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はこ
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実家の物置から、見覚えのない箱が出て来た。
木製で掘り込みの飾りがあるような箱が出て来た。
蓋のような物はあるが、それが開くことはない。
特定の手順で箱を操作することで開く様になる仕掛箱ではないか、そう、女の父は言った。
女は色々箱をいじるが、その箱を開けることなどできない。
箱のいろんな面が動きそうで動かない。
女は散々試しても開かないその箱を諦める。
女の父はもうしばらくその箱を開けようと、色々いじってはいたが、その箱が開くことはなかった。
夜になり、父は箱を開けることを諦める。
その代わり、今度は女の母が箱をいじり出す。
女の母は箱に小さなつまみがついてあることを発見する。
飾りに紛れて女も、その父もそのつまみに気づけなかったのだ。
女の母がつまみを捻ると、箱の側面が動く様になる。
やはり仕掛箱のようで正解の手順で側面を動かしていかないと、箱は開かないようだ。
興味をなくしていた女の父も箱に再びその箱に興味を持つ。
夕食を食べ終わった後、女の父は箱を憑りつかれたようにいじり出す。
女はそんな父を横目に風呂に入る。
風呂から出ると、父は再び箱に飽きたらしく机の上に置きっぱなしになっていた。
女も気にはなっていたので、寝る前に少しだけ箱をいじる。
つまみを捻って、側面の板を動かす。
色々なパターンを試すが、箱の蓋が開くことはない。
そこで女はつまみに注目する。
一度つまみを捻り、箱の側面を動かした後で、つまみを戻す。
そうやって色々と箱をいじる。
そうしているとカチッと音が箱からする。
女は箱の上面の蓋を持つと箱が開く。
ゆっくりと蓋を開ける。
中には丸められた布が入っていた。
高級そうな厚い布だ。
女は固唾をのんで、その布を捲る。
布の中にくるんであった物に、女は悲鳴を上げる。
それは三分の二ほど欠けた髑髏だった。
上顎から目のくぼみくらいのみ存在する髑髏だったのだ。
悲鳴を聞いて女の両親がやって来る。
そして、両親も箱の中身を見て驚く。
なんでこんなものがうちの物置にと。
女の父はすぐに警察に電話する。
警察で調べてもらった結果、この髑髏、頭蓋骨、その一部はなんと江戸時代ほど昔の物ということで事件性はないとのことだ。
なぜそんな物が女の家の物置にあったのか、それは不明のままだ。
女の父は仕掛箱ごと、その髑髏を近くの博物館に寄贈した。
なぜなら、箱の中にあった、恐らくは頭蓋骨の人物は、女の家系とは全く関係のない人物の物だったからだ。
それがわかったのは、箱の中に頭蓋骨とは別に頭蓋骨の人物の家系図が書かれた紙もはいっていたからだ。
それは女の家と全くかかわりのない家であり、今ではその家系は断絶されていたからだ。
博物館に寄贈したのは正解だったかもしれない。
木製で掘り込みの飾りがあるような箱が出て来た。
蓋のような物はあるが、それが開くことはない。
特定の手順で箱を操作することで開く様になる仕掛箱ではないか、そう、女の父は言った。
女は色々箱をいじるが、その箱を開けることなどできない。
箱のいろんな面が動きそうで動かない。
女は散々試しても開かないその箱を諦める。
女の父はもうしばらくその箱を開けようと、色々いじってはいたが、その箱が開くことはなかった。
夜になり、父は箱を開けることを諦める。
その代わり、今度は女の母が箱をいじり出す。
女の母は箱に小さなつまみがついてあることを発見する。
飾りに紛れて女も、その父もそのつまみに気づけなかったのだ。
女の母がつまみを捻ると、箱の側面が動く様になる。
やはり仕掛箱のようで正解の手順で側面を動かしていかないと、箱は開かないようだ。
興味をなくしていた女の父も箱に再びその箱に興味を持つ。
夕食を食べ終わった後、女の父は箱を憑りつかれたようにいじり出す。
女はそんな父を横目に風呂に入る。
風呂から出ると、父は再び箱に飽きたらしく机の上に置きっぱなしになっていた。
女も気にはなっていたので、寝る前に少しだけ箱をいじる。
つまみを捻って、側面の板を動かす。
色々なパターンを試すが、箱の蓋が開くことはない。
そこで女はつまみに注目する。
一度つまみを捻り、箱の側面を動かした後で、つまみを戻す。
そうやって色々と箱をいじる。
そうしているとカチッと音が箱からする。
女は箱の上面の蓋を持つと箱が開く。
ゆっくりと蓋を開ける。
中には丸められた布が入っていた。
高級そうな厚い布だ。
女は固唾をのんで、その布を捲る。
布の中にくるんであった物に、女は悲鳴を上げる。
それは三分の二ほど欠けた髑髏だった。
上顎から目のくぼみくらいのみ存在する髑髏だったのだ。
悲鳴を聞いて女の両親がやって来る。
そして、両親も箱の中身を見て驚く。
なんでこんなものがうちの物置にと。
女の父はすぐに警察に電話する。
警察で調べてもらった結果、この髑髏、頭蓋骨、その一部はなんと江戸時代ほど昔の物ということで事件性はないとのことだ。
なぜそんな物が女の家の物置にあったのか、それは不明のままだ。
女の父は仕掛箱ごと、その髑髏を近くの博物館に寄贈した。
なぜなら、箱の中にあった、恐らくは頭蓋骨の人物は、女の家系とは全く関係のない人物の物だったからだ。
それがわかったのは、箱の中に頭蓋骨とは別に頭蓋骨の人物の家系図が書かれた紙もはいっていたからだ。
それは女の家と全くかかわりのない家であり、今ではその家系は断絶されていたからだ。
博物館に寄贈したのは正解だったかもしれない。
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