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第2章 乙女ゲームの矯正力は強いのか
乙女ゲームとの違い
しおりを挟む学園内は上位貴族に絡まれない限り、実に、有意義な時間を過ごさせて貰ってる。
のだけど、先日、口にしたコーデリアの言葉で、最近身に付いてきた、常に笑顔の猫が逃げていった。
「9月じゃないけど、秋始まりの乙女ゲームってあったっけ?」
既に、1学年の大半が終わり、残すは1年の集大成を示す為の試験が待っているだけだった。
専科コースが違うのに、一緒に勉強していた時の話だった。
まあ確かに、春爛漫の中、入学するのは、乙女ゲームをプレイする者が想像し、感情移入しやすい様に作られるのは常套手段だ。
義務教育が最低でも9年な上に、高校の3年も学生生活している者が大半。
誰もが考え付く学校行事が、好感度アップイベントと重なって行くんだろうね。
だけど、よく考えれば、高等でも専科コースというものがあれば、勉強する場所も、棟ごと違ってしまう。
成績順で、クラス分けされている設定を、ラノベで読んだ覚えはあったけど。
そもそも、コースが違えば、会いに行かない限り、会うとしたら食堂くらい。
だけど、その食堂ですら、あちらはサロンで、第2王子と側近は、クリスティーナ様ととってる様で……
先日の秘匿の王族性癖は、候補になってるコーデリアには耳打ちすれば……
顔色を変え、二の腕を擦り、震えてた程で、クリスティーナ様と良い勝負で、良いカップルだと言えば、頷いてたよ。
だから、第2王子殿下との婚約はないだろうけど、相手を誰にするかは見繕っておきなよ。
そう言えば、頷いてたコーデリアだけど……
ボソッと「2年次に編入して来るって事ないよね」と呟かれ、自分は眉間に皺を寄せてた。
まあ、乙女ゲームと違っていたのだとしても、先日、16歳の誕生日を迎え、成人したので、2年生になるつもりはない。
夏休み直前に申請して、秋から学園に通わないつもりでいるの。
イルラも、コーデリアも、その事知っていて、残念がってるんだけど……
許可が出なかったら、秋に飛び級のテストを受けて、出席不要にするつもりで居る。
というのも、ギルマスの姉のおばさんじゃなく、お姉さんと出した店が、バカ売れしてて……
コーデリアに頼まれて作った髪を巻いたり、ストレートにするアイロンを魔道具で作ったのよ。
欲しい者が山の様に居たので、魔術師塔に申請すれば、早く許可しろ!と言う苦情が、魔術師塔に殺到した代物です。
その商品を作る工場に、魔法学園に行く程でない魔力量の者を雇い、店で売る様にしたら……
化粧品の方と相まって、パンク寸前なんだよ。
幾ら、召喚獣の小屋の中が亜空間で、直ぐに生ると言っても、1日で生る物では、多少が効果が落ちるの。
家から独立したいイルラに、資金を渡すのに、原材料を買い付ける様にしたけど、それでもギリギリに売れて、嬉しい悲鳴です。
そんな中、コーデリアがサロン風の貴族向けの店を出した。
ヘアケア商品と化粧品に、ケーキと紅茶を戴ける店で、予約も出来るけど、侍女と護衛を付け、馬車で来るランクの。
なので大忙し!
そんな中、ヴィルジーク様が、王都にあるダーイン伯爵邸に招待してくれた。
一介のAランクといえ冒険者が来た事に、伯爵家の者、眉を顰めるかな?と思ってたのに……
何故か、にこやかだった。
何でだろう?と思いながら、案内された客間に居たヴィルジーク様に「お招きありがとうございます」と挨拶したんだ。
ただ、執事が居る状態で、ストレートにぶち込んだ。
「早速ですが、辺境領にある邸宅とこちらの間に、空間魔法の門を開きませんか?」
メイドはいなかったけど、執事とヴィルジーク様、ギョッとした顔になった。
「試行錯誤して来た事が、学園に通う事で習得する事が出来ました。既に、実験し成功してます」
そう、実験はコーデリアのロッテンマイヤー家と、イルラのブルックナー家の間でしてみてたんだ。
当人以外は知らないので、既に撤収させて貰ったんだけどね。
「今、こちらの地下の1室に刻ませて貰い、夏休みに、辺境領に稼ぎに行く予定にしてるので、その時に、もう片方を掘る事で稼働します」
目を見開いたまま、固まってた2人だけど……
ヴィルジーク様、大きな息を吐いた。
「そういえば、ライラは規格外だったな」
「ドーリッシュ様が商われてる店は大変繁盛されているそうですな」
執事さんまでが知っている様だった。
「転移陣や門・ゲートは、大変な魔力量が要るので、魔術師塔では机上の空論になってますが、ちょっと弄れば、大変コンパクトになるんです」
そういえば、ふむふむと聞いてくれてたの。
「帝国が、その仕様に気付いてたら、大陸の情勢が変わっておりましたな」
執事さんの言う事に、ギョッとした自分だけど、全く言う通りだね。
「同じ意味で、魔術師塔は勿論、国にも秘匿です」
それには頷いてくれたんだけど……
「魔力量はどのくらいに収まったのだ?」と聞かれ、自分なら1人で枯渇寸前で、魔術師塔に勤務出来る程の魔術師で2人だと言えば、頷いてた。
「何人で移動できる?1人か?」には……
「3人は確実です。それ以上は協力出来、秘密に出来る者がいなかったので、してません」
そう答えれば、「当家ほど適した処はないでしょう」と、執事さんが答えてくれた。
王都までの長距離の移動が必須であるのに、移動手段がなかっただけに。
「しかし、あまりにも早いと訝しがられる」
そう、渋面を作って、口にしたヴィルジーク様。
「そちらは、ワイバーンの飛龍隊を召喚して作る事で誤魔化します」
自分にとっては、いい案だと思ったのに……
また2人固まったあと、笑いだした。
ヴィルジーク様に至っては大爆笑!
お腹を抱えて笑うヴィルジーク様を初めて見たんだけど、嬉しい反面、ちょっとムッとしてたら……
「さすがライラだ。突飛な案ではあるが、出来ない話ではないな」
「そうでございますね。当家は王都では東端に位置しますので、移動手段を伝えておくだけでございます」
2人が同意してくれて、口角が上がって来てた自分。
その後、鍵が掛かる地下の1室を借りて、転移の門の魔法陣を掘り始めたんだけど……
執事さん、魔力量もそこそこの使い手だった様で、亜空間の扉を描いたんだよ。
あのどす黒いペンキを使用して!
あのペンキって、有名なの!?って思ってたら……
「マーゴット様はお元気ですか?」と聞かれ、一瞬、誰か分からなかったんだけど……
婆ちゃんだ!
「お知り合いですか?」と驚いて聞けば、頷いた。
「レヴィアンと言えば、分かられるかと」と、意味深に言われた。
ちなみに、執事さんの名前ではないんだよ。
最初に、「デイビッド・オーネストです」と挨拶されたから。
しかし、婆ちゃんとどういう間柄なんだろうね?
でも、通りで、あのペンキの事を知ってるんだよ!
婆ちゃんの薬屋に、依頼の品を届けに行った際に聞いた後日談
「レヴィアンって人、知っている?」と聞けば、飲んでたお茶で、喉を詰まらせ掛けた。
な!な!という慌てる婆ちゃんを、初めて見たよ。
「ヴィルジーク様が養子に入ったダーイン伯爵の王都の屋敷に居た執事さんが、聞いてみろって。」
そう言えば、何やらブツブツ言ってたよ。
「アイツ、意外に近場に居たんだね」と言って。
だけど、それ以上は話してくれなかったんだけど、やけに嬉しそうで、懐かしそうだった。
執事さん、足音しないし、身のこなしから言って、元冒険者の確率とても高いので、婆ちゃんの元パーティーかなって?
妙にしっくりくるので、そうじゃないかな?
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