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番外編その2 愛しい猛獣の作り方
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「神様……俺、このままじゃスタートラインにすら立てる気がしないんですけど」
「案ずるな、最も苦痛な箇所は通り過ぎた。なに、あとは出すはずの穴に挿れられる気持ち悪さを我慢すれば終わる。ヴィナ、お主ならこの程度の苦痛は造作も無かろう?」
「それ、全然慰めになっていませんって! ! あと前世の俺も、こんな穴の中を怪我した覚えはありません!」
あまりの苦痛にすっかり縮み上がった雄芯は、いつの間にか先ほどのリングを通されていたようだ。
根元を取り巻くリングは確かにサイズが合っているのだろう、ぐらつくことも無ければ特段の締め付けも感じない。
「このリングで貞操具が抜けないよう固定するから、あまり緩いのは問題でだな」と話す神様の声をぼんやり聞いていれば、ふと先端に冷たい感触が触れる。
ソファに沈み込みながらもチラリとそちらを見れば、ムシュカが手袋を着けて、鈴口の周りを湿った綿球でせっせと拭っていた。
「ここはしっかり消毒しておいた方がよいらしい。お主の中を傷つけては大変だからな」
「もう十分傷ついた気がしますけど……」
念入りに消毒された亀頭に、あらかじめ封を切っておいたパウチからとろとろと透明な蜜が垂らされる。
どうやらこれは潤滑剤のようだ。普段利用する場所とは異なりばい菌に弱い場所だから、潤滑剤も一回使い切りの清潔な物を使用するのだと説明しながら、神様は左手でそっと中心を支え、右手に貞操帯の檻パーツを持ち、そこから伸びるチューブの先端を鈴口につん、と触れさせた。
良く見ると、チューブにも潤滑剤はまぶされているようだ。
先端の金属は思ったより冷たくて、思わず「ひっ」と乾いた悲鳴が新太の口から漏れた。
「そ、それ、本当に挿れるんですか!?」
「これが無いと、うっかり抜けてしまうことがあるのだ。なに、思ったほどの違和感はないから案ずるな」
「いやいやそんな長い物を入れて、違和感無しとかあり得ないですってば、んぅ……っ!」
つぷ……ずるり……
新太の抵抗も虚しく、はくはくと震える小さな口にチューブが押し込まれる。
潤滑剤のお陰で何の抵抗もなくするすると咥え込まれていく感触は、少しだけしみるような痛みと、竿の裏側になんとも言えない違和感を生じさせ、思わず新太は眉根を寄せた。
「うぅ……気持ち悪いぃ……」
「まだ狭いところを通っているからな。この通り道は奥の方で直角に曲がっておって、そのあたりは少し広くなっているのだそうだ。ちょうどそこに先端が当たると違和感が一気に減る」
「そ、そういうもの……?」
「ちなみに更に奥の方に入れるとだな、お主がいつも愛でてくれる『めすいきすいっち』に当たって実に悦い感じに」
「それは勘弁して下さい! ……あ、あれ? なんか変な感じがましになった気が」
とん、と亀頭に檻が触れれば、ムシュカはそのまま力を入れて先ほど根元に通したリングへと近づけていく。
(にしても……いつもながらよく調べているよなあ……)
蕩々と語られる知識は実に詳しく、どこか情感が籠もっている。
恐らく神様のことだから、やると決めた以上は完璧にせねばと、全ての暇な時間をこの変態な情報探索に費やしたのだろう。
その情熱を向ける方向はどうかと思うが、これも自分への愛のためと思えばまぁ、新太とて悪い気は……しないけど、やっぱり神様はどこか残念極まりない。
「ムシュカ様、今回はどこでこんな情報を見つけたんですか……? いかがわしいサイトの体験談とかです?」
「そうだな、検索もしたし、えすえぬえすでも情報を拾ったぞ。それに、こういうときは愛しい人と同じ物がついているというのが便利で良いな、いくらでも試すことが出来る」
「そうですね……そうですねええ!?」
(いくらでも、試すって……ちょっと待った、え、それってつまり……はああぁ!?)
男の徴をぐりぐりと押しながら発せられた、新太の素朴な問いへの返答は、実に予想外のものであった。
一瞬にして新太の脳内で、この銀色の檻を着けた麗しの神様の姿が大量に生成されたのも、仕方の無い話であろう。
(そっそんな、これを神様が自分で……つまりあの美しい股間が銀色に輝く檻に閉じ込められて……あわわわ……!)
「後はここのピンと穴を合わせて、鍵をかければできあがりだ。これが意外と合わせにくくてな……」
そんな愛し子の異変にも気付かず、ムシュカは嬉々として自分用の貞操具を試しに購入したこと、新太が1週間の出張に出かけている間に何度も装着と脱着を繰り返し、時には仕事にも着けていって(!)経験を積んだことを語る。
――ここに来て無自覚に供給のお替わりを提供してくるとは、神様は今日も絶好調だ。
「鏡で見ると多少不自然な膨らみがある気もするが、細身のズボンで押さえれば意外と気付かれないものでな。ただトイレが少々大変で……ぬ、ヴィナよ、少し落ち着いてくれぬか? なかなかピンが穴に、んっ、入らぬのだが」
「そんな、推し自ら新たな18禁供給を増やしてきたら、息子さんだって尊さに喜んじゃいますよおぉ!」
「なんと、今のどこが供給であったのだ! ? 推しとはどうにも難しい概念であるな!」
ともかくしょぼくれさせるべし! との勅命に慌てて素数を数えたところで、推しの大量供給があっさり消え失せるはずも無く。
結局「かくなる上は……少し握ってみてはどうか」とちょっぴり赤くなったふぐりに神様が手を伸ばしたお陰で、現金な息子さんは見る間に大人しくなるのであった。
◇◇◇
……そうして。
「ん、これでよいな。どうだヴィナ、管の違和感は感じるか?」
「いえ、無いわけでは無いですが……本当に楽になりましたね……」
「これならずっと入れっぱなしでも、十分耐えられよう? ……ふふ、分かっていたとは言え実際に見ると凄いものだな。お主の立派な逸物が、これほど小さな檻に押し込められるとは」
「…………っ」
かちん、と鈍い音を立てて、リングと檻のパーツが組み合わさる。
ずれないように指で押さえられた下腹部は、本当に掌に収まる小さな金属の中に閉じ込められていて――
「……あ…………」
途端、言い知れぬ不安がぞわりと新太の背中を駆け上がった。
(……あぁ…………これ、このまま俺、閉じ込められる……!)
鼓動が、早くなる。
気がつけば身体はカタカタと震えていて、これから放り込まれる未知の世界への恐怖が、インクの染みのようにじわじわと心を染め上げていく。
それは遠い世界で命をかけて戦い続けてきたときとも、この世界で真っ当な思考を奪われるほどの過労に消耗していたときとも違う、本能に訴える得体の知れない何かで。
(どうしよう、どうしよう……)
不安の正体も分からぬまま、ぐるぐると回り続ける思考に翻弄されかけたその時、新太はふと額に温かさを感じた。
ぎぎぎと音がしそうなぎこちなさで動いた瞳が捉えたのは、片手を己の急所に添え、もう片方の手を額にかざし……すい、といつもの加護を描く、愛しい神様の穏やかな笑顔だ。
「……ムシュカ様」
「大丈夫だ、ヴィナ。お主の本性を解き放つために、少しだけここには我慢して貰うだけだからな。……外せばちゃんと、今まで通り元気になる。だから何も案ずるでない!」
「…………はい」
(そっか。ムシュカ様も多分最初は、同じだった……使い物にならなくなるかもって、怖かったんだ)
きっと神様は、愛し子を少しでも安心させるために、まず自らの身体を差し出したのだろう。
……まぁ、彼のことだろうから好奇心も多分にあったとは思うが、少なくとも彼は異世界の、それも急所に取り付ける未知の道具を試しもせずに伴侶に着けるような、薄情なお方では無い。
(……神様が大丈夫って言ってるなら、うん、大丈夫)
細長いシリンダー錠を刺した鍵が、組み合わさった上部の筒の中に横からすっと差し込まれる。
くるりと回された鍵は、錠を筒の中にのこしかすかな音を立てて引き抜かれ、そのままチェーンを通してムシュカの胸元へ。
「……うむ、しっかり施錠出来ておるな。ではヴィナよ、これより十日間は自ら慰めることと精を放つことを禁じる」
「承知しました、ムシュカ様。……ほんっとうに、俺がどうなっても……嫌わないで下さいよ?」
「嫌うわけがなかろう、どんなお主も私の自慢の愛し子に変わりは無い」
無言で見つめ合った二人は、そっと唇を交わす。
――こうして、神様による愛し子の猛獣化計画は幕を開けたのである。
「案ずるな、最も苦痛な箇所は通り過ぎた。なに、あとは出すはずの穴に挿れられる気持ち悪さを我慢すれば終わる。ヴィナ、お主ならこの程度の苦痛は造作も無かろう?」
「それ、全然慰めになっていませんって! ! あと前世の俺も、こんな穴の中を怪我した覚えはありません!」
あまりの苦痛にすっかり縮み上がった雄芯は、いつの間にか先ほどのリングを通されていたようだ。
根元を取り巻くリングは確かにサイズが合っているのだろう、ぐらつくことも無ければ特段の締め付けも感じない。
「このリングで貞操具が抜けないよう固定するから、あまり緩いのは問題でだな」と話す神様の声をぼんやり聞いていれば、ふと先端に冷たい感触が触れる。
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「ここはしっかり消毒しておいた方がよいらしい。お主の中を傷つけては大変だからな」
「もう十分傷ついた気がしますけど……」
念入りに消毒された亀頭に、あらかじめ封を切っておいたパウチからとろとろと透明な蜜が垂らされる。
どうやらこれは潤滑剤のようだ。普段利用する場所とは異なりばい菌に弱い場所だから、潤滑剤も一回使い切りの清潔な物を使用するのだと説明しながら、神様は左手でそっと中心を支え、右手に貞操帯の檻パーツを持ち、そこから伸びるチューブの先端を鈴口につん、と触れさせた。
良く見ると、チューブにも潤滑剤はまぶされているようだ。
先端の金属は思ったより冷たくて、思わず「ひっ」と乾いた悲鳴が新太の口から漏れた。
「そ、それ、本当に挿れるんですか!?」
「これが無いと、うっかり抜けてしまうことがあるのだ。なに、思ったほどの違和感はないから案ずるな」
「いやいやそんな長い物を入れて、違和感無しとかあり得ないですってば、んぅ……っ!」
つぷ……ずるり……
新太の抵抗も虚しく、はくはくと震える小さな口にチューブが押し込まれる。
潤滑剤のお陰で何の抵抗もなくするすると咥え込まれていく感触は、少しだけしみるような痛みと、竿の裏側になんとも言えない違和感を生じさせ、思わず新太は眉根を寄せた。
「うぅ……気持ち悪いぃ……」
「まだ狭いところを通っているからな。この通り道は奥の方で直角に曲がっておって、そのあたりは少し広くなっているのだそうだ。ちょうどそこに先端が当たると違和感が一気に減る」
「そ、そういうもの……?」
「ちなみに更に奥の方に入れるとだな、お主がいつも愛でてくれる『めすいきすいっち』に当たって実に悦い感じに」
「それは勘弁して下さい! ……あ、あれ? なんか変な感じがましになった気が」
とん、と亀頭に檻が触れれば、ムシュカはそのまま力を入れて先ほど根元に通したリングへと近づけていく。
(にしても……いつもながらよく調べているよなあ……)
蕩々と語られる知識は実に詳しく、どこか情感が籠もっている。
恐らく神様のことだから、やると決めた以上は完璧にせねばと、全ての暇な時間をこの変態な情報探索に費やしたのだろう。
その情熱を向ける方向はどうかと思うが、これも自分への愛のためと思えばまぁ、新太とて悪い気は……しないけど、やっぱり神様はどこか残念極まりない。
「ムシュカ様、今回はどこでこんな情報を見つけたんですか……? いかがわしいサイトの体験談とかです?」
「そうだな、検索もしたし、えすえぬえすでも情報を拾ったぞ。それに、こういうときは愛しい人と同じ物がついているというのが便利で良いな、いくらでも試すことが出来る」
「そうですね……そうですねええ!?」
(いくらでも、試すって……ちょっと待った、え、それってつまり……はああぁ!?)
男の徴をぐりぐりと押しながら発せられた、新太の素朴な問いへの返答は、実に予想外のものであった。
一瞬にして新太の脳内で、この銀色の檻を着けた麗しの神様の姿が大量に生成されたのも、仕方の無い話であろう。
(そっそんな、これを神様が自分で……つまりあの美しい股間が銀色に輝く檻に閉じ込められて……あわわわ……!)
「後はここのピンと穴を合わせて、鍵をかければできあがりだ。これが意外と合わせにくくてな……」
そんな愛し子の異変にも気付かず、ムシュカは嬉々として自分用の貞操具を試しに購入したこと、新太が1週間の出張に出かけている間に何度も装着と脱着を繰り返し、時には仕事にも着けていって(!)経験を積んだことを語る。
――ここに来て無自覚に供給のお替わりを提供してくるとは、神様は今日も絶好調だ。
「鏡で見ると多少不自然な膨らみがある気もするが、細身のズボンで押さえれば意外と気付かれないものでな。ただトイレが少々大変で……ぬ、ヴィナよ、少し落ち着いてくれぬか? なかなかピンが穴に、んっ、入らぬのだが」
「そんな、推し自ら新たな18禁供給を増やしてきたら、息子さんだって尊さに喜んじゃいますよおぉ!」
「なんと、今のどこが供給であったのだ! ? 推しとはどうにも難しい概念であるな!」
ともかくしょぼくれさせるべし! との勅命に慌てて素数を数えたところで、推しの大量供給があっさり消え失せるはずも無く。
結局「かくなる上は……少し握ってみてはどうか」とちょっぴり赤くなったふぐりに神様が手を伸ばしたお陰で、現金な息子さんは見る間に大人しくなるのであった。
◇◇◇
……そうして。
「ん、これでよいな。どうだヴィナ、管の違和感は感じるか?」
「いえ、無いわけでは無いですが……本当に楽になりましたね……」
「これならずっと入れっぱなしでも、十分耐えられよう? ……ふふ、分かっていたとは言え実際に見ると凄いものだな。お主の立派な逸物が、これほど小さな檻に押し込められるとは」
「…………っ」
かちん、と鈍い音を立てて、リングと檻のパーツが組み合わさる。
ずれないように指で押さえられた下腹部は、本当に掌に収まる小さな金属の中に閉じ込められていて――
「……あ…………」
途端、言い知れぬ不安がぞわりと新太の背中を駆け上がった。
(……あぁ…………これ、このまま俺、閉じ込められる……!)
鼓動が、早くなる。
気がつけば身体はカタカタと震えていて、これから放り込まれる未知の世界への恐怖が、インクの染みのようにじわじわと心を染め上げていく。
それは遠い世界で命をかけて戦い続けてきたときとも、この世界で真っ当な思考を奪われるほどの過労に消耗していたときとも違う、本能に訴える得体の知れない何かで。
(どうしよう、どうしよう……)
不安の正体も分からぬまま、ぐるぐると回り続ける思考に翻弄されかけたその時、新太はふと額に温かさを感じた。
ぎぎぎと音がしそうなぎこちなさで動いた瞳が捉えたのは、片手を己の急所に添え、もう片方の手を額にかざし……すい、といつもの加護を描く、愛しい神様の穏やかな笑顔だ。
「……ムシュカ様」
「大丈夫だ、ヴィナ。お主の本性を解き放つために、少しだけここには我慢して貰うだけだからな。……外せばちゃんと、今まで通り元気になる。だから何も案ずるでない!」
「…………はい」
(そっか。ムシュカ様も多分最初は、同じだった……使い物にならなくなるかもって、怖かったんだ)
きっと神様は、愛し子を少しでも安心させるために、まず自らの身体を差し出したのだろう。
……まぁ、彼のことだろうから好奇心も多分にあったとは思うが、少なくとも彼は異世界の、それも急所に取り付ける未知の道具を試しもせずに伴侶に着けるような、薄情なお方では無い。
(……神様が大丈夫って言ってるなら、うん、大丈夫)
細長いシリンダー錠を刺した鍵が、組み合わさった上部の筒の中に横からすっと差し込まれる。
くるりと回された鍵は、錠を筒の中にのこしかすかな音を立てて引き抜かれ、そのままチェーンを通してムシュカの胸元へ。
「……うむ、しっかり施錠出来ておるな。ではヴィナよ、これより十日間は自ら慰めることと精を放つことを禁じる」
「承知しました、ムシュカ様。……ほんっとうに、俺がどうなっても……嫌わないで下さいよ?」
「嫌うわけがなかろう、どんなお主も私の自慢の愛し子に変わりは無い」
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