48 / 79
第3章 聴講生になったので、自由にします!
上級ダンジョンの名は
しおりを挟む驚いた事に、迷宮都市の名は、迷宮の名前ではなく、見付けた者が付けたんだそうだ。
え?って処だけど、ダンジョンに名前があると知れたのは、最近って……
それ!自分が言ったから!?
ジョセフィアと言うのが都市名で、上級ダンジョンの情報は、No.54上級ダンジョン「フロリバンダの谷」40階層からなるフィールド系。
だけど、鉱物が採れるとの事で、多くの鍛冶屋が軒を並べてるとは聞いたけど……
冒険者ギルドの裏手に、煙を吐き出す沢山の煙突が見えて、ギョッとしたくらいにある。
王都に居たドワーフのオルガンさんも、元はここに居たらしいけど、王都に移った理由はお酒との事。
でもね……何でも、よく話を聞けば、自分が幼い時に登録した蒸留酒が切っ掛けだった様で……
ごめんなさい。
現物は殆どなく、アルコール度数が高いお酒の作り方だったの。
それでも、ドワーフの酒好きはラノベ同様の様で、婆ちゃんが言うには、蒸留酒作りに手を出してるみたい。
だから、自分が魔法も駆使して作ったブランデーを、婆ちゃんから奪おうとして、大喧嘩になったそうな。
婆ちゃんも見せびらかすから、悪いんだけどね。
で、鍛冶屋が多い=ドワーフも多いので……
武器の修理などには事欠かない街なんだけど、今、自分の装備は隠蔽も掛けたけど、自動修正が掛かるチートな装備なんだよねえ。
採集道具のナイフだけじゃなくハサミまでもが。
なので、用はない筈だったの。
それが、用が出来たのは……
ジョセフィアの街に到着寸前、フクロウ便による手紙が届きまして、誰かと思えばヴィルジーク様で。
ジョセフィアの工房に頼んである蒸留酒を作る為の釜を貰って帰って来て欲しいというものだったの。
まあ、構わないんだけど……
それって、辺境領に戻って来いって事だよね?
でも、何で、ジョセフィアの近くに居るって分かったんだろ?
現在位置が分かる魔道具でもあるのかな?
ほら、某魔法学校で、何処にいるか地図に名前が乗るアレよ。
でも、あの地図でも魔法学校内だけよね?
さすがに、辺境領とエイドリアン領を含む広さを網羅する様な物はないと思うんだけどなあ。
そんな事を考えながら、ダーイン伯爵家が頼んだという釜を貰いに、教えられた鍛冶屋に向かったんだ。
鍛冶屋で、割符を渡して、ブツを受け取ったんだけど、マジックバッグに入るギリギリの2tトラックサイズだった。
鍛冶屋のドワーフのオジサンには、いい出来だと言って褒めて貰えたんだよ。
それで、ひとっ飛びして、辺境領都に戻って、釜の設置まで手伝ったので……
その晩は辺境領都ベーゼルに小屋を出して寝たんだけど、次の朝にはジョセフィアに居て、さっさと上級ダンジョン「フロリバンダの谷」に潜った。
何か邪魔されそうな予感がして。
ちなみに、ランダムだけど、宿泊の魔道具がドロップするのは、ラスボスなので、40階層を踏破しないといけないんだ。
大まかな情報を聞いて来たけど、厄介なのはミノタウロスなどの剛力タイプかなあ。
自分も火力増し増しで討伐するタイプなので。
そりゃ多少変化球を使うけど、足止めしたり、麻痺や毒を使う時は食用不可の物だけね。
雷だって、素材をダメにする全身大火傷ではなく、角など突起に落として、心臓を通過して足に抜ける様にイメージすると、火傷は内部だけで1部になるのに、即死するからよく使う。
でも、剛力タイプが多いのなら、殺り方を考えておかないと、魔力多めだと言っても、ジリ貧になりかねないもの。
そう思い、仕留め方を考えながら、歩いて行けば……
第1階層からフィールドなのは、上級ダンジョンの特徴?と思ったんだけど……
まだ経験値低いから、断定出来ないか。
そう思った時には、目に付いた薬草を採集する動作をしていた。
外に居る魔物と似通った魔物が出るんだねえ。
そう思ったのは、1階層ではクリムゾン多めのディアに、ホーンラビの上位種でビッグラビって言うのが居るんだけど、外ではホーンラビ以上に害獣扱い。
耳垂れウサギの可愛らしい姿からは想像出来ない、跳躍からの体当たりで死者が出るくらい凶暴!
ただ、肉は美味しいし、毛皮もホーンラビの薄茶一択ではなくカラフルなのと、手触りが良いので、よく依頼に上がる代物なの。
ちなみに、色は薄茶以外に、薄緑、薄ピンク、レモンイエローがよく見掛け、真っ白、黒、青、赤、薄紫っていうのは、ダンジョン以外では見掛けなくなったそうで……
そのカラフルなまでのデカウサギが、このダンジョンにはいっぱい居て!
そういえば、学園のご令嬢方が、色んな首巻やハンドマフを着けていたのを思い出した。
そうかそうか、コイツらだったのね。
外での狩りなら、上手に狩らないと良い毛皮にならないけど、ダンジョン内であれば、どんな狩り方しても、最低限、売れる毛皮ドロップするもんねえ。
上級ダンジョンだけど、中級ランクのCやDの冒険者がこぞって来る訳だ。
そうそう、死んで10秒以内に、インベントリに突っ込んだら、ドロップ品じゃなく遺体として入る事に、さっき気付いた!
ビッグラビ、連携プレーは出来ないけど、一斉に襲って来る事はあるの。
で、足元に遺体があると面倒なので、殺った直後に突っ込んでたんだ。
10数頭居たビッグラビを討伐後、インベントリのリストを見てビックリ!
インベントリに解体させたら、肉も毛皮もget!
こっちの方が良い魔物、ボアとか牛とか羊とか、隅々まで使い尽くしたい物は、この方法を取ろう!
ワクワクして来て、次に行こうとしてたら……
イベルダが何やら、ビッグラビ達が居た場所を掘ってる。
「何してるの?」と聞いても、一心不乱。
周りの木を見回し、首を捻ってたんだけど……
ふと、イベルダと野豚がライバルでもあるけど、仲が良かった事を思い出した。
少し開けた場所に小屋を出して、この間保護した野豚の子供を連れて来ようとしたら……
やけに興奮した様な鳴き声を上げたイベルダ。
自分より早く小屋に入り、野豚を連れて来た。
驚いてる内に、豚の鼻で掘り出されたのは、土の塊に似てたけど、何か分かった。
「トリュフだ!」
野豚に食べられる前に回収してた。
フランスでは豚に探させて採ってたけど、食い意地が張ってるので、近年は嗅覚の優れた犬に掘らせてるって話を思い出した。
んだけど、イベルダが知ってるって事は、もしや!
広葉樹の森になった小屋内で、トリュフ採れるの!?
灯台もと暗しかも知れない!
まだ探そうとする野豚を、小屋の中に戻した後、土の中の探索は難しいんだけど……
ワームを始め虫が居るから、見付け難いの。
だけど、鑑定を探索に重ねると、絞れるんだよね。
アチコチに反応する光があるので、スコップとブラシで丁寧に収穫して行ったんだ。
まあ、その途中でpopして来たビッグラビを再度、狩る事にはなったんだけど。
鉱物採集もするつもりで来たので、掘削道具は色々持って来たんだ。
このトリュフをギルドに報告する事で、エイドリアン公爵家に目を付けられる様になるとは、思わなかったんだけどね。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
71
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる