37 / 102
山脈の上空で
しおりを挟む
「す、すごいですわ……っ!!」
アルメダの歓喜の声が背後から聞こえてくる。
それもそうだろう。こんな経験、なかなかできることではない。
私とアルメダは今、ビッグの背に乗って空を飛んでいた。
ビッグにかけた『風圧無効』のおかげで、空気抵抗系のパッシブスキルを持たないアルメダも、振り落とされる心配はなく、快適に過ごせているようだ。
もちろん、ただ遊ぶために空へ飛び上がったわけじゃない。
ランガ山脈は剥き出しの岩地が多い場所だ。
上空から探せば、逃げた使用人を見つけることは容易。
ということで、ビッグの背に乗せてもらったわけである。
「キュウッ!」
意外と可愛い鳴き声でビッグは鳴く。
『服従』のスキルを使ってはいるが、全ての指示はお願いという形で行っているので、あまり身体に強制的な負担をかけずに済んでいるはずだ。
久しぶりに自由に動けて、ビッグは楽しそうだった。
「ーー見つけた」
しばらく上空を飛んでいると、地上を必死に駆けていく人間を一人見つけた。
もちろん、あの使用人だ。
「まさか身内に敵がいるなんて思いもしませんでしたわ……」
「スキル研究所の時も、身内の人間が関わっていた。貴族の家は狙われやすいのかな」
私の家にも、実は敵がいたりして……と思うが、幸いなことに全員が小さい頃からの信頼できる人間だ。
新しい人間が雇われた時は気をつけよう……。
そう思いながら、私はビッグに指示を出す。
「あいつを捕まえて、空に持ち上げてやりましょう。巨大な鳥に襲われる恐怖を自分の身で感じて、反省してもらわないとね」
「キュウッ!」
ビッグは急降下を始め、あっという間に逃げる使用人の背中を捉えた。
「う、うわぁぁぁぁっ!! なぜ、こんなことに!!」
叫びながら逃げていく使用人。私は答える。
「そりゃ、あなたが悪いことをしたからでしょ」
そして、ビッグは両足で使用人の身体をわしつかみにすると、そのまま上空へと急上昇した。
「落ちる! 落ちるぅ!!!」
「暴れると本当に落ちるからね」
そうして使用人をつかんだまま、数分間の飛行は続き、地上に戻った時には、使用人は放心状態になっていた。
巨大な鳥に襲われるということがどれだけ怖いことか、身を持って理解したようだ。
アルメダの歓喜の声が背後から聞こえてくる。
それもそうだろう。こんな経験、なかなかできることではない。
私とアルメダは今、ビッグの背に乗って空を飛んでいた。
ビッグにかけた『風圧無効』のおかげで、空気抵抗系のパッシブスキルを持たないアルメダも、振り落とされる心配はなく、快適に過ごせているようだ。
もちろん、ただ遊ぶために空へ飛び上がったわけじゃない。
ランガ山脈は剥き出しの岩地が多い場所だ。
上空から探せば、逃げた使用人を見つけることは容易。
ということで、ビッグの背に乗せてもらったわけである。
「キュウッ!」
意外と可愛い鳴き声でビッグは鳴く。
『服従』のスキルを使ってはいるが、全ての指示はお願いという形で行っているので、あまり身体に強制的な負担をかけずに済んでいるはずだ。
久しぶりに自由に動けて、ビッグは楽しそうだった。
「ーー見つけた」
しばらく上空を飛んでいると、地上を必死に駆けていく人間を一人見つけた。
もちろん、あの使用人だ。
「まさか身内に敵がいるなんて思いもしませんでしたわ……」
「スキル研究所の時も、身内の人間が関わっていた。貴族の家は狙われやすいのかな」
私の家にも、実は敵がいたりして……と思うが、幸いなことに全員が小さい頃からの信頼できる人間だ。
新しい人間が雇われた時は気をつけよう……。
そう思いながら、私はビッグに指示を出す。
「あいつを捕まえて、空に持ち上げてやりましょう。巨大な鳥に襲われる恐怖を自分の身で感じて、反省してもらわないとね」
「キュウッ!」
ビッグは急降下を始め、あっという間に逃げる使用人の背中を捉えた。
「う、うわぁぁぁぁっ!! なぜ、こんなことに!!」
叫びながら逃げていく使用人。私は答える。
「そりゃ、あなたが悪いことをしたからでしょ」
そして、ビッグは両足で使用人の身体をわしつかみにすると、そのまま上空へと急上昇した。
「落ちる! 落ちるぅ!!!」
「暴れると本当に落ちるからね」
そうして使用人をつかんだまま、数分間の飛行は続き、地上に戻った時には、使用人は放心状態になっていた。
巨大な鳥に襲われるということがどれだけ怖いことか、身を持って理解したようだ。
14
あなたにおすすめの小説
【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。
悪役令嬢が処刑されたあとの世界で
重田いの
ファンタジー
悪役令嬢が処刑されたあとの世界で、人々の間に静かな困惑が広がる。
魔術師は事態を把握するため使用人に聞き取りを始める。
案外、普段踏まれている側の人々の方が真実を理解しているものである。
地味な薬草師だった俺が、実は村の生命線でした
有賀冬馬
ファンタジー
恋人に裏切られ、村を追い出された青年エド。彼の地味な仕事は誰にも評価されず、ただの「役立たず」として切り捨てられた。だが、それは間違いだった。旅の魔術師エリーゼと出会った彼は、自分の能力が秘めていた真の価値を知る。魔術と薬草を組み合わせた彼の秘薬は、やがて王国を救うほどの力となり、エドは英雄として名を馳せていく。そして、彼が去った村は、彼がいた頃には気づかなかった「地味な薬」の恩恵を失い、静かに破滅へと向かっていくのだった。
ありふれた聖女のざまぁ
雨野千潤
ファンタジー
突然勇者パーティを追い出された聖女アイリス。
異世界から送られた特別な愛し子聖女の方がふさわしいとのことですが…
「…あの、もう魔王は討伐し終わったんですが」
「何を言う。王都に帰還して陛下に報告するまでが魔王討伐だ」
※設定はゆるめです。細かいことは気にしないでください。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)
みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。
在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。
拾った子犬がケルベロスでした~実は古代魔法の使い手だった少年、本気出すとコワい(?)愛犬と楽しく暮らします~
荒井竜馬@書籍発売中
ファンタジー
旧題: ケルベロスを拾った少年、パーティ追放されたけど実は絶滅した古代魔法の使い手だったので、愛犬と共に成り上がります。
=========================
<<<<第4回次世代ファンタジーカップ参加中>>>>
参加時325位 → 現在5位!
応援よろしくお願いします!(´▽`)
=========================
S級パーティに所属していたソータは、ある日依頼最中に仲間に崖から突き落とされる。
ソータは基礎的な魔法しか使えないことを理由に、仲間に裏切られたのだった。
崖から落とされたソータが死を覚悟したとき、ソータは地獄を追放されたというケルベロスに偶然命を助けられる。
そして、どう見ても可愛らしい子犬しか見えない自称ケルベロスは、ソータの従魔になりたいと言い出すだけでなく、ソータが使っている魔法が古代魔であることに気づく。
今まで自分が規格外の古代魔法でパーティを守っていたことを知ったソータは、古代魔法を扱って冒険者として成長していく。
そして、ソータを崖から突き落とした本当の理由も徐々に判明していくのだった。
それと同時に、ソータを追放したパーティは、本当の力が明るみになっていってしまう。
ソータの支援魔法に頼り切っていたパーティは、C級ダンジョンにも苦戦するのだった……。
他サイトでも掲載しています。
卒業パーティでようやく分かった? 残念、もう手遅れです。
柊
ファンタジー
貴族の伝統が根づく由緒正しい学園、ヴァルクレスト学院。
そんな中、初の平民かつ特待生の身分で入学したフィナは卒業パーティの片隅で静かにグラスを傾けていた。
すると隣国クロニア帝国の王太子ノアディス・アウレストが会場へとやってきて……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる