17 / 21
#015 フローズンマルガリータ
しおりを挟む
声劇台本です。
バーにやって来た女性と話しているバーテンダー視点で書きました。
_____________________________________________
·····ん。涙、止まった?
そっか。ならよかった。
大丈夫。今日はもう誰も来ないよ。店の表は閉めてあるからね。
それにしても、急に店に来たと思ったら、大泣きしてるんだもん。ビックリしたよ·····
あぁいや、責めてる訳じゃないんだ。ただ、すごく心配したってだけ。
·····それで、何かあった?
教えてくれないの?なんで?
·····それも教えてくれない?
んー·····気にしないでって言われてもなぁ·····。今の君をほっといてまで閉店作業をする気にはなれないよ。
そんな顔で大丈夫。なんて言われても、全然説得力ないからね。
·····(ため息) そんなに、僕が頼りない?
うん、そうだね。わかってるよ。君は、ただ僕に心配をかけたくないだけなんだよね。
でも、僕は君がそうやって無理をして辛そうにしている方がよっぽど心配するって知ってた?
まぁ、無理矢理言わせようって訳じゃないけどね。ただ、話してくれるならゆっくり聞くよ?
迷惑だなんて思わなくていいって。僕が話して欲しいって言ったんだから。
それに明日は店も休みだし、君も仕事休みだろ? たまには2人でゆっくり飲むのもいいかなって。
そう? よかった。
何飲みたい? 今日は僕の奢りで、なんでも作るよ
おまかせ·····。それでいいの?
わかった。ちょっと待ってね。
(カクテルを作りながら)
さっきの話だけど、ほんと、君が話したくないなら無理しなくていいんだ。
でも、君はすぐ一人で無理する所があるから·····心配なんだよ。
何でも一人でやろうとするし、辛いことがあっても、我慢しようとするし·····
不安なんだ。君は強い人だけど、その分弱い人だから。いつか限界が来てしまうんじゃないかって。
なんの前触れもなく、いなくなってしまうんじゃないかって、考えてしまうこともあるんだよ。
考えすぎなんだろうけど·····、でも、僕は君のことが大切だから。そう、考えてしまうんだ。
でも君は、そんな僕のことをわかっているからこそ、僕に心配をかけまいとしてるんだよね。
ほんと、君には敵わないよ。
(完成したカクテルを差し出す)
僕は、君の笑顔が好きだ。でも、無理して笑って欲しくない。
だから、泣きたい時には泣いていいし、愚痴を吐きたくなったら、沢山吐いていい。
僕がいるんだから、一人で無理する必要なんかないんだ。
だから·····、だからさ、もう、一人で泣かないで欲しい。
迷惑なんて思わないから。今日みたいに、店に来るでもいい。たった一言、連絡してくれるだけでもいい。
君が元気になってくれるなら、笑顔になってくれるなら、僕は何だって出来るんだから。
って、何で笑うのさ。いや、笑顔になって欲しいとは言ったけど、今のはなんか·····、ちょっとバカにされてる気分なんだけど。
そんなことないって? どうだか·····
元気出た? ふーん·····そっか·····。それならよかったよ。
あーほらほら。せっかく作ったんだから。飲んでみてよ。
これ?「フローズン・マルガリータ」だよ。フローズン状のカクテルなんだ。まだ少し暑いからね、少しでも涼しくなれたらと思って。
ん?僕も飲むよ? 僕は普通にテキーラだけどね。
うん。今日は沢山飲もう。最後まで付き合うよ。
·····まぁ、君お酒弱いから、すぐ潰れちゃうだろうけどね。
なーんて。冗談だよ。
うん。乾杯。今日も一日お疲れ様。
ー完ー
今回のカクテル 「フローズン・マルガリータ」
テキーラ、ホワイトキュラソー、レモンジュースでつくられる。シェイカーの中でフローズン状にするので、口当たりが柔らかくなり、飲みやすい。
意味は「元気を出して」
バーにやって来た女性と話しているバーテンダー視点で書きました。
_____________________________________________
·····ん。涙、止まった?
そっか。ならよかった。
大丈夫。今日はもう誰も来ないよ。店の表は閉めてあるからね。
それにしても、急に店に来たと思ったら、大泣きしてるんだもん。ビックリしたよ·····
あぁいや、責めてる訳じゃないんだ。ただ、すごく心配したってだけ。
·····それで、何かあった?
教えてくれないの?なんで?
·····それも教えてくれない?
んー·····気にしないでって言われてもなぁ·····。今の君をほっといてまで閉店作業をする気にはなれないよ。
そんな顔で大丈夫。なんて言われても、全然説得力ないからね。
·····(ため息) そんなに、僕が頼りない?
うん、そうだね。わかってるよ。君は、ただ僕に心配をかけたくないだけなんだよね。
でも、僕は君がそうやって無理をして辛そうにしている方がよっぽど心配するって知ってた?
まぁ、無理矢理言わせようって訳じゃないけどね。ただ、話してくれるならゆっくり聞くよ?
迷惑だなんて思わなくていいって。僕が話して欲しいって言ったんだから。
それに明日は店も休みだし、君も仕事休みだろ? たまには2人でゆっくり飲むのもいいかなって。
そう? よかった。
何飲みたい? 今日は僕の奢りで、なんでも作るよ
おまかせ·····。それでいいの?
わかった。ちょっと待ってね。
(カクテルを作りながら)
さっきの話だけど、ほんと、君が話したくないなら無理しなくていいんだ。
でも、君はすぐ一人で無理する所があるから·····心配なんだよ。
何でも一人でやろうとするし、辛いことがあっても、我慢しようとするし·····
不安なんだ。君は強い人だけど、その分弱い人だから。いつか限界が来てしまうんじゃないかって。
なんの前触れもなく、いなくなってしまうんじゃないかって、考えてしまうこともあるんだよ。
考えすぎなんだろうけど·····、でも、僕は君のことが大切だから。そう、考えてしまうんだ。
でも君は、そんな僕のことをわかっているからこそ、僕に心配をかけまいとしてるんだよね。
ほんと、君には敵わないよ。
(完成したカクテルを差し出す)
僕は、君の笑顔が好きだ。でも、無理して笑って欲しくない。
だから、泣きたい時には泣いていいし、愚痴を吐きたくなったら、沢山吐いていい。
僕がいるんだから、一人で無理する必要なんかないんだ。
だから·····、だからさ、もう、一人で泣かないで欲しい。
迷惑なんて思わないから。今日みたいに、店に来るでもいい。たった一言、連絡してくれるだけでもいい。
君が元気になってくれるなら、笑顔になってくれるなら、僕は何だって出来るんだから。
って、何で笑うのさ。いや、笑顔になって欲しいとは言ったけど、今のはなんか·····、ちょっとバカにされてる気分なんだけど。
そんなことないって? どうだか·····
元気出た? ふーん·····そっか·····。それならよかったよ。
あーほらほら。せっかく作ったんだから。飲んでみてよ。
これ?「フローズン・マルガリータ」だよ。フローズン状のカクテルなんだ。まだ少し暑いからね、少しでも涼しくなれたらと思って。
ん?僕も飲むよ? 僕は普通にテキーラだけどね。
うん。今日は沢山飲もう。最後まで付き合うよ。
·····まぁ、君お酒弱いから、すぐ潰れちゃうだろうけどね。
なーんて。冗談だよ。
うん。乾杯。今日も一日お疲れ様。
ー完ー
今回のカクテル 「フローズン・マルガリータ」
テキーラ、ホワイトキュラソー、レモンジュースでつくられる。シェイカーの中でフローズン状にするので、口当たりが柔らかくなり、飲みやすい。
意味は「元気を出して」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
👨一人用声劇台本「寝落ち通話」
樹(いつき)@作品使用時は作者名明記必須
恋愛
彼女のツイートを心配になった彼氏は彼女に電話をする。
続編「遊園地デート」もあり。
ジャンル:恋愛
所要時間:5分以内
男性一人用の声劇台本になります。
⚠動画・音声投稿サイトにご使用になる場合⚠
・使用許可は不要ですが、自作発言や転載はもちろん禁止です。著作権は放棄しておりません。必ず作者名の樹(いつき)を記載して下さい。(何度注意しても作者名の記載が無い場合には台本使用を禁止します)
・語尾変更や方言などの多少のアレンジはokですが、大幅なアレンジや台本の世界観をぶち壊すようなアレンジやエフェクトなどはご遠慮願います。
その他の詳細は【作品を使用する際の注意点】をご覧下さい。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる