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第3章 聴講生になったので、自由にします!
フロリバンダの谷
しおりを挟むフロリバンダの谷という名が着いたエイドリアン公爵家領内の上級ダンジョン、辺境伯領の上級ダンジョンほど、1階層に時間は掛かってないけど……
それでも、トリュフ探しでそこそこ時間を費やした。
手持ち無沙汰にしてたレイトルやフレスベルグの夫婦は、フロアを好き勝手して、ディアとラビを狩っただけでなく、採集品も見付けて来た。
桜桃、さくらんぼの木並に大きいグミっぽい木で……
キラキラと実が輝いていて、自分が知ってるグミの実は赤一択なのに、この木の実は色とりどりのキャンディみたいだった。
フレスベルグの夫婦も、レイトルも、好きな様だったけど、イベルダも気に入ったみたい。
なので、小屋の中にも種から植えれば……
羽虫の1人に、奥の空間にも欲しいと言われて、設けたんだけど、花畑の空間、羽虫たちの楽園の様な状態になってるんだよねえ。
それも、人数増えてない?気のせい?
2階層に降りると言うか、このダンジョンが谷と言う名が付いてるのは、多少のカーブはあるけど、ほぼ真っ直ぐな道で下って行くからだと思う。
と勝手に想像してるけど、本当の処はどうなんだろ?
それに、まあ、まだ2階層だしねえ。
でも、一応、フィールド系なので、谷に降りて行ってる雰囲気満載なのよ。
なので、崖の際に、あれは!という花が咲いてたり、実が生ってたり……
イベルダに採って貰ったり、フレスベルグ夫婦に背中に乗せて貰って採ったりしてるんだ。
けど、どうにか、1人で飛べる箒か絨毯が欲しいなあ。
それだけじゃなく、鉱石が採れるという話、分からなくはない。
地層を見てたら、化石が出そうな層があるんだもん!
まあ、化石を見付けたい訳じゃなく、琥珀出ないかな?
ちなみに、ダイアモンドもそうだけど、ルビーやサファイアは大地の圧縮によって出来るんだよ。
圧縮の過程に、熱が加わるとサファイアがルビーになるって聞いた覚えが……
そう思いながら、土の中って、中々、探査出来ないのに、魔力を流し込んでたんだ。
まあ、2階層では大した物は出ないか。
ゆっくりと行こうとする自分の服を引っ張るレイトルに促されて、足を進めた。
たまに、道の横の壁から、いきなり巨大ワームが現れる他は、魔物らしい魔物と言えば、モグラ?
明らかに、土特化のダンジョンだねえ。
そういう印象を覚えながら、4階層を歩いてたら……
巨大ワームの開けた道?
いや、モンスタールームの隠し部屋?
そういう感覚がする壁が、右手にある。
でも、一応、洞窟じゃないよ!
遥か崖上に、木の梢に隠されてるけど、空があるから。
でも、この隠し部屋?に入れば、洞窟に入る可能性が高いけど。
うーん、婆ちゃんが言う様に、運は持ってるんだね。
悪運なのか、良い運なのかは分からないけど。
「よーし!レイトル蹴って!」
そういえば、突進して特大な蹴りをレイトルが入れた途端、ガラガラと音を立てて、崖の表層が崩れた。
ポカリと開いた道だったんだけど……
レイトルは頭を少し下げないと入れない高さで、ドヤ顔してたレイトルがもっかい蹴り入れたけど、さすがに大きくはならない。
レイトル、送り返される可能性を感じ取ったのか、頭を低くして、スタスタと中に入って行った。
隠し部屋と言うより、隠しルート?
いや、ワームの通り道っぽくない?
だって、土壁は加工された様に、つるんとしてて、崩れない様に固定化されてるんだもん。
あ、洞窟って言うより、トンネルか!
そう思ってたら、奥に微かな光源を感じて、足を早めた。
ら……開けた場所に出た。
洞窟で言うなら、何とかの間って名前が付きそうな。
ここでなら、水晶の間かな?
それも、透明だけじゃなく、色とりどりで……
緑に青に、ピンク色にオレンジ、紫もアメジストから青紫ぽい物まで。
更に、希少な虹色水晶がある!
40階層もある上級ダンジョンで、4階層と低い場所にあったら、低ランクの冒険者達にとって、良い依頼になるよ!
それも、ここから、下の階層に行く道はなく、行き止まりの様だし、5階層のボスを倒したら、ギルドに報告に行かなきゃ!
そう思いながら、がっさり虹色水晶を始め、水晶を採集してたんだけど……
召喚獣たちは食べ物じゃないので、面白くなさそうだった。
5階層のボスは、やっぱり?と思った、フンコロガシだった。
巨大な糞を蹴ったら、自分に怒られたので、レイトルは後ろで控えてた。
転がって来る糞は、インベントリに収納で良いのよ。
干からびた畑があるなら、そこに出してあげれば良いんだもん。
ギルドに報告するのに、転移陣に乗って、ギルドに向かったんだけど……
めんどくさい事になると思わなかった。
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