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日常編
11 家宝にします
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体調が悪い。陽波は業務を終えるなり、ロッカールームで座り込んでしまった。朝の時点では良かったものの、時間が経つにつれ悪化したのだ。
頭痛と寒気、倦怠感がある。風邪か、単なる寝不足かもしれない。昨夜、寝付けずに漠然と将来のことを考えたら余計に眠れなくなってしまったのだった。
「ハア~……」
昨日は魔法少女として戦いもした。疲労が回復しないまま仕事をして、ちょっぴり残業して、今だ。ちなみに織部は定時で帰った。
同じく居残っていたらしい他の女性社員が、うずくまる陽波に声をかけた。
「平牧さん、体調悪いの? 大丈夫?」
「あ。大丈夫です。ちょっと休んだら帰るので気にしないでください」
「そう? ならいいけど……」
その後も帰宅するらしい女性社員が何人も出入りしては、陽波を気遣った。その度に陽波は「すぐ帰るんで~」と言いつつロッカールームに居座り続けた。
「しんどい」
陽波は少し休んだら帰るつもりでいた。だからこそ他の社員の気遣いも断り続けたのである。
しかし寒気が酷い。いくら身を丸くしてもロッカールームは底冷えする。陽波はぼんやり考えていた。
――こういう時、頼れる人がいればいいんだけどなあ。
鞄からスマホを出したところで、連絡する相手がいるわけでもない。そう思うと寂しさが湧き上がって来る。
ふとアストの顔が浮かんだが、彼に迎えに来てもらうのも無理なことだ。地球の人間社会とは無関係の存在である。
アストとはあくまで魔法少女としての間柄でしかない。陽波の生活全てを支えてもらうわけにはいかないのだ。
それに。陽波は自分でも分かっていた。一度頼ってしまえば、ずっと頼りにしてしまう。アストは近い未来にいなくなる。陽波が頼っていい存在ではない。
「私って孤独……」
アスト以外、となると頼れる相手はいない。織部が頼れるのはあくまで仕事上で、である。
陽波は自身の孤独さを痛感した。織部がやたらと陽波の彼氏を作ろうとしていたのも理解出来る。彼氏だの家族だのは、要は支え合う相手なのだ。
「あー、いいや。知らん。もうちょっとだけ休んでから帰ろ」
暗いことを考えるのはやめた。どう足掻いても陽波は一人である。それなら自分で何とかするしかない。息を吐いて再び目を閉じた。
頭痛と寒気、倦怠感がある。風邪か、単なる寝不足かもしれない。昨夜、寝付けずに漠然と将来のことを考えたら余計に眠れなくなってしまったのだった。
「ハア~……」
昨日は魔法少女として戦いもした。疲労が回復しないまま仕事をして、ちょっぴり残業して、今だ。ちなみに織部は定時で帰った。
同じく居残っていたらしい他の女性社員が、うずくまる陽波に声をかけた。
「平牧さん、体調悪いの? 大丈夫?」
「あ。大丈夫です。ちょっと休んだら帰るので気にしないでください」
「そう? ならいいけど……」
その後も帰宅するらしい女性社員が何人も出入りしては、陽波を気遣った。その度に陽波は「すぐ帰るんで~」と言いつつロッカールームに居座り続けた。
「しんどい」
陽波は少し休んだら帰るつもりでいた。だからこそ他の社員の気遣いも断り続けたのである。
しかし寒気が酷い。いくら身を丸くしてもロッカールームは底冷えする。陽波はぼんやり考えていた。
――こういう時、頼れる人がいればいいんだけどなあ。
鞄からスマホを出したところで、連絡する相手がいるわけでもない。そう思うと寂しさが湧き上がって来る。
ふとアストの顔が浮かんだが、彼に迎えに来てもらうのも無理なことだ。地球の人間社会とは無関係の存在である。
アストとはあくまで魔法少女としての間柄でしかない。陽波の生活全てを支えてもらうわけにはいかないのだ。
それに。陽波は自分でも分かっていた。一度頼ってしまえば、ずっと頼りにしてしまう。アストは近い未来にいなくなる。陽波が頼っていい存在ではない。
「私って孤独……」
アスト以外、となると頼れる相手はいない。織部が頼れるのはあくまで仕事上で、である。
陽波は自身の孤独さを痛感した。織部がやたらと陽波の彼氏を作ろうとしていたのも理解出来る。彼氏だの家族だのは、要は支え合う相手なのだ。
「あー、いいや。知らん。もうちょっとだけ休んでから帰ろ」
暗いことを考えるのはやめた。どう足掻いても陽波は一人である。それなら自分で何とかするしかない。息を吐いて再び目を閉じた。
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