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やねうらべや
やねうらべや
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少女の友人は裕福だ。
別荘を持つほど裕福だ。
少女はそんな友人に誘われ、週末に友人の別荘へと遊びに来ていた。
正確には遊びではなく、別荘の掃除をするという条件で土日を過ごす、という物だが。
避暑地として有名な場所に建てられた別荘だ。
掃除と言っても、毎年使っている物で手の込んだ掃除をするものでもない。
ただ真面目な少女は別荘について早々掃除を頑張る。
その間に友人の親が買い出しへと出かけていく。
埃が少し溜まっていたくらいだが、それほど汚れてもいない。
少女が掃除していると、天井に見慣れない物を見つける。
友人に聞くと、屋根裏部屋への入り口だという。
友人は長い棒のようなものを持って来て、それをひっかけ、屋根裏部屋へと続く階段を降ろす。
少女はそれに驚き、感動する。
こんなもの、映画かゲームの中でしか見たことがなかったと。
そして、屋根裏部屋へと上がっていく。
屋根裏部屋に上がったところで、少女は異臭に気づく。
生臭く脂っぽい独特の臭いが屋根裏部屋に立ち込めている。
そして、辺り一面に、太い毛のような物があちらこちらに落ちている。
友人はそれを見て、なんかが入り込んだのかも、と言って、少女と共に屋根裏部屋から出して、屋根裏部屋を閉めた。
少女が友人に掃除はしなくてよいの、と聞くと、野生の動物だったら危険だから親が帰ってくるのを待つ、と友人は答える。
そうこうして言えると、屋根裏部屋をなにかが走り回るような音が聞こえて来る。
少女と友人はやっぱり何かいるね、と、少し不安になる。
その後、友人の親が帰って来て、そのことを伝える。
友人の父親は箒を持って屋根裏部屋に上がっていく。
しばらくして、戻って来るが、確かになんかいたような形跡はあったが何もいなかった、と少女と友人に伝える。
でも足音が、と少女がいると、狸か何かだろうし、後で業者を呼んで点検させる、と言った。
その夜は別荘の庭でバーべキュウなどをして少女は楽しんだ。
そして、いざ寝るとなった時だ。
少女と友人は同じ部屋で寝ることとなった。
話に夢中なりなり、日付も変わったくらいの時間だ。
天井から何かが、降りて来た。
猫よりも少し大きいくらいの大きさの獣だ。
小さく黒い毛並みをもった狸かアライグマのような、そんな恰好をしているのだが、顔が、人のそれだ。
年老いた老人のような顔をした獣が、天井から落ちて来たのだ。
それを見た少女と友人は大きな悲鳴を上げる。
すぐに友人の父親がやって来るのだが、父親も人面獣を見て絶句する。
すると人面獣は、何か言葉を放つ、ただし少女達に理解できる言葉ではない。
どこかでたらめの外国語のような言葉でしゃべりかけられ、その場にいた全員が唖然とする。
その間に、人面獣は開きかけの窓から、飛びだして、夜の闇へと消えていった。
あれが何だったのか、少女はわからない。
ただ少女にはあまり良くないものに思えて仕方なかった。
ただ少女にも少女の友人やその家族にも、何かがあったわけではない。
あれが何だったのか終始わからずじまいだ。
別荘を持つほど裕福だ。
少女はそんな友人に誘われ、週末に友人の別荘へと遊びに来ていた。
正確には遊びではなく、別荘の掃除をするという条件で土日を過ごす、という物だが。
避暑地として有名な場所に建てられた別荘だ。
掃除と言っても、毎年使っている物で手の込んだ掃除をするものでもない。
ただ真面目な少女は別荘について早々掃除を頑張る。
その間に友人の親が買い出しへと出かけていく。
埃が少し溜まっていたくらいだが、それほど汚れてもいない。
少女が掃除していると、天井に見慣れない物を見つける。
友人に聞くと、屋根裏部屋への入り口だという。
友人は長い棒のようなものを持って来て、それをひっかけ、屋根裏部屋へと続く階段を降ろす。
少女はそれに驚き、感動する。
こんなもの、映画かゲームの中でしか見たことがなかったと。
そして、屋根裏部屋へと上がっていく。
屋根裏部屋に上がったところで、少女は異臭に気づく。
生臭く脂っぽい独特の臭いが屋根裏部屋に立ち込めている。
そして、辺り一面に、太い毛のような物があちらこちらに落ちている。
友人はそれを見て、なんかが入り込んだのかも、と言って、少女と共に屋根裏部屋から出して、屋根裏部屋を閉めた。
少女が友人に掃除はしなくてよいの、と聞くと、野生の動物だったら危険だから親が帰ってくるのを待つ、と友人は答える。
そうこうして言えると、屋根裏部屋をなにかが走り回るような音が聞こえて来る。
少女と友人はやっぱり何かいるね、と、少し不安になる。
その後、友人の親が帰って来て、そのことを伝える。
友人の父親は箒を持って屋根裏部屋に上がっていく。
しばらくして、戻って来るが、確かになんかいたような形跡はあったが何もいなかった、と少女と友人に伝える。
でも足音が、と少女がいると、狸か何かだろうし、後で業者を呼んで点検させる、と言った。
その夜は別荘の庭でバーべキュウなどをして少女は楽しんだ。
そして、いざ寝るとなった時だ。
少女と友人は同じ部屋で寝ることとなった。
話に夢中なりなり、日付も変わったくらいの時間だ。
天井から何かが、降りて来た。
猫よりも少し大きいくらいの大きさの獣だ。
小さく黒い毛並みをもった狸かアライグマのような、そんな恰好をしているのだが、顔が、人のそれだ。
年老いた老人のような顔をした獣が、天井から落ちて来たのだ。
それを見た少女と友人は大きな悲鳴を上げる。
すぐに友人の父親がやって来るのだが、父親も人面獣を見て絶句する。
すると人面獣は、何か言葉を放つ、ただし少女達に理解できる言葉ではない。
どこかでたらめの外国語のような言葉でしゃべりかけられ、その場にいた全員が唖然とする。
その間に、人面獣は開きかけの窓から、飛びだして、夜の闇へと消えていった。
あれが何だったのか、少女はわからない。
ただ少女にはあまり良くないものに思えて仕方なかった。
ただ少女にも少女の友人やその家族にも、何かがあったわけではない。
あれが何だったのか終始わからずじまいだ。
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