ヒロインだと言われたって知るか!

ふにゃー

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第3章 聴講生になったので、自由にします!

真実の愛ねえ

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  王宮にまで呼び出され、相談された傾国のミリノリア嬢だけど、無事に?おデブになりました。

  セシーの滴を盛らずとも、コーデリアが開いてるサロンに、彼女を招待すれば良いだけだった。

  コーデリアのお兄様も喜んでエスコートしてたんだけど、彼女は嵌って、毎日通い詰めたんだってー。

  太りだして、「前世の二の舞になっちゃう」と呟いたのを、コーデリアの侍女が耳にしたらしい。

  コーデリアと自分の前世の記憶保持は、ロッテンマイヤー侯爵家では公然の秘密です。

  だけど、婆ちゃんだけでなく、王家も知っていそうではあるけど……


  ほっそりとしていて、儚げで、いつも笑顔というより憂い顔で、守ってあげなくてはいけないと思う彼女は居なくなった。

  それと同時に、男性の大半が潮が引いたみたいに居なくなった。

  その中に、コーデリアの兄であるレオンも居たんだけど……

  コーデリアも退いてたよー、実の兄の好みに。

  それでも、幼少期のぽっちゃりして笑顔だった時期を知ってる幼馴染みは残ってた。

  コーデリア曰く、雨降って地固まるじゃないけど、太った事によって、大局を見極められたんだろうね。

  今は婚約者になった幼馴染みロイことロバート・オブライエン伯爵を連れ、サロンに日参してるんだって午後。

  3段のケーキセットを食べに。

  選べないっていうのなら、ミニサイズに切り分けたケーキ全種類セットを作れば?と言ったのは自分だけど……

  物凄いカロリーで、激太り必至!

  ミリノリア嬢以外に頼む令嬢たちは、数人で分け合ってるの。

  もしくは、選んだ残りを連れて来た侍女や護衛に下げ渡したり。

  それがぽっちゃりで済んでるのは、聖魔法とも言われる光魔法が開花したの!

  病弱な深窓の令嬢だったのは、魔力が多く安定しなかった故で……

  安定はしたけど、出力出来なかったのが太った事で出来るようになったって……

  太ったのが先で良かったよ~。

  開花が先だったら、尚のこと野郎連中、引かなかったもん。

  それで午前中、神殿の治癒院で仕事して、午後にサロンに来てるの。

  勿論、婚約者が不在の時は、護衛と侍女を付け、馬車で来るって事が、サロン出入りのルールだから、守って来てるよ。

  サロン的にも、こうしておいた方が大概的に良いと、口をだしておいたんだけど、コーデリアが賛成してくれて良かった。

  誘拐に始まり、何かと狙われやすいご令嬢が来るんだよ。

  万が一があった時、サロンの有責になるからさあ。

  
  ちなみに、自分が見付けてなかったチョコは、コーデリアが南のローランドに行ってまでして、見付けて来ただけにサロンは大盛況だよ。

  ただ、あのカカオ豆じゃなかったんだけどね。

  ダンジョン内で、モウの木、卵の木がある様に、カカオは海藻だった模様。

  上級ダンジョンで見付けたカカオ豆は教えてません。

  魅了が微弱であった時点でアウトです。

  コーデリアのサロンには、現代日本のケーキ屋並のきらびやかなケーキが並んでるので、女の子にすれば仕方ないよ。

  持ち帰り用には、チョコと言うよりショコラだね。

  GODIVAが大好きだった自分が口を挟んだので、菓子職人でもチョコ専任が出来た程。

  だけど、出資の殆どはコーデリアだからね。

  そう、メニューにも、コーデリアだけじゃなく自分も噛んでるんだ。

  太った事で憂いが取れたのか、ぽっちゃりしてても可愛いミリノリア嬢に、後顧の憂いを無くす為、コーデリアがお茶会に誘って、深窓の令嬢だったって事で、マナーと言うか、貴族特有のルールを教える様に言っておいた。

  特に、男性との距離感ね。

  コーデリアも頷いてたので、動いてくれるだろう。

  ただ、そのコーデリア、縁談どうするのかねえ?

  第2王子エドワード殿下とクリスティーナ・アギレラ様の婚姻と臣下降下、公爵家設立の期日が公表されたので、釣書来てる筈なんだもん。

  自身の商会やサロンがあるから、文官への応募もしてないと思うんだ。

  なら、屋敷で在宅ワーク?

  と言うか、嫁入りってなったら、商会やサロンどうするんだろう?

  あ、でも、コーデリアが記憶保持者だって、国が知ってるなら……

  国がデテクルヨネエ……

  そう言えば、王弟殿下の放蕩気味で何処に居るか不明の継嗣しか、独身の王族男子居ないよねえ。

  ただ、自分の情報では、その放蕩のレヴィン殿下は国の諜報のtopの筈なんだよ~。

  うーん、王命が出そうだ。

  けど、乙女ゲームに当て嵌めるのなら、隠しキャラ?って処かな?


  イルラの方は、魔術師塔勤務を確保したから、屋敷から出て、王宮内の寮に入るんだって。

  反対されるかと思ってたから、意外だったと、イルラ言ってたけど……

  イルラ甘いなあ。

  魔術師塔勤務の者の殆どが貴族であり男性。

  それも、変人が多いらしいけど、独身も多いんだよ。

  強制せずとも、見付けて来るだろうと思われてるんだよ、イルラ!

  実際、公爵家の魔術師は居ないけど、侯爵家出身の魔術師いっぱい居るよ。

  爵位継承の者で塔入りを選ぶ者は、魔術バカの変人だけど、塔入りしてる時点で魔術師としては地位確立してるから。

  そう、騎士団もだけど、魔術師塔も実力主義なんだ。

  コネで入ったとしても、昇進が試験と試合なので、振るい落とされる仕様だそうです。

  だから、大魔導師、魔術師塔のtopの息子と言え、ルイビエストことルイに七光りは通用しないんだけど、学んだかなあ?


  ちなみに、自分は子爵家に捕まらない様に、逃げ回ってまーす。

  主に滞在してるのは、辺境伯領。

  今は、ミリノリア嬢の事もあって、王都に滞在中って事になってるけどね。

  ギルドには、アゼリア王国に至る街道で、エイドリアン公爵領の手前にある、もう1つの上級ダンジョンに行った。という事にしてある。

  本人は何処に居るでしょう?状態にしておいたんだ。

  婆ちゃんは、王家の呼び出しで王都に戻ったので、薬屋に帰ったんだけど……

  召喚獣の小屋のログハウスが気に入ったのか、何やらブツブツ言ってたけど。

  自身の空間を弄るのかな?




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