おしとやかな令嬢だと思われていますが、実は王国内で私だけ無限にスキルを取得できるので、裏では最強冒険者として暗躍しています。

月海水

文字の大きさ
20 / 102

対人戦の基本

しおりを挟む
 対人間戦闘は、モンスターよりも気をつけなければならない点が多い。

 モンスターはその種族を見れば、大体どんな技を繰り出すか予想ができる。

 だが、対人戦においては、外見だけでは相手の取得しているスキルを把握することはできない。

 思わぬ攻撃を食らう可能性が高いということだ。

 残念ながら、相手のスキルを読み取ることができるようなスキルは、私も取得していなかった。

 そもそもこの世にそんなものが存在するのかどうかも謎だ。

 ということで、まずは警備長たち三人を観察する。

 三人でパーティーを組んでいる……ということは、お互いを補い合うスキルを持っている可能性が高い。

 すると、人相の悪い二人が動いた。

「兄貴! 攻撃強化っす!!」

「兄貴! 防御強化っす!!」

 同時に叫ぶと、警備長に向かって、赤と青の光が飛んでいく。

 それを受けた警備長は明らかに強化されたようだ。

 なるほど、『攻撃強化』に『防御強化』。

 それぞれ、攻撃系パラメーターを一式上昇させるものと、その防御版の二つ。

 バフスキルを一人に重ね合わせていくことで、強力なアタッカーを生み出す戦法のようだ。

 だとすれば、警備長の戦闘スキルは相手にダメージを与えるスキルだろう。

「一撃だ」

 警備長が構えた剣が黒色に染まる。

 あれは『暗黒裂傷』と呼ばれるスキルだ。それもかなりの高レベル。

 あの黒く染まった武器で切られた傷は自ら広がっていくという最悪な効果を持っている。

 いかにも悪役が好んで使いそうなスキルだ。

「だ、大丈夫なんですか……赤フードさん。あの技、一度だけ侵入した賊に対して使ったのを見たことがありますが、その……賊は酷いことに……」

 背後のエルスが不安げに言う。

 確かにきちんと対策ができていないと、『暗黒裂傷』はかなり厄介なスキルだ。

 私はどうするか考える。このまま、真正面から迎え撃ってもいいが……もっと効率的な方法もある。

 そして私は選択した。

 警備長の『暗黒裂傷』。

 わざと受けてみよう、と。
しおりを挟む
感想 31

あなたにおすすめの小説

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました

ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。

悪役令嬢が処刑されたあとの世界で

重田いの
ファンタジー
悪役令嬢が処刑されたあとの世界で、人々の間に静かな困惑が広がる。 魔術師は事態を把握するため使用人に聞き取りを始める。 案外、普段踏まれている側の人々の方が真実を理解しているものである。

地味な薬草師だった俺が、実は村の生命線でした

有賀冬馬
ファンタジー
恋人に裏切られ、村を追い出された青年エド。彼の地味な仕事は誰にも評価されず、ただの「役立たず」として切り捨てられた。だが、それは間違いだった。旅の魔術師エリーゼと出会った彼は、自分の能力が秘めていた真の価値を知る。魔術と薬草を組み合わせた彼の秘薬は、やがて王国を救うほどの力となり、エドは英雄として名を馳せていく。そして、彼が去った村は、彼がいた頃には気づかなかった「地味な薬」の恩恵を失い、静かに破滅へと向かっていくのだった。

ありふれた聖女のざまぁ

雨野千潤
ファンタジー
突然勇者パーティを追い出された聖女アイリス。 異世界から送られた特別な愛し子聖女の方がふさわしいとのことですが… 「…あの、もう魔王は討伐し終わったんですが」 「何を言う。王都に帰還して陛下に報告するまでが魔王討伐だ」 ※設定はゆるめです。細かいことは気にしないでください。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

拾った子犬がケルベロスでした~実は古代魔法の使い手だった少年、本気出すとコワい(?)愛犬と楽しく暮らします~

荒井竜馬@書籍発売中
ファンタジー
旧題: ケルベロスを拾った少年、パーティ追放されたけど実は絶滅した古代魔法の使い手だったので、愛犬と共に成り上がります。 ========================= <<<<第4回次世代ファンタジーカップ参加中>>>> 参加時325位 → 現在5位! 応援よろしくお願いします!(´▽`) =========================  S級パーティに所属していたソータは、ある日依頼最中に仲間に崖から突き落とされる。  ソータは基礎的な魔法しか使えないことを理由に、仲間に裏切られたのだった。  崖から落とされたソータが死を覚悟したとき、ソータは地獄を追放されたというケルベロスに偶然命を助けられる。  そして、どう見ても可愛らしい子犬しか見えない自称ケルベロスは、ソータの従魔になりたいと言い出すだけでなく、ソータが使っている魔法が古代魔であることに気づく。  今まで自分が規格外の古代魔法でパーティを守っていたことを知ったソータは、古代魔法を扱って冒険者として成長していく。  そして、ソータを崖から突き落とした本当の理由も徐々に判明していくのだった。  それと同時に、ソータを追放したパーティは、本当の力が明るみになっていってしまう。  ソータの支援魔法に頼り切っていたパーティは、C級ダンジョンにも苦戦するのだった……。  他サイトでも掲載しています。

最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)

みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。 在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。

卒業パーティでようやく分かった? 残念、もう手遅れです。

ファンタジー
貴族の伝統が根づく由緒正しい学園、ヴァルクレスト学院。 そんな中、初の平民かつ特待生の身分で入学したフィナは卒業パーティの片隅で静かにグラスを傾けていた。 すると隣国クロニア帝国の王太子ノアディス・アウレストが会場へとやってきて……。

処理中です...