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亡くした言葉は戻らない
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「どうしてッ!どうして治らないんだ!」
男の子が言葉一つ一つを紡ぐ間にもロボットのバッテリーは低下していく。
「心臓におけるパーツが不足しております、御坊ちゃま」
「音声機能を使うんじゃない!バッテリーが早く減るだろ!」
赤いランプの点滅が激しくなる。
「どこだ…どこにあるんだそのパーツは!」
「それは…御坊ちゃまの心臓に御座います」
「御坊ちゃまは生まれた際、酷い先天性心臓疾患を患っておられました。
更に生まれた場所が自宅だったため、医療機器が足りず、私のパーツをいくつか代用しました。」
節約モードにより抑揚のなくなった声が響く。
「………」
男の子は、他のロボットと闘ったために千切られてズタズタになったロボットの右腕を取り、
心臓に突き刺した。
「ぐぁっ!!」
男の子はガクガクと立ってもいられず床に倒れ込む。
「何をなされます御坊ちゃま!やめてくださいませ!」
「俺が死ねばお前は治るのだろう?」
「早くっ!その左手で機械を取り出……がはっ!!」
「御坊ちゃま!」
やがて男の子は体の震えが止まり、静かに横たわった。
「御坊ちゃま…私が器用なことが出来ないことを知って、わざとやりましたね…一緒に逝くために。」
暫くして、けたたましいアラートが鳴り、
直後にロボットも活動を停止した。
男の子が言葉一つ一つを紡ぐ間にもロボットのバッテリーは低下していく。
「心臓におけるパーツが不足しております、御坊ちゃま」
「音声機能を使うんじゃない!バッテリーが早く減るだろ!」
赤いランプの点滅が激しくなる。
「どこだ…どこにあるんだそのパーツは!」
「それは…御坊ちゃまの心臓に御座います」
「御坊ちゃまは生まれた際、酷い先天性心臓疾患を患っておられました。
更に生まれた場所が自宅だったため、医療機器が足りず、私のパーツをいくつか代用しました。」
節約モードにより抑揚のなくなった声が響く。
「………」
男の子は、他のロボットと闘ったために千切られてズタズタになったロボットの右腕を取り、
心臓に突き刺した。
「ぐぁっ!!」
男の子はガクガクと立ってもいられず床に倒れ込む。
「何をなされます御坊ちゃま!やめてくださいませ!」
「俺が死ねばお前は治るのだろう?」
「早くっ!その左手で機械を取り出……がはっ!!」
「御坊ちゃま!」
やがて男の子は体の震えが止まり、静かに横たわった。
「御坊ちゃま…私が器用なことが出来ないことを知って、わざとやりましたね…一緒に逝くために。」
暫くして、けたたましいアラートが鳴り、
直後にロボットも活動を停止した。
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