ヒロインだと言われたって知るか!

ふにゃー

文字の大きさ
45 / 79
第3章 聴講生になったので、自由にします!

魔の森

しおりを挟む



  国内の上級ダンジョンで、もう1つのエイドリアン領に行くか、依頼の魔の森に入るか、となったら、魔の森でしょ!

  ヴィルジーク様からの指名依頼だし!

  日頃から冒険者が入り間引かれている、ウプラムの園庭と中級ダンジョン「エンデの森」の近辺は、北西の森と違って、魔物との遭遇率は低い。

  居ない訳じゃないけど、採集が可能な程度の遭遇率。

  中級ダンジョンに、ブドウ採集と魚釣りに行った時に鑑定したの。

  ダンジョンNo.31  15階層の中級ダンジョン「エンデの森」フィールド系

  ウプラムが86だから、31って古い方なんだろうね。

  何で、中級ダンジョンに?の理由は、季節が秋めいて来たので。

  ダンジョンって季節関係ないと言われてるけど、初級ダンジョンでは3階層の里山は影響受けてたんで。

  それで変化してないかなあ?と思って出向いたの。

  結果は、秋の始まり程度では変化はなかった。

  召喚獣の小屋にあった海は、北海に遭遇した事で、南国の海一辺倒ではなくなって……

  日によって、北の海流が強く出る日もあれば、南の海流が強い時もあって、季節が関係するのかな?

  そう思ってる、検証中。


  それに対し、北西の森は……

  ヴィルジーク様が言うには、10日に1度の割合で、魔物の群れが見張りの塔から目に入り、鐘が鳴らされるので、早目に摘みに出掛ける様にしてるんだって。

  狼少年じゃないけど、鐘の鳴らしすぎは住んでる者の警戒感を削ぐんじゃない?

  そう心配するけど、城の外に出てる者には必要かあ。

  まあ、15mはある城壁がある領都に居る者にしたら、安心するか。

  そう考えながら、通った門は軍用の北門。

  そう!考えてた様にあったの!

  だって、鐘が鳴らされて、城内を馬で走ったら、不安になるじゃない。

  となったら、駆け抜けなくて良い処となったら、北だよねえ。

  北東に上級ダンジョンもあるし。

  正確には東北東。北北東じゃなく東北東。

  で、今回の依頼が北西の調査なので、北門の使用を許可された訳だけど……

  通用門を出て直ぐは、東門とさほど変わりなく、採りに来る者が居ないので、薬草取り放題状態。

  ただ、違うとしたら、馬が駆け抜けて行くから、踏み固められた広めの道が出来上がってるくらい。

  まあ、奥に行けば、魔物が徒党を組んで居るんだろう。

  そう思いながら、索敵、鑑定、防御の魔法を3重で掛けて、歩きだした。

  勿論、レイトルたちも側に居るよ。

  ちなみに、召喚獣の小屋をいつも置いてるのは、西門を出て、少し行った場所。

  南門が王都に至る道だから、人通りが段違いに少ないので、そちらの森の中に置いてるんだ。


  馬のつけた道の側を、道に沿って奥に向かいながら、海用に作ったソナーを起動させた。

  使えないかなあ?と思ってね。

  ただ、起動させなきゃ良かった~!と思う事態になって、切ったよ。

  自分の間近に居るって出たの!

  でも、地下に広がっている魔力の反応を探知した!

  領都から8kmの位置だった、その場には多くの魔物の反応があって、狩っても狩っても途切れなかったから、途切れた際に起動させたんだ。

  ダンジョン内ではないので、消えない魔物の姿が大量に転がってる。

  大概が、ゴブリンにコボルト、ウルフという魔物だけど、森においては下から2番目の階層に居るものたち。

  スタンピードになると言われるのは、Dランクの魔物が外に出て来てる状態なので、ギリギリの状態だねえ。

  一応、首の皮1枚繋がってる状態なので……

  ダンジョンの入口を見付けたら、少し数を減らしておくべきだねえ。

  そう思い、ダンジョンの出入口を探せば……



  今までの経験上、洞窟など地上部に入口があったので、気付かずに落っこちた自分。

  自分を囲った魔物を蹴散らしたのは、飛び降りて来たフレスベルグの夫婦。

  「あいたたた」と頭を摩ってる時には、イベルダも威嚇してて……

  レイトルは?と思ったら、穴が小さかった様で、穴を大きくしようと地面を蹴ってる様で、土塊がボロボロと上から落ちて来てた。

  あんなに穴が小さかったから、魔物が出にくくスタンピードが押し止められてたんだな。

  そう理解も出来たのは、落ちた穴の奥からやって来る足音が伝わって来るから!

  フレスベルグ夫婦が蹴散らした魔物が消えて行く事からも、この場所がダンジョンだと察せられたけど!

  蟻地獄タイプの様だと思ったのは、地上に行く術がよじ登る以外になくて……

  「ベリンダ!乗せて!一時撤退!」

  そういえば、ベリンダだけ大きくなって、乗せてくれたんだけど……

  大きくなったベリンダでは、穴から出れないし、フレスベルグではホバリングは難しい様だった。

  ソルとイベルダは、穴の外に出て、自分を引っ張り出そうとしてて、ようやくレイトルが冷静になって、自分の服を噛んだ。


  自分が這い出た後、小さくなったベリンダが出て来たけど、何コレ!

  不意打ちもいいところだよ!

  きっちり、出入口部分にマーキングした後、報告するのに帰路に着いたんだけど……

  しばらく出て来れない様に、大量の水を魔法で出して流しておいた。



  朝に出て、夕刻に戻って来た自分に、北門の兵驚いてたけど……

  「ダンジョンの出入口見付けたって、報告あげて!」

  そう言えば、先触れを出せと言われたと気付き、1人は走り去って行った。

  もう1人が言う「案内が来るまでお待ちください」には頷いた。

  その時、まだ小屋に戻ってなかった召喚獣たちに、インベントリから「エンベロープの実」を出してあげてから戻して行ったんだ。

  小屋に入れば好きなだけ、自身で食べられるのにあげていたのは、ご褒美だから。

  召喚獣たちが力を合わせて、抜け出せたから。

  それに、枇杷っぽいソレは、花畑の中なので羽虫たちに育てられてるので、召喚獣の彼らといえ好きには食べられないし。

  けど、羽虫たちが世話をしだして1ヶ月程で、実が生っちゃうって凄いよねえ。

  花弁はマナポーションの材料になって、実は材料にはならなくても、そのまま食べても回復はするし。

  羽虫たちが好きな物って、本当に、どれもこれも甘くて魔力が多く含む物が多いよ~。

  これも、先日のチートな薔薇同様、月や魔素の条件で、花の色、実の色が変わるんだって。

  金色の花弁と実が生ったら、羽虫達には劇薬になるけど、薬師にしたら最上級マナポーションの材料です。

  そうそう、ウプラムの園庭で見て以来、羽虫たちを外でも見れる様になったんだよ!






しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています

浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】 ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!? 激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。 目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。 もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。 セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。 戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。 けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。 「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの? これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、 ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。 ※小説家になろうにも掲載中です。

公爵家の秘密の愛娘 

ゆきむらさり
恋愛
〔あらすじ〕📝グラント公爵家は王家に仕える名門の家柄。 過去の事情により、今だに独身の当主ダリウス。国王から懇願され、ようやく伯爵未亡人との婚姻を決める。 そんな時、グラント公爵ダリウスの元へと現れたのは1人の少女アンジェラ。 「パパ……私はあなたの娘です」 名乗り出るアンジェラ。 ◇ アンジェラが現れたことにより、グラント公爵家は一変。伯爵未亡人との再婚もあやふや。しかも、アンジェラが道中に出逢った人物はまさかの王族。 この時からアンジェラの世界も一変。華やかに色付き出す。 初めはよそよそしいグラント公爵ダリウス(パパ)だが、次第に娘アンジェラを気に掛けるように……。 母娘2代のハッピーライフ&淑女達と貴公子達の恋模様💞  🔶設定などは独自の世界観でご都合主義となります。ハピエン💞 🔶稚拙ながらもHOTランキング(最高20位)に入れて頂き(2025.5.9)、ありがとうございます🙇‍♀️

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢

さら
恋愛
 名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。  しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。  王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。  戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。  一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました

しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、 「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。 ――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。 試験会場を間違え、隣の建物で行われていた 特級厨師試験に合格してしまったのだ。 気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの “超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。 一方、学院首席で一級魔法使いとなった ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに―― 「なんで料理で一番になってるのよ!?  あの女、魔法より料理の方が強くない!?」 すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、 天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。 そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、 少しずつ距離を縮めていく。 魔法で国を守る最強魔術師。 料理で国を救う特級厨師。 ――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、 ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。 すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚! 笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。

「ご褒美ください」とわんこ系義弟が離れない

橋本彩里(Ayari)
恋愛
六歳の時に伯爵家の養子として引き取られたイーサンは、年頃になっても一つ上の義理の姉のミラが大好きだとじゃれてくる。 そんななか、投資に失敗した父の借金の代わりにとミラに見合いの話が浮上し、義姉が大好きなわんこ系義弟が「ご褒美ください」と迫ってきて……。 1~2万文字の短編予定→中編に変更します。 いつもながらの溺愛執着ものです。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...