願掛けでどうにかなるものならば、とっくに好きだと言われている。

わをん

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あれ。の、詳細。

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 好きです、抱いてください——。

 生きるか、死ぬか。それくらいの勇気を振り絞って、僕は懇願した。

 そのときの刑部さんの顔は呆けていて、なかなかに間抜けだった。

 どんな顔をしていたっていい。僕は刑部さんが好きだ。子どもの時分に出会って、別れ、再会したときはすぐにわかった。

 口元のほくろ。

 食べ終わった刑部さんの口元にタマネギの切れ端がついているのを見て、手を伸ばした。

「ついてた? ありがとう」
「いいえ」

 迷わずに、何でもないことのようにしてそれを食べたら、

「え。ちょっと。何してんの、神林君。ダメだよ、それは」

 困ったような顔で笑われた。そんな言い方は反則だと思う。目の前のアラサーが愛おしくなって、自制がきかなくなった。

「刑部さんっ」
「うわっ!」

 衣類のとっ散らかった床に押し倒して、強引に跨った。欲情に濡れた目で涎を垂らさんばかりに刑部さんを見下ろす僕に、刑部さんは顔面蒼白になっていた。

 前はこれをして、体感的には秒で頬っぺたを引っ叩かれた。今回は叩かれなかった。刑部さんの怯えた顔を見ながら、シャツのボタンを自分でひとつずつ外していった。

「準備してきましたので、あとは刑部さんをその気にさせるだけなんです」
「ず、随分と自信が……、あるんだね?」
「僕、上手いですよ」
「え? 上手いの?」
「ええ、よく言われ……」

 瞬間的に刑部さんの目の色が変わった。鋭い眼光で睨まれたのに息が止まるほど吃驚した。

「神林君、……君、今、何て?」
「え、あ、あの」
「こういうことを他でもするってそう言ったのか? 何それ。許しがたいんだけど」

 許しがたい? 聞き間違えか?

 刑部さんが上体を起こした。こっちはすっかりタマシイが抜けていた。そのまま逆に押し倒された。形勢逆転。

「向こうで男漁りしてたんだ? 神林君は男なら誰でもいいってことだ?」
「え? ……いえ?」

 刑部さんが僕を哀しげな顔で見下ろしている。もしかしなくても、これは嫉妬じゃないだろうか。

「ちが……」
「自分でそう言ったんだろ。遊んでるって」

 違います。ごめんなさい、ミスリードがありました。僕は未経験者です。でも、知識はありますし、太めのきゅうりなどで練習してきました。

 刑部さんを本気にさせてしまったようだ。望んでいたことなのに、組み敷かれたときには、怖い、と思ってしまった。

「舐めてくれるの?」
「はい」
「じゃ、がんばって」
「え?」

 それで始まったのは——。

 イラマだった。

「ゔ……っ」

 僕の頭を片手で掴んで、さして元気のないソレを一気に喉奥まで押し込まれては、首を振って逃げたくもなる。だが、許されなかった。

 刑部さんの息が乱れていた。ソレはやっぱり大きくて、驚くべきことに次第に固くなっていた。それでとうとう、ウエッとえずいてしまった。

「ヘタクソだな」
「………」

 刑部さんのソレが僕の口からポロッと外れた。ソレの先端が僕の鼻に掠め、目の前に血管の浮き出た赤黒いそれが全貌を現した。

「尻、こっち向けてよ。入れてあげる」
「え、あ、はい……」

 急展開だ。のそのそ位置替えをしていたら、苛つかれて腰を引っ張られ、強引にズボンを剥かれた。四つん這いにされたあとは早かった。間髪容れずに後ろから無遠慮に突き刺された。

「ゔっ……」
「あ、本当だね。こっちは簡単に入った」
「あゔっ……」

 貫かれ、激しく中を擦られる。想像以上に凄まじい違和感に襲われた。

 無機物なディルドしか入れたことのないソコに初めて本物を入った。舐めたおかげで濡れてるし、ジェルを使って拡張してきたから、裂けてはないはず、問題ないはず。

 だが、とんでもなく痛い。

「うっ、……あっ」

 問題は刑部さんの腰の動きが存外に激しすぎることだった。刑部さんになら何をされてもいいと思っていたが、体が自然と逃げてしまうほどに攻められ続けた。

「あっ、あっ、あっ」

 初めてだってことが、バレてしまっただろうか。遊び慣れてないと刑部さんに抱いてもらえない、そんな不安が拭えない。

 だって、刑部さんはカッコいい人だから。
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