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第3章 聴講生になったので、自由にします!
中級ダンジョンと上級ダンジョン
しおりを挟む中ボスのグラスクラブたちは、勇んだ召喚獣たちに、あっという間に討伐されて、布陣も攻撃もないまま、終わって、ドロップ品になった。
だけど、大きな蟹のハサミって、要らないよ。
コーデリアと喜んだのは、甲羅ではなく肉。
それも解体しなくてもいい抜き身の肉!
生でも食用可に、鑑定でなってたので、時間経過がないインベントリに、放りこんで置いた。
分けるのはダンジョン出てからって事にして。
宝箱から出たのは、幽霊船で出た程じゃないけど、真珠と珊瑚が入ってた。
ので、コーデリアに宝飾品として使って貰うのに、渡しておいた。
ただ、箱の底にナイフが無いかだけ確かめたんだけど。
幽霊船の真珠の宝箱の底にあったのよ、曰く付きのナイフが!
自分が解体用に作った血抜きナイフの魔道具の上位版があったの。
自分の物はアンコモンだったけど、ユニークになってたからさあ。
あるかな?と思ったんだけど、なかったんだ。
切れ味抜群で、解体用に血抜きとして使ってるけど、血を吸えば吸うほどに切れ味が良くなり、研ぎ不要なんだ。
けど、本来は別の使い方されてた気がしないでもないんだけどね。
完全ではないけど、血の痕跡を残さないから。
それから、11階層に降りたんだけど……
ギルドの言う通り、森が端にある草原地帯になり、海は姿も形もなくなった。
じゃあ、草原に採集があるか?と言えばなかった。
だけど、「えっ?!これマンゴー?!」という色合いの果物が、森にあった。
「マンゴーってオレンジ色に赤みがかってなかった?」
コーデリアが言う通りなんだけど、目の前にあるのは、赤みが強く、真っ赤に黄色い斑点。
「食べられるのですか?」
護衛さんが聞いてる時には、召喚獣たちは食べてるんだけどね。
「毒々しい色してるけど、食べられるみたいよ」
名前はマンゴーじゃなく、「アポー」なんだけどね。
それをコーデリアに小声で教えれば、呆れてた。
召喚獣が食べた後の種を、小屋に植えようと残す中、マンゴーを取っていたんだけど……
きっとコレも、色合いから毒と看做されて、放置されてたんだろうね。
大体、赤いリンゴ・リムルも勇者が居なければ、放置だったらしく、ポムという青リンゴが通常だったらしいよ。
今は皆、普通に食べてるけど。
だけど、食べてる木苺・ハルベリーや苺・リルベリーも赤いんだけどねえ。
ちなみに、11階層の魔物は、両角が丸まってる羊だけど、小屋に入れる予定はない。
と言うのも、モコモコの羊、羊毛は欲しいので狩るけど、小屋に入れるには大き過ぎる!
もう少し小さいサイズの羊が良いかな?
ソーセージ作るのに要る腸やラム肉も欲しいんで、ダンジョン外の方が良いかな?
まあ、亜空間なんで、草は尽きないだろうとは思ってるけど、一応、山羊の親子は居るんでね。
先日行けば、何故か雨宿りが出来る、扉のない小屋があって驚いたもん。
更に、その中に、卵の様にチーズの塊や胃袋が落ちていて、眉を顰め、しばらく動けなかったんだから!
亜空間って、どういう仕組み?!
その後、12、13、14階層では、南の隣国ローランドの植生に似た温暖の植物がなっていた。
雨が多いのか、笹、竹が多くて、コーデリアと驚いてたんだ。
でも、通りで、中級ダンジョンのラストボスが虎なんだねえ。
ギルド情報によると、Bランクの魔物に入る様だけど、皮がドロップすると、高額買取になるそうです。
食肉不可なので、牙、爪が出るのが望ましいらしいけど……
薬師の婆ちゃんには、熊同様、肝臓がget出れば、残す様に言われてる。
と言うのも、最上級回復薬の1つのソーマを作るには魔物の肝臓は必須なのよ。
熊と鹿の肝臓に、バイパーは肝臓以外に血なんか有名どころと言うか欠かせない物。
割と出やすい熊、鹿、バイパーと違って、虎には中々出くわさないので貴重。
と言っても、無くても作れるけど、虎の肝臓1つで、他の内臓が無くても作れるっていう代物なんだ。
残念な事に、内臓も皮も落ちずに、ボス討伐が終わって、辺境領都に戻って来た。
ま、それなりの短剣が出たんだけどね。
ギルドで出た物を買い取って貰い、コーデリアとは山分けした。
護衛の分は、主の分配分から分けるのが普通らしい。
上級ダンジョンに、自分は行くけど、コーデリアはここまでなので、「何が出るのか、教えてね。」と言われたけど。
それから、4日ぶりに、魔の森で、召喚獣の小屋を開いた。
ダンジョン内でも、寝泊まりしてるので、母に会ってたけど、ダンジョンには出たらダメだとは言ってたの。
小屋の敷地内は大丈夫だけどさ。
そしたら、敷地内で色々としてたみたい。
海で紫貝を取ってきて、糸を染めて、布を織ったりしてたんだって。
茜や紫根などもあると嬉しいと言ってた。
ので、探して植えておきますか。
ギルドには、上級ダンジョンに行く予定だとは伝えたけど、まだスケジュールや準備は整って居ない。
中級ダンジョンと違い、準備をする理由は、上級ダンジョンのLvが格段に違うから。
当初の30階層でも、中級ダンジョンの倍なのに、今は成長して45階層って……
それだけじゃなく、上級と言うだけあって、現れる魔物のLvランクも高いから、一気に踏破なんて出来るはずが無い。
今までに潜ってる冒険者は、5階層毎にある転送陣に記録がある事で、降りていけるけど、自分は初めてなので、地道にmapを作りながら、攻略です。
母が居るけど、召喚獣の小屋があるから食事や水は充分だし、一応、冒険者の魔法使いだけでなく、婆ちゃんのお墨付きの薬師でもあるから、薬もOK。
強いて言うなら、のんびりとした暇な時間が欲しいくらいかなあ。
だって、楽そうに攻略してる様に見えるけど、ちゃんと索敵などしたりして警戒してるのよ。
だから、多少は疲れてるの!
なので……
魔の森の中と言え安全な小屋の中で、母と一緒に作り置き用の料理を作ったり、日課以外の釣りをしたり、果実や野菜を収穫したり、日頃できない事をして過ごした。
その中には薬の調合の他にも、化粧品作りもしてたんだ。
その間に、王都でのオークションの騒ぎが落ち着いて過ぎるを待ってた。
と言っても、今後、母を1人、王都に置いてはおけないので……
辺境領都の商業ギルドで、王都の家を売って貰うように手続きをした。
家にあった物は全て、小屋の中のログハウスに移動させたので、何も残ってないもの。
ただ、母の織り機もあって、ロフトやや狭いんだけどね。
店を任せてる姉さんからは、在庫の数量と共に、心配の手紙来てたので、一緒にいるとは伝えておいた。
その際に、出来上がってる顔用クリームと美容液を送ったんだ。
中級ダンジョン踏破から1週間後、日頃閉まってる東門から、上級ダンジョンに向かったんだ。
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