さぁ、離縁して下さいませ。

伊月 慧

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結婚生活②

嫉妬

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 今、ゼス様があの女の人と向き合っている。それはきっとゼス様の人生の中で一番勇気のあることで、とても頑張っているのだと思う。

 それなのにこんなにもモヤモヤしてしまうのは、どうしてだろう。




「終わった」

 吹っ切れたような顔で出てきたゼイルドは、シャルロットを見て笑った。

「ありがとう。連れてきてくれて、本当に……ありがとう」
「私は何も……」

 なにもしていない。あの人と向き合ったのは全部、ゼス様の力なのだ。

 表情を変えずに眠るあの女性は、綺麗だった。目を開けてもきっと美人なのだろう。そんな人がゼス様の初恋。

(私は恋をしたことがないけれど、そんなにも悲しいものなのかしら?)

 物語で読んだ恋は、もっと素敵だった。私もいつか運命の人と出逢いたいと思ったものだ。


「シャルロット?」
「あ……はい?」
「どうした、さっきから上の空だが」

 なんだろう。今日はゼス様がよく話される。きっとあの女性に会えたから。
 そう考えるとまたモヤモヤし始める。

「……いえ…なにも」
「そうか?…それで、夕食は何が食べたい?今夜はお前の好きなものを並べよう」
「…ゼス様のお好きなものになさって。私、あまり食欲がなくて…」
「大丈夫か?医者を…」
「大丈夫です」

 大丈夫だと言っているのに、ゼイルドが肩を支えてくる。
 その手を置かれた辺りの体温が、何故かとても熱く感じた。

 まるで、あの女性に嫉妬でもしているみたいだと思った。
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