど、チート万歳!
だけど、日本語で書いた物はこっちの言語には変わらないので、やっぱり勉強しなきゃ。
ちなみに、生活魔法で1番よく使ってるのは、水魔法だよ。
婆ちゃんちの薬屋の裏には、物凄く大きな畑があるんだもん!
亜空間魔法なのか、拡張魔法なのか、違いは分からないけど、絶対、魔法が掛かってるのは分かる。
だって、あんな巨木が王都の町の中にある筈ないもん。
その広い畑の水やりが、大変なんだって、薬師の婆ちゃんにしたら。
自分も大変なのかも知れないけど、ガーデニング大好きだったから苦じゃないよ。
水やり草取りに、薬草の乾燥に粉砕などで、貰える賃金は1日銅貨5枚の500コル。
ちなみに500コルは、宿屋や料理屋での大人の日替わり定食値段。
5歳児だし、安く思えるけど、裏の畑で取れる物も分けてくれるからねえ。
ただ、婆ちゃんがギルドに依頼する薬草だけは、畑で育てられないんだって。
5束で100コルが依頼の報酬
出掛けてどれだけ採集出来るものなのか分からないけど、貰えるお金は増えるよね。
まあ、8歳になるまで、王都の外には出られないけど。
ちなみに、ギルドに出てるHランク向けの依頼としては、良い方だよ。
この世界のカレンダーで、1ヶ月は28日なので、休みを抜いても12000コルは5歳児としたら、稼いでる!
と丸っきり、乙女ゲームではなく、RPGの方に向かってた。
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