ヒロインだと言われたって知るか！

第1章 冒険者になって、自由に生きるんだ！

12歳！

  12歳になると、ほぼ貴族の学園の初等が始まると聞いた歳になった。

  何でも、この国の学校は12～14歳の初等と、15歳からの高等の2段階だそうです。

  で、たぶんラノベであったざまあ小説でも、乙女ゲームでも、背景設定は高等の方だと思われる。

  まあ、一応、成人は16歳なので、17歳の卒業前に、ご令嬢は結婚退学する者が居るみたいだけど。

  初等に専科はないけど、高等の方には3コースの専科がある模様。

文官養成の官吏コース、
王国軍ではなく騎士団の上官育成コース、
魔術師育成コースの3つなんだって。

  ご令嬢も行くのなら、花嫁修業の様な淑女コースでもあるのかと思えば、ないらしい。

  なら、ご令嬢方はどのコースを選ぶんだろうか？と思うよね。

  ま、自分には関係ないんだけど。

  母は文官育成コースだったそうだ。


  自分にとっての12歳は、晴れて見習いが取れ、Fランクの冒険者になったんだ！

  ここから先は、ハードモードの自己責任の実力世界。

  ただし、16歳の成人まで立ち入り禁止の入れない場所もあるんだけどね。

  ランクの高い魔物が出てくる森とか、上級迷宮とか………

  そう！ラノベ・ファンタジーでは定番の迷宮、不可思議極まりないダンジョンだよ！

  ほぼ見付かってるダンジョンは、冒険者ギルドが管理してるので、ギルドランクが上がらないと入れないダンジョンもあるんだけどね。

  なので、自分は今のところ入れないんだ。

  あ、そうそう、魔法全属性9つ持ってると自分だと、鑑定で出るんだけど……

  鍛冶屋でスキル生えたと思ったのに、鑑定には一切合切出てないんだよねえ。

  そりゃ、原石の鉱物からインゴットにするべく抽出する魔法は出来る様になったけど、それは魔法であってスキルではない。

  鍛冶だけでなく、薬の調合でも、魔法はあれどスキルはないみたいだからねえ。

  ラノベでよくあった料理スキルの発酵や熟成なんかも、魔法って事になってるよ。

  その魔法が使えるか否かが、スキルなんだと言われれば、まあ、そうなんだろうけど。

  でも、鑑定のレベルが低くて、見えないだけとか？乙女ゲームのリアル世界だからないとか？
は分からないんだけど……

  実際、自分はこの世界は乙女ゲームのリアル世界なんじゃないかって考えてるけど、断じる程の確固たる証拠なんて持ってないからね。

  ラノベのざまあ小説ぽいけど、乙女ゲームをプレーした事ないから、分からない。

  主に、自分が遊んでたゲームは生産系のRPGか、PVPがあるMMORPG。

  と言っても、対戦はAutoな素人です

  そんな自分なので……

  リアル世界での狩りは、高火力のかなりゴリ押しで、オーバーキル気味。

  ただ、売高が少しでも高くなる様に、首は狙ってるんだけどね。

  で、Fランクなので、討伐報酬貰えるのは魔物ランク1つ上のEランクまでなんだけど、魔物が律儀にランクを守ってくれる訳ないので、狩ってます。

  Dランクの魔物は収納が時間停止なので、お蔵入りさせて寝かせてます。

  Eに上がったら出そうと思って、氷漬けさせてた角ウサギやゴブリン、スライムや黒ラットがあったの。

   それが、ゴブリン30体狩って、耳を持ち込んだら、次の日にはEに上がってた。

  ラノベでよく人型魔物を狩る忌避感だとか載ってたけど、アレって転移者の感覚じゃない？

日々、dead or aliveじゃ殺らなきゃ殺られるんだよ。

  ちなみに、ゴブリンは耳と魔石以外要らないので、通常、焼くか土葬にするんだ。

  けど、めんどくさいので、自分は消去魔法で跡形もなく消し去ってるんだ。

  今のところ、狩るのが嬉しい美味しい肉は、滅多に出逢わない魔物じゃない野ブタとか角牛！

  魔物にも美味しいと思われてるのか、襲われてる処に出くわした事もある程。

  この時、囲まれてたのはウルフ・狼の群れだった。

  連携プレーする魔物だけに、討伐するのは大変だったよ。

  まあ、一気に動けなくするのに、中級魔法の雷を乱打したんだけど、ヘイトを取っても、4頭が無傷で残ってて、危なかったよ。

  で、この魔物ではない獣がDランク相当に位置するのは、巨体だから……

  野ブタにしても、角牛にしても、見上げる程に大きく、自分を撥ねた2tトラック並。

  魔物と獣の違いは、胸に魔石があるかないかだよ。

  魔物のホーンブル(一角牛)やバイソン(両角牛)も美味しいけど、今のところ会ってないので比べられないかな？

  でも、婆ちゃんが言うには角牛の方が大きいんだってー。

  魔物図鑑でも、1tクラスで一角牛は単体、バイソンは群れみたいだよー。

  他の魔物では、Dランクのボア、ディアが狙い目。

  同じランクのラノベで定番のオークも、豚肉で美味しいけど、狩る時にロックオンされ舌なめずりで対されるのが嫌なんだよねえ。

  でも、婆ちゃんが、「子供が出来る精力剤作るから、狩ったら睾丸持って来な」って言うんだよねえ。

  自分、一応これでも女の子、それも年頃1歩手前の子供だよ！？

  うら若き乙女に言う言葉じゃないよ。

  ま、精力剤高価だから良いんだけどね。

  ちなみに、オークより効果が高いのは役付きオークで、ジェネラル、キングと上がるにつれ、効果も値段も上がって行くんだ。

  で、同じ人型魔物のオーガは、もう1つ効果上。

  オーガのジェネラルで作った精力剤は百発百中なだけに、白金貨200枚にもなる代物で、王家や高位貴族がお使いになるんだってー。

  ただ、調合師レベルでは作れないので、オークで練習しろって。

  まあ、調合師カンストさせて、薬師にならないと、上級の回復薬を始め、ネクタルやソーマ、エリクサーの部類の調合の練習を始められないって話なんで、頑張ります！

  ちなみに、怪我や傷の最上級のポーションがエリクサーで、疾病の最上級のポーションがソーマです。

  だけど、リディアルと呼ばれるハイポーションの上の上級回復薬にあたる疾病版はないからね。

  そう、治癒魔法の様な万能薬はないの。

  だって、疾病って多岐にわたる色んな症状、種類あるから、無理ってものよ、たった1つの薬で治すなんて。

  それぞれに対する治療薬を作るしかない。

  となれば、治癒魔法って凄く万能に思えるけど、かなり難しいみたいよ、習得が。

  イメージ重視の魔法だけに。

  ちなみに、治癒魔法使えるのは光属性だけじゃないんだよ、水属性でも、火属性でも使えるの。

  ただし、アプローチ方法が違うみたいだけど。

  治癒は光属性だけって言うのは思い込みだけど、光属性が重視されるのは、聖魔法が習得しやすいからみたいだよ。

  だけど、母が言うには、魔法学園では聖魔法は習わないので、光属性を持つ者は神殿に囲われ、聖魔法を習うんだそう。

  だけど、悪役令嬢が神殿に入ったとは聞いてないので、王族の婚約者候補に選ばれる者は入らなくて済むのかな？

  うーん、そこにこそ権力の匂いがするよ。

  ちなみに、治癒魔法であるヒールとキュアは、割と習得しやすい方だけど、その上のハイヒール、ハイキュアは習熟度や資質がないと上がらないみたいだよ。

  自分も、色んな属性で、治癒魔法を行使出来る様に練習したけど、使えない属性もあったよ。

  それでも、1番よく使う水魔法を使うからか、ウォーターを冠に付けたら、ハイヒール、ハイキュアは何とか出来た。

  ので、疾病のカバーするには、後は薬師になって、ソーマを作れる様になる事だね。

  あとラノベでよくあった聖魔法の浄化は、綺麗にする清浄魔法を使える様になると出来る様になるよ。

  清浄魔法は、風・火・水の合成魔法でね、すっごく便利そうだったのよ、婆ちゃんの魔術書を読んでて見付けたんだけど。

  ただ……習得にものすごく時間が掛かったんだよねえ。

  混合、合成するって事はそれぞれの配分調整、バランスをとるのが難しくて……

  でも、魔法の練習は楽しいんだけどね！