ハブられ系キョロ充幼馴染と恋をする

むすめっすめ

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母が拓生の自室を短くノックする

「お菓子持ってきたからね、ゆっくりしてってね、恭介くん。」

「ありがとうございます!!」

と言いながら早速お菓子に手をつける恭介、

こうゆう所も変わってないんだ...

俺はお菓子を口いっぱいに頬張る恭介を見て、なんとなく、幼い頃の恭介との記憶をめぐらせる。

恭介と初めて出会ったのは保育園年長の頃

俺の母親の親友の子供、それが恭介だった。

俺の母と恭介の母親が会う時は、必ずと言っていい程恭介と顔を合わせていた。
親が仲がいいから、家族ぐるみの仲で幼少期の記憶には大体恭介がいる。

「よろしく、おれ拓生。」

「...こんにちは!..おれきょうすけ!」

変な奴だな~とは雰囲気で分かった。
恭介は俺から見て何を考えてるのかよく分からなかった。いや、はたまた何も考えてないのか、どちらにせよ分からない奴だった。

保育園は違ったが、昔まだ恭介と家族ぐるみの仲だった時に、家族集まって保育園生の頃の恭介のビデオを見ると、お遊戯会では急に恭介が舞台に立ち保育士の人に取り押さえられる所でビデオが終わっていて、中々にカオスなものだった。
だが、俺も中々で皆が外で遊んでるのがビデオで撮られてる時、俺だけ中で遊んでいたらしく、無理矢理保育士さんに引っ張られたことで泣く様子が映っていた。
保育園では散々な奴だったと思う。

今思えば、俺は小学生の頃が1番充実していた気がする。

小学生の時は恭介がいたからだろうか、中学からは恭介が違う区に引っ越したことで俺の家とではギリギリ学区が違くて一緒の中学に通うことは叶わなかった。
(それで一時期荒れたこともあった...ただの黒歴史だ。)

まぁ、その分高校で再開するなんて思いもよらなかったが...

俺という人間はいつだって“オタクでぼっち“と言われる、それでも自分を僻んだことはないし、むしろ好きだが、マイペースというのは周りからすると自分勝手というらしい。

昔の俺はそれがワガママと言われるのが嫌で、人に合わせるか自分を押し通すかしか無いものだと思っていた。
実に“俺か、俺以外か“状態だ。(?)

昔の俺はマイペースからただの自己中になりかけていたが、そうならなくて済んだのは...

今俺の隣で俺のことなんか気にせず、お菓子を食いつくそうとしている恭介のおかげだ。

実を言うと俺は昔、恭介に片思いしていた。

昔は絶対認めたくなかったが、今はもう昔のことなので潔く認めている。
...多分、好きになった理由は根っからマイペースな俺は、恭介以外の友達と遊んでも反りが合わないことが多かった。だが、恭介は周りが見えないことが多いものの、周りを巻き込んだりはしなかった。
子供なのに久木拓生の聖域まで干渉してこなかったから、多分、それだけ。

...恥ずかしいこと言うが、恭介は俺の初恋で、マイペースな俺が初めて歩幅を合わせて歩いて行きたいと思った相手だった。

自己中になりかけて自他の境界が曖昧だった俺は、それからやっと自分について、他人についても考えて気遣うことで、自分という人間にピントがあった気がした。


恭介は俺にとって...

大切な...

その時、お菓子を一生懸命に頬張っている恭介と目が合う。

恭介は戸惑いながら俺とお菓子を交互に見ると、恭介の顔が段々と青ざめる。

「えっと...いや、ごめんなさい...」

恭介はシュンとした様子で俺に向き合い、謝る。

...なんか、ムズムズするな、俺さっきまで変なこと考えてたし...

「...別に、もういい、好きに食べて」

そっけなく言うと、恭介は食べるスピードだけを落として先程まではクッキーをサクサク食べていたのをハムハム食べていた。

その様子に少しだけど微笑んでしまう、

先程まで、もう恭介は昔とは違う、過去と区切りを付けよう、面倒事に関わりたくない、で恭介を突き放そうとしていたのに、ある意味変わらない恭介を見て安心して...

謎に絆されている気がする...




まともな会話もせず、少し居心地が悪いまま俺はゲームをし、恭介はお菓子をひたすらに食べていたら夕方になった。

その時ちょうど母から買い出しに行って欲しいと頼まれたので、恭介を駅まで送ることになった。

「あら、恭介くん...ウチでお夕飯食べていってもいいのよ?」

「え~!!ほんとに!?」

と恭介はウキウキしだす、
恭介...俺の家のお菓子食い尽くしたくせにまだ腹減ってるのかよ...

さっきまで恭介が俺に付きまとうの辞めさせようとしてたけどなぁ...俺もうグループメッセージから退出させられてるから...

クラスにおいて
退出通知=お前はいらない
ってコトですかね?

だとしたらなんかもうどーでもいい...別に激しくいじめられでもしない限り俺は耐えるつもりだし...

横目でチラリと恭介を見る
恭介は俺の母とニコニコで話している、その様子は昔と何ら変わりなく安心した。

...けどなんで、恭介はわざわざ陽キャとつるんでるんだ?

「拓生!」

そう母に呼ばれてハッと顔を上げる。

「な、何?」

「恭介くん、お父さんから連絡来てるみたいで、お夕飯一緒に食べれないって!」

「あぁ、そう...」

それを聞いて、なぜか少し安堵した気持ちになった。




駅まで恭介と歩く、

沈黙。
昔はどちらも沈黙なんて気にしなかったな、むしろ俺はずっと喋ってるより、間があった方が安心したまである。

だが恭介はこの空気を気まずいと思っているのか視線を泳がせている。

俺も...恭介のこと考えてると分からない故に、考えすぎてしまう。

他のことを考えることにした
今は比較的涼しい方だと思う。これから夏にかけて暑くなってくるんだろうな、そういえば髪の毛結構長くなってきた気がする。
夏になると汗で髪が貼り付いて気持ち悪いんだよな、家では髪の毛結んでるんだけど学校では注意されない限り結ばない...
なんでかって...まぁそう、

色々顔を見られないで誤魔化しが効くから。

結んでも俺の顔なんて見てるやついないけどな、中学の頃は多分暇な女子からストーカーされていてめんどくさかったから、嫌われるように長くしたんだけど...効果てきめん?

それより
風が吹いていて気持ちいい...

目をつぶり風を感じていると、隣から視線を感じる。 


「...何?」

流石に視線に耐えられなくて、恭介の方を見る
そうすると恭介は嬉しそうに微笑む。

「拓生!...久木拓生だ!」

「...?」

なに...?なんだ?
何を考えてるんだ恭介は...
それに、急に微笑まないで欲しい...
だって、恭介が俺の初恋なせいで俺のタイプは...マトモな奴じゃないんだ...

そのため、恭介は俺の好きなタイプどストライクということだ。ふざけてる。

「...それよりオタクってやっと呼ばなくなったな。」

「え、呼んで欲しくなかったの?みんな呼んでたから...」

やっぱりだ、恭介は色々勘違いしてるんだ。
そもそも俺の友達でもないクラスメイトがあだ名で俺の事呼ぶはずないだろ、それにオタクが愛称になるのか?

「皆、俺の名前でいじってるだけだよ。そもそも俺、陽キャの奴らと仲良くないのにあだ名で呼ぶなんておかしいと思わないのか?」

「そ、そうか~...そうなんだぁ...」

恭介はうんうんと唸る。

「いや、たしかに拓生って方がかっこいいかも!これから拓生って呼ぶ!」

「そうか...?」

なんか違う気がするが、納得したならいい。

...けど、これからって言葉が引っかかる。
これからも俺と一緒にいる気でいるんだ恭介は...

いや、だけど...

「害にならないなら...いいや。」

「?...何が?」

「いや、なんでも」

そんな学校生活が終わることでもないしな、軽く考えよう。

まぁ、これは...フラグにはならないだろう。

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