【完結】神様は愛し子を餌付けしたい

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番外編その2 愛しい猛獣の作り方

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 いつもなら、かつて逢瀬の終わりを告げたアラームが、この意識をふわりと浮上させる筈なのに。
 隣から聞こえる呻き声に目を覚ましたムシュカは、まだ薄暗い部屋の中でこちらに背を向け丸まっている愛し子の姿に「やはりそうなるよな」と同情の眼差しを向け、そっと腰に手を伸ばす。

 ……その背中にはじっとりと汗が滲んでいて、そう言えば昨日説明するのをすっかり忘れていたなと心の中で新太に謝りながら、ムシュカは静かに声をかけた。

「……ヴィナよ、起きられるか」
「ううぅ……ムシュカ様ぁ……これ、何なんですか……めちゃくちゃ痛い……」

 脂汗を流しながら息も絶え絶えに訴える愛し子は、多分己の股間に鎮座する銀色の檻のことをすっかり忘れているのだろう。
「灯りを付けるぞ」と枕元のライトを灯せば、歯を食いしばり涙目になった新太の顔がぼんやりと浮かび上がった。

「恐らく朝勃ちのせいであろうが……見せて見よ」
「うぐ……いだい……」

 ムシュカが手助けをしながら、ようやっとのことで下履きを脱がせる。
 そこには見慣れた新太の男の徴が、いつものように朝を告げようとして全力で檻に阻まれ、格子に肉を食い込ませて何とかいきり立とうと奮闘していた。
 外側がこの有様なのだ。きっと内側は、カテーテルを尿道で食い締めて悲鳴を上げている事であろう。

 ――良く見れば、ふぐりも色が悪く、こころなしか一回り大きくなっているようだ。
 これはいかんなと、ムシュカは少し難しい顔をしながら「ヴィナよ、トイレに行くぞ」とその背を起こす。

「ぐぅ……といれ……?」
「まずはその元気になった中心を鎮めねばならぬ。朝はトイレに行けば収まるであろう? ほれ、肩を貸すから気合いで動け」
「はひ……っ、こんな痛み……戦でも経験がなかったような……」

 ようやっとの思いでトイレに辿り着いた新太は、震えながら便器に腰掛ける。
 出来れば扉は閉めて欲しいが、心配そうな表情を浮かべる神様にすげなくするのも憚られ、ふぅふぅと息を荒げ少し身体を斜めに傾けながら、下腹部に力を入れた。

 しょろろろ……と恥ずかしい音を立てている所を神様に見つめられて、けれどそんな事に気を回す余裕すらない。
 ぽたり、と握られた拳に落ちた冷たい汗が、新太の苦悶を物語っていた。

「ふぅっ、ふぅっ……」
「……昂りは収まったな。それでだヴィナよ、少し根元を調整するが良い。恐らく位置が悪くて根元を締め付けてるせいで、ふぐりが腫れて痛んでおるはずだ」
「は、はひ……神様、物知りすぎ……」
「いや、私も同じ目に遭っただけだが」
「神様はいくら何でも身体を張りすぎですって、もう……」

 リングによる圧迫が良い感じに解除されたのだろう、痛みは随分引いてきた様に思う。
 新太はウォッシュレットを使って丁寧に股間を洗い清め、トイレットペーパーで丹念に雫を取った。
 どれだけ拭いても何となく汚れている気がしてどうにも落ち着かないが、このままでは埒があかないと諦めて立ち上がれば、ぽたりと雫が垂れて床を濡らす。

「水、取り切れませんね……」
「まあ普段のようにはいかぬよな。なに、これを使えば服を濡らさずにすむ」
「……ええと、これって…………」

 戸惑う新太にムシュカがすっと差し出したのは、小さな四角い包みだ。
 ほんのり花の香りがする白い包みを開ければ、そこには薄っぺらいシートが入っていた。
「雫くらいならこれで十分吸える。裏紙は剥がさずに、下着に挟めば問題ない」と位置を確認する神様は、多分この製品の本来の用途を知らない。

(これ、パンティライナー……女性用の衛生用品じゃん! ! うあぁ、こんな物を着けてるなんてバレたら俺絶対変態扱いされる!)

「うむ、これでよいな。替えはそこの棚にあるから、念のために持っていくと良いぞ」
「ええと……これはちょっと外では出せないな、なんて……」

 いつもの朝食がどことなく味気なく感じるのは、間違いなくこの股間のせいだ。
 あるべき物が閉じ込められ、しかも男なら一生お世話になるはずの無いものを着けているという事実が、どうにも胸をざわつかせる。
 こんな状況では、とても仕事にならなさそうだ。「外では意外と気にならぬものだった」とケロリとした表情でトーストを頬張るムシュカの体験を、今のところは信じるしか無い。

 それにしても、と新太は呆れ半分、感心半分でムシュカの用意周到さを褒める。
 よくライナーなんて物を思いつきましたねと零せば「いや、あれは私も困ってだな」と神様は少しだけ遠い目をした。

「水が零れるなど、どこにも載っていなくてな。どうにも不快で、職場のご婦人に相談をしたのだ」
「……そう、だん?」
「いや、流石に貞操具の話はしてないぞ? ただ、少し漏れることがあると話したら」
「待って」
「その歳で尿漏れは辛かろうと同情されてな……少々騙しているようで気が引けたのだが、軽い尿漏れならこれでいけると教えて貰って、その足でドラッグストアに」
「ちょおおおお! 待ってムシュカ様、これ通販じゃ無くってガチで買いに行ったんですか!?」
「うむ、売り子に事情を話したら快く売り場まで案内してくれた。皆に親切にして貰って、ありがたい事よ」
「ひょえぇ……うちの推しが最強過ぎた……」

 ああ、恥じらいを知らないというのは恐ろしいとその場でがっくり顔を伏せる新太の心配になど気付くことも無く、ムシュカは店員に教えて貰ったというこのライナーの良さを蕩々と語り、新太の精神力を朝から半減させてしまうのだった。


 ◇◇◇


「毘名さんすみません、ちょっとこっちのログを見て貰えますか?」
「あ、はい。5分待って下さい」

 一体どうなることやらとおっかなびっくりで出勤した新太だったが、周囲の視線が気になっていたのはほんの数十分だけ。
 基本的には椅子に座っているし、職場で股間を注視されることはまず無いよなと気付いてからは、あれほど心配したのが嘘のようにいつも通り仕事に励んでいた。

(確かに神様の言うとおりだった……意外と気にならないんだ)

 もちろん、完全に装具のことを忘れられるかというとそれは無理がある。
 ふとした瞬間に金属の固さを感じて、己の大切なところが封じられている事実を突きつけられたり、時には不意に元気になった愚息が内外を締め付ける圧迫感と苦痛を訴えてきたりするけれど、それさえやり過ごせば仕事に支障は無さそうだ。

 これを好んで着ける人たちは初日から興奮して――戒めに興奮する人たちには痛みすらスパイスになるのだとか――大変らしいと神様から教えて貰ったが、幸いムシュカも新太もそんな趣味は持っていない。
 強いて言うなら、仕事中にも息子さんはマイペースに膨らんだり縮んだりしていたのだな、と純粋に驚いたくらいか。

(良かった、これなら十日間だろうが二十日間だろうが、何とかなりそうだ)

 これも念入りに調査し準備してくれた神様のお陰だなと、新太は惚気と感謝を胸の内で叫びながら新たなタスクにとりかかるのだった。

 ――その頭から真の目的がすっぽ抜けていることに気付くのは、もうちょっと先の話。


 ◇◇◇


 とは言え、全てが今まで通りとも行かないのも事実であって。

(……うう、座ってするだけでも何となく居心地が悪いのに……何だかなぁ)

 仕事の合間、勢いよく便器に叩き付けられる雫を眺める新太の胸中は、どうにも複雑だ。

 貞操具が己の性器を戒めるという意味は、単純な自慰と射精の管理だけでは無かった――
 装着から既に何度か体験しているにも拘わらず、新太は今更ながら言いようのない虚しさを小さな箱の中で噛みしめていた。

 いつもなら立ったまま半ば無意識に行われる排尿という行為が、金属の檻に阻まれ許されない。
 ただ座って出すだけ――これだけの事に無力感を感じるとは、正直予想外だった。
 トイレで誰かに鉢合わせる機会はそれほど無いとは言え、毎回個室を使う姿を見られたらと思うと嫌が応にも緊張は高まるし、無意識に小便器の前に立って金属の檻に気付いた瞬間の脱力は……こういうプレイを嗜む変態なら楽しかったんだろうなぁとでも思わないと、どうにもやっていられない。

「……すっきりしない…………出てる、のに……よく分からない……?」

 しょろろ……

 便器を汚さないよう角度を調整し力を緩めれば、膀胱を満たしていた液体は見る間に空になっていく。
 だが全てを排出したところで、新太は更なる事実に気付くのだ。

 ――出し切ったはずなのに、物足りない、と。

 半透明の管を通り抜ける水流は、排尿という尿道に生じる原始的な快楽すら取り上げてしまう。
 それは生活の中では些細な剥奪に過ぎない筈なのに……じわじわと新太の心の中に言いようのない泥を流し込んでいくようで。

「はぁ……」

 これだけはきっと慣れることが無いんだろうな……と、少し憂鬱な気持ちで机に戻れば、ぴこん、とポケットから軽快な音が聞こえた。
 ……この音を鳴らす相手は、一人しかいない。

「こんな時間に? 何かあったのかな」

 スマホを開ければ、案の定そこに表示されていたのはムシュカからのメッセージだ。
 今日の献立に悩んでいると珍しい相談に、新太は早速返信をタップする。

『ヴィナは何か食べたいものはあるか?』
『うーん、俺はがっつり肉が食べたい気分ですね』
『なら今日は豚の生姜焼きが良いか』
『いいですね、あー神様の生姜焼き楽しみぃ! でも珍しいですね、献立に悩むなんて』
『いや、初日だしお主も大変だろうからな……トイレは大丈夫か』

「あ……ふふっ……」

(……うん、やっぱり俺の推しは尊みが過ぎる)

 ひとつ、ひとつ。
 この神様は、己の仕入れた知恵と体験に基づき、新太が直面する小さな痛みを掬い上げて癒やしてくれる。

 いやまぁ、これを着けた元凶もこの麗しき神様ではあるのだけれど、なんだかんだ言って無茶振りの自覚はあるのだろう。
 元王族とは思えない細やかな気遣いは、自分だけに向けられた物であることが分かっているだけに……余計に新太の熱は上がるばかりで。

『……神様、神様が尊すぎて物理的に辛いです』
『いや、私は何もしておらぬぞ! ? お主の推し概念は、炸裂場所が難しくてかなわぬ!!』

「はぁぁ、痛ったい……流石にどれだけ尊くても痛みは取れないや……」

 うっかり元気になった息子さんに一人悶絶しつつも、スマホを見つめる新太の顔はすっかり緩んでいたのだった。


 ◇◇◇


「ムシュカ様、お風呂上がりました」
「うむ、どうだ? 沁みるところはなかったか」
「はい。ただちょっと洗いにくいのが気になりますね……汚れが取れて無さそうで……」
「それは解決法を考えておるから、案ずるでない」

 家に帰れば、醤油の香ばしさで途端にお腹が歓喜の音を立てて。
 いつも通り語らいながら楽しい夕食時を過ごし、お風呂に入れば早速ムシュカによる観察だ。

 痛みは無いか、傷は出来ていないか、浮腫はどうか……
 神様はその美しいかんばせを愛し子の股間に鼻が付くほど近づけてじっくり確認していくものだから、新太はひたすら上を向き素数を数えながら息子さんを宥めるしか無い。

「あのう……ムシュカ様、そんな、汚いのが付いちゃいます……」
「なに、まだ初日だしちゃんと洗浄したなら問題はない。それに汚れていたところで、そんな些細なことを私が気にするとでも?」
「お願いですからそこは気にして下さい!」

 確認が終われば、金属が当たるところに改めてワセリンを塗り込めて、ようやく終了だ。
「傷も赤みもない、これなら調整は要らぬな」と安堵した様子でソファに腰掛けるムシュカの手招きに、新太はいそいそと下着を着けていつもの膝枕体勢を取った。
 途端、身体がずんと一気に重くなった気がする。どうやら慣れない装具を着けての一日は、思った以上に負荷がかかっていたらしい。

「……ふふ、久々に懺悔の時間といくか? ヴィナよ」
「えーもう大丈夫ですよ! ブラック時代とは違いますし……あ、でも正直トイレは……」

 今日のことをつれつれと語れば、ムシュカは優しい手つきで頭を撫でて「うむ、ヴィナは頑張っておるな」と褒めてくれる。
 それだけで、心に溜まった泥も、染まった沁みも、洗い流されていくかのようだ。
 ……ちょっとだけ息子さんが檻から出せと文句を言っているのだが、そこは気合いで耐えることとする。

(……うん、やっぱり俺は神様が笑顔でいるのが一番嬉しい)

 この穏やかな笑顔こそが、あの頃の新太にとっては生きる全てだった。
 人生のどん底で差し伸べられた手とご飯の温かさを、きっと自分は生涯忘れることが無いだろう。
 そして……この方を笑顔にするためなら、局部を閉じ込められるくらい安いものと新太は心の底から思っている。

 ちなみに、いつか逆の体勢を試したいという神様の望みはまだ叶わぬままだ。
 正確には一度チャレンジしようとしたが、己の太ももに後光がさす光景は圧巻であった。……つまり即座に鼻血を神様の頬に垂らす失態に発展し、以後新太の成長が見られるまでは禁じ手とする協定が交わされたのである。

「えへ……ムシュカ様ぁ……」
「ん? 今日はもう寝るか。慣れぬ装具は疲れたであろう」

 もぐもぐと小さく口を動かしながら、いつしか愛し子は膝の上で微睡んでいる。
 本当にお主はどこまでも食いしん坊だなとムシュカはうっそり微笑み、寝ぼけ眼の新太をベッドに誘うのだった。

「おやすみ、アラタ。……目覚めはきっと苦痛だからな、せめて共に良き夢を見ようぞ」
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