獣人世界へ、ようこそ?

ふにゃー

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  ランベルト商会で、ソイの実を沢山買い込んだ。

  100個も!

  といっても、実のサイズがスダチサイズで、搾ったら30mlだから、大さじ2にしかならないから、きっと直ぐに無くなっちゃう。

  現地では二束三文に近くかなり安価の物の様だけど、輸送料でそこそこの値段になってるもよう。

  だって大さじ2の実が10個で銅貨5枚は高いでしょ。

  いくら魔法大国の市場価格が、エスペラント王国よりも安く安定してるとはいっても……

  でもまあ、現代日本の醤油と比べちゃいけないね。

  ちなみに銅貨5枚あったら、マーサさんのところの食堂で1回ご飯を食べられるからね。

  今日のおまかせが。

  1番良いのは、現地に行って、ソイの実の木を薬草畑に移植させる事。

  ちなみに、育ってるっていう森、実はこの町から見える山々を越えた辺りらしい。

  ただ、その山々が標高5000mはあるっていうので、直線で行くのは無謀というものだけど……

  その山々にある氷河で、万年雪っていう素材が要るのも事実なんだけどね。

  婆ちゃんから教わった、ある流行病に要って、10数年毎に流行るそうなんだ。

  その時には、向かわなきゃいけないみたい。

  って、フラグ立たない……よね?

  嫌な予感がしないでもないけど……

  行くのなら真冬じゃなく、真夏に行きたいよねえ。

  避暑を兼ね……

  それに、万年雪が要る病気「七日熱」が流行るのは夏だって話だし……

  ヒゲがピクピクするから、長雨が降り出す前に出掛ける方が良い気がして来たよ。

  となると……その準備で色々と要るなあ……

  時間が緩やかになる魔法袋、丸々1袋要るのは、先日の雑貨屋のオジサンの時に解決済みなのが、大きい。

  出来れば空間収納っていうチート能力があれば万全だけど……

  うん。無理は言っちゃいけないね。

  光属性魔法同様、努力はするつもりではいるけど!

  ただ、虫が多くなる夏なので、虫除け必須なので、多めに作っておかないと。

  シトロンの精油のスプレーか、匂い玉でも良さそうだよ。

  犬ふぐりとも呼ばれるキャットニップ並に、猫が好きな匂いに近いし。

  ちなみに、商会ではソイの実以外に買ったのは、情報。と花蜜。

  魔法大国とエスペラント王国と帝国がある大陸の地図。

  特産の売りがあるダンジョンのある場所を聞きたいって、お願いしたの。

  冒険者ギルドの資料室にも多少は置いてあるけど、ほぼ周辺地域のみの物なので、網羅してる広域な物が欲しくて。

  そうすれば、「お売り物では無いですが…」と言って、差し出されたので……

  遠慮なく、自分が作ってた地図と擦り合わせさせて貰った。

  それで、行った事の無い場所でも、随分と詳しくなった。

  運搬の際などの注意事項なども書き込まれてたもんだから。

  もう1つの花蜜は、月光袋が1番採集の効率が良いから、咲いてる場所が分かってるのなら一も二もなく向かうけど、他にも無いわけではないの。

  まあ、月光袋よりも遥かに採集の手間が掛かってるので、高価だけど……

  薬師とすれば、意見は半々かなあ?

  それを使って、最上級回復薬を作ったら、どの様な効果が出るか分からないからねえ。

  金貨数十枚お金を捨てる様な事になりかねないので、慎重派は買わない。

  リーナも買わない派だけど、別に回復薬にだけ使わなきゃいけない。なんて事ないじゃない、ねえ。

  薬草畑に居るアベランの蜂蜜だって、料理や美容に使ってるくらいだし。

  あ、そうそう、調合に一般的に使ってるのは、ジャイアントビーの蜜だって話なので、比べるのに買ってきた。

  ちなみに、ソイの実もあって、気分は上々だったんだけど、上々じゃないから!

  赤点の子供、しつこい!

  だけど、さすがに、憲兵の駐屯所が隣だからか、戻って行った。

  でも、家を知られたっていうのが問題だわ。



  次の日、早速、薬師ギルドに行って、七日熱の気配を尋ねたら……

  口は開かれなかったけど、考え込んだ素振り。

  「そんな話を耳に…?」と反対に探られた。

  「いえ。ふと頭に浮かんだので、尋ねただけです!ここからの氷河って遠そうですし!道があるのかも知らないので…」

  慌て気味に言えば、息を吐いて納得してくれたみたい。

  けど、周囲を窺った後、小声で……

  「今年、長雨がやや遅れ気味だと、王都の方から話が来てたので、兆候が出るやも知れません。なので、頭の中に残しておいてください」

  えええ!それって暑くなるのが早くなるって事だよね!

  長雨が長く続くのも病気が起こりやすいけど、灼熱も起こりやすいんだよ!

  といっても、リーナの記憶によると、現代日本ほど蒸し暑くはない様だけど……

  毛皮を着てる獣人には耐えられないみたいだよ。

  それで、氷河に向かう決心が着いた。

  次の満月の時、晴れてたら月光袋の採集に行こうと思ってたけど、待たずして氷河に行こう!

  「もしや、行かれるつもりで?」

  小声で訊かれたので、言葉にはせず頷いておいた。

  ヒゲの反応は大事にする様にって、婆ちゃん言ってたし。

  向かうフラグは気にしないけど、七日熱が大流行するフラグだけは歓迎しないよ。

  ちなみに、地球で七日熱と呼ばれた天然痘とは違うと思う。

  七日以上続く高熱で命を落とすのは一緒だけど、痘は現れてないので。

  それに天然痘の方の原因は、水牛由来のウィルスで、人間が水牛を飼い始めて初めて起こったって習った覚えが……

  全然、前世の方の個人情報の記憶を思い出せないのに、知識情報に付いては浮かぶんだよねえ。

  食料チートのマヨネーズなんか、作るじゃなく買うでしょって思うけど……

  卵1個、酢大さじ1.5、砂糖小さじ半分、塩コショウに、サラダ油120mlと、自分だけで使う様な量のレシピが浮かんで来る。

  ということは……作ってたんだろうね。

  だって、ガーッと15~30秒ミキサーに掛けてってところまで。

  ただ、ここで作るとさあ、酢がワインの副産物だから、グレープビネガーなのでフルーティーなんだよねえ。

  それにミキサーの代わりをどうするって……

  あ、いけない!考え込んで、担当さんが良い笑顔になっちゃってる!


  「行かれるのであれば、バレジ村とトカレ村に運んでいただきたい物があるのですが」

  そう言われた物を届ける依頼を受けたけど、物を受け取るのは出掛ける前日だよ。

  あ!また居るよ赤点の少年!

  何が目的なのか分からないけど、迷惑だなあ。
















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