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第1章 冒険者になって、自由に生きるんだ!

8歳!ランク昇格!

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  8歳になる誕生月になり、早速、ギルドでGランクにあげて貰った。

  婆ちゃんに弟子入りしてるもんで、中々、ランク上げるだけの依頼を受けれてなかったので、ヒヤヒヤした。

  だって、薬草採集はHでは受けられないんだもん。

  ただ、さすがに、Hランクで受けられる依頼で残ってるのは、氷漬け案件しかなく、地下にある下水路の掃除は、5歳6歳では勿論、孤児院の者でもキツい。

  だけど、コレを受けるとギルドの受けも良いので、依頼を受けたんだ。

  それにまあ、マスクだとか秘策はあるし。

  実際は、婆ちゃんちにある魔術書を読んで、勉強してて良かったよ。というほどだった。

  清浄魔法を使う事で綺麗にして行ったんだけど、ミントの精油を付けたマスクしてたのに、凄い匂いがしてた。

  それに、スライムやビッグラット・子犬サイズのネズミも出てきたんで。
 
  終わってからも、体に匂いが残るくらいなんだよ!

  お風呂なんて、平民の家にはなく、我が家は大きな盥に水魔法と火魔法でお湯を張り入ってたんだ。

  まあ、自分のストッパーが外されるまでは、週1だったけど、今はほぼ毎日。

  たまに、自分の作った精油を落として、贅沢してる。

  精油の材料は、婆ちゃんの裏庭にある物なので、薔薇はないけど、ローズマリーはあるし、カモミールなどもあるの。

  綺麗な母に、顔用石鹸、化粧水を使わせ、商会ではなく、個別で売って小遣い稼ぎ。

  クリームだけは、原材料の蜜蝋と植物性油脂が高価なので、作れてない。

  でも、王都の外に出れる様になったので、何とか手に入れるんだ!

  その意気で、王都を出る門に向かったんだ。


  本当に8歳のGランクか?と止められはしたけど、何とか出てこれた。

  どうせちっちゃいですよ!と憤慨してたんだけど、門番が見えなくなった処で、索敵、鑑定、防御の魔法を重ねがけした。

  魔法の重ねがけは3つが最大だという事は検証済みなんだ。

  けど……婆ちゃんにも依頼を受けたギルド常時依頼の薬草、影も形もないよ!

  何処にあるんだ!って、婆ちゃんからの教えがあるんだった……

  裏の日当たりの良い畑では育たない=半日陰を好むって事なので、森の端に向かいます。

  他にも、婆ちゃんがギルド依頼の薬草採集の出来の悪さを愚痴ってるので、何処をどう採集するのかも知ってる。

  ついでに、キノコや果物、木の実があれば良いなあと思いながら、向かってた。



  その後、見付けた処をマーキングして歩き、
  次の日からは、早朝、朝露が残る頃に出向き、採集してから、家に朝食を戴いてから、薬屋へをローテーションにした。

  と言うのも、婆ちゃんも気づいてなかったんだけど、朝露が付いてる状態の方が効果が高いの。

  婆ちゃん曰く「新鮮であればあるほど良いんだ」って。

  そりゃ、冬場は数が減るので、最盛期に摘んで乾燥させる薬草がほとんどだけど、
  回復薬になる薬草だけは、新鮮な間に調合し、保管の為、封蝋魔法を使うんだって。

  簡易封蝋で1年、本封蝋で10年、そこに魔法陣を使用した保管庫に入れる事で、最長100年だそうだ。

  まだ簡易封蝋しか出来ず、本封蝋出来ないけど、下級のポーションであれば、簡易で良いんだって。

  ただ中級ポーションとハイポーションは別物だそうで首を傾げてたんだけど、よくよく材料を見れば、物が違った!

  追加材料があったの。

  で、婆ちゃんの作る回復薬、効果が高いんだけど、味はマズイんだよねえ。

  効果が高いまま、飲みやすい物に改良したいなあと考えながら、調合のお勉強させて貰いながら、水やりしたり、雑草を摘んだり、乾燥させて粉にしたりしてる。

  ちなみに、乾燥も魔法で出来るものもあれば、天日干しじゃないとダメな物もあるんだよ。

  だから、日々勉強です。

  ただ、婆ちゃんに改良話をしたら、目を丸くされた。

  今までの弟子で、改良しようなんて事を口にしたのは、自分が初めてらしい。

  大概、同じ手順を習得し、薬の品質クリアで終了の様で、婆ちゃん自身も、改良しようだなんて思わなかったんだって。

  あ、そうそう日給800コルに上がったよ~!

  それで、今、目論んでるのが、ラノベで有名な空間魔法のインベントリの習得。

  だって、婆ちゃんの魔術書によれば、魔力量で大きさは変わるけど、練れ次第で時間停止が出来るとあるんだもん。

  ただ、インベントリは転移者専用で、この世界で生まれた者はストレージと言うんだって。

  だから、自分はストレージ。

是非とも習得したいところだけど、イメージ重視の魔法でも、空間魔法は難しいみたいなんだよねえ。


  それで今、ムカついて、ラノベからの記憶から、血と魔石に魔法で結界石を作って、埋めてる。

  それだけじゃなく、婆ちゃんの闇属性魔法書から覚えた幻惑を掛けた。

  そうする事で、その場所は草むらにしか見えなくなる。

  本当に、冒険者ギルド!初心者に採集の仕方を教えろー!

  同じランクの初心者冒険者でも、成人してる者は直ぐに実入りのいい魔物狩りに向かうので、最初だけだし、別に良いの。

  だけど、同年齢は奪い合いになるの。

  でも、採り方があるのよ!

  ギルドでは薬草名しか依頼に載ってないから、毟る奴もいれば、引っこ抜く奴も居るの!

  薬草によれば、花弁だけの物もあれば、葉が部位の物もある。

  それに、常時依頼の薬草であれば、根が必要な物はないからね!

  それなのに!引っこ抜かれたら、もう生えて来ないので、大真面目に止めてよね。

  そう思いながら、結界内の採集した分をストレージの収納に入れた。

  そうものすご~く頑張った結果、出来たんだけど、先日、ギルドで依頼を見てて、ショックを受けた。

「魔法袋有りましたら、買います  xxoo」

  それで子供らしく、「これなーに?」と言って、周囲の者に聞いて調べたら、この世界では、普通に空間収納の魔道具が売られてるみたいなの。

  まあ、値段は安くないけど、冒険者であれば買えない値段ではない。

  ほら、平民ほど魔力量が少ないから、ストレージは夢のまた夢の様で、魔法袋を買ってるみたいなんだ。

確かに、空間収納を開けるのに、かなりの魔力量必要だったからね。

  まあ、1度開けてしまえば、開ける時、維持にはさほど魔力は必要ないけど。

  それで、魔法袋と呼ばれるアイテムバッグは、なんでも、魔法学園で学んだ者が魔術師団に在籍し作ってるんだって。

  まあ、その袋を製作する材料は、当然、魔物の部位なので、騎士団が狩りに行き、魔術師団に作らせてるけど、基本、騎士団の物になるそうです。

  なので、余剰分が巷に流れるので、あるにはあるけどそれなりに高いって状態なのよ。

  だから、8歳くらいの子供が持ってるとしたら、お貴族様の子息だろう。

  なので、自分が作ったとしても、持ってると思わせない方がいいんだ。

  うん、そう、ストレージが出来たので、偽装を考えたんだ。

  それで、アイテムバッグで偽装したら良いよねって考えて、魔法袋はまだ作れてないけど、森の縁で狩った魔物が沢山あるから、放出したいと思ったんだけど……

  ダメだよね~。

  そう、森の際に採集しに行くんだから、魔物に出逢わない筈がないの。

  初めての魔物はホーンラビだった。

  頭を下げ、耳の間にある角を向け、跳躍して飛び込んで来るんだ。

  びっくりしながらも、バリア張ってたのに、土壁を出してた自分。

  土壁に突き刺さり、脳震盪を起こしたウサギの首を掻いて、息の根を止めたんだ。

  この時ばかりはステータスが無くて良かった。と思ったよ。

  当初は、残念だって思ったけど、よくよく考えれば、タグというカードで依頼の達成を管理されたら、敵わない。

  そりゃ、嘘の報告は出来ないけど、隠したいものもバレるからね。

  ステータスは、水晶玉や魔法による鑑定もあるけど、隠蔽しようと思えば出来るみたい。

  まあ、鑑定がカンストし看破になってる様な者には、見られちゃうけど。

  で、最初のホーンラビは空間収納がなかった頃だったので、軽量魔法を掛け、引き摺って帰ったんだけど……

  門番は勿論、母も婆ちゃんも、目を見開いてた。

  本来であれば、冒険者ギルドに持ち込み、常時依頼なので討伐報酬を貰い、解体して貰えば良いんだけど、自分でも何故か、婆ちゃんの薬屋に持ってった。

  だって、母、解体の仕方分からないって言うんだもん。

「魔法学園の授業の一環で習わなかったの?」と疑問を口にすれば……

「男の子達が自分がするからって言うから、した事ないの」って、弊害が~!

  それで、婆ちゃんには口止めとして、肉も含め渡してたんだけど……

  とうとう、今、魔物ランクDのボアを狩っちゃったよ!

  何故、森の際に居るんだろう?と思いはしたけど、それよりも、血の匂いを漂わせない様に急がなきゃって言う意識の方が強かった。

  そりゃ、ボアは癖があるけど、野ブタ並に捨てる処ないし、美味しいらしいので、ウキウキはしてたけど……

  婆ちゃんに裏庭借りて解体しようと思いながら、血抜きさせてたナイフを抜いて、収納に放り込んだ。

  ちなみに、婆ちゃんの処にあった魔術書から展開した自作の魔道具作りは順調です。

  そりゃね、アイテムバッグの様に、大型トカゲの頬袋とか、大型魔牛の胃袋などがないと作れない物もあるけど……

  液体の吸収の魔法陣をナイフに刻んで血抜きとか、トイレのバケツの底やキッチンのシンクの流しとかに消去の魔法陣とか……

  そう、中世ヨーロッパ風だけあって、トイレは壷かバケツなのよ。

  陶器をエナメル化した白い便器、転生者が作ったんだろうって事は分かるけど、超高額!

  白金貨何枚の世界なので、100万コル以上するって事。

  他には浴槽や冷凍庫、冷蔵庫に扇風機くらいだったかな?

  ただし、冷凍冷蔵庫の一体型はなかった。

  見てないけど、洗濯機はありそうだけど。

  その店、魔道具屋なんだけど、他の店よりも大きくて、入ってみた理由が、「異世界の品」を謳ってたから。

  子供が入ってきたって事で、そうそうに追い出されたんだけど……

  その時、便器の底に消去魔法陣が刻まれてるのを見て、我が家のバケツトイレ改め可愛らしい壺に刻んでみたんだ。

  まあ、勉強してる自分に気付き、婆ちゃんちのトイレにする壺にも刻まされたんだけどね。

  釉薬の掛かった壺に書いたんだけど、外じゃなく内っかわだから、凄く大変だったんだ……

  そんな環境なんで、大通りは綺麗だけど、裏の小路になればなるほど、不衛生で、そりゃ流行病が出やすく、罹ったら最悪な訳よ。

  これを正そうと思ったら、トップダウンの内政チートが必要なんだけど……

  是非とも、王太子の婚約者候補のコーデリア・ロッテンマイヤー侯爵令嬢様、頑張ってくださいませ~





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